シングル・第29回シングル厨のつどい使用パーティ・クレセクチート

第29回シングル厨のつどいオフにて使用したパーティです。
結果はリザードンブロックを予選8-0の全勝で1位通過でしたが、決勝トーナメント1回戦目で敗北しベスト32という結果に終わりました。
使用したパーティ解説記事を書きます。




   
   



メガクチート

クチートナイト ちからもち
じゃれつく はたきおとす ふいうち ほのおのキバ
いじっぱり 157(252)-172(252)-145-*-115-71(4)
クレセリア

オボンのみ ふゆう
サイコキネシス れいとうビーム トリックルーム みかづきのまい
ひかえめ 227(252)-*-141(4)-139(252)-150-105
スイクン

ゴツゴツメット プレッシャー
ねっとう れいとうビーム ぜったいれいど ほえる
のんき 207(252)-*-179(220)-112(12)-135-97(24)
ボルトロス(けしん)

いのちのたま いたずらごころ
10まんボルト めざめるパワー(氷) でんじは ちょうはつ
おくびょう 155(4)-*-90-177(252)-100-179(252)
ガブリアス

きあいのタスキ さめはだ
げきりん じしん がんせきふうじ つるぎのまい
ようき 183-182(252)-115-*-106(4)-169(252)
メガガルーラ

ガルーラナイト おやこあい
ちきゅうなげ れいとうビーム シャドーボール みがわり
おくびょう 197(132)-*-121(4)-93(100)-123(20)-167(252)



<基本コンセプト>



↓内容は大きく違いますがこちらの構築がベースとなっています。

http://d.hatena.ne.jp/meikaizerogin6y/20140221

このパーティのメインコンセプトは「低速高耐久高火力+先制技持ちをトリックルームと組み合わせる」ことです。不利な相手はあれど絶対的に勝ち目の無いパーティはなく、勝ち筋も分かりやすくて非常に気に入っているこの構築を使い続けていました。
しかし比較的数の多いライコウに対して不利になりやすいことがこの構築の欠点として気になっていました。ライコウに限らずボクはシングルの環境において一番意識すべきなのは電気タイプであると感じており、それらほぼ全てに後手に回りがちであることはあまり得策ではないと判断しました。
そこでマリルリと似た役割がこなせるメガクチートを主軸に据え、ある程度初手のライコウに対しても基本の戦い方ができる点に注目しました。マリルリを中心とした選出だとメガハッサムを選出しないことも多かったためメガシンカをするクチートを主軸に添えても選出のしづらさは変わらず、同じ感覚で戦えると判断しました。
それらの面子を補完させていきながら構築を組み上げていくと「クレセクチート」のテンプレートに近い構築に仕上がりました。



<個別解説>





メガクチート

クチートナイト ちからもち
じゃれつく はたきおとす ふいうち ほのおのキバ
いじっぱり 157(252)-172(252)-145-*-115-71(4)



・「いじっぱり」HA最大
・余り4をS



構築の主軸となるポケモンです。「じゃれつく」+「ふいうち」で大多数のポケモンを倒すことができます。
タイプの組み合わせによる耐性も優秀で、不利なポケモンが少なく基本選出をさせる主軸として戦えるスペックを持っています。
特性の「いかく」により耐える攻撃の数が増えます。耐性面での優秀さから後出しすることが多いポケモンでもあるので、役立つ機会の多い特性です。
技についてはタイプ一致技で一番威力が高いメインウェポンである「じゃれつく」と先制技として相手を倒しやすい「ふいうち」を採用した後、一貫性が取りやすく相手を選びづらい「はたきおとす」を採用しました。「トリックルーム」下では相手が交代することで攻撃を受けながらターン数を稼ぐ戦い方をするため一貫性の取りやすい技が主軸のアタッカーには求められており、半減タイプが悪タイプのみ、かつクチートが元々悪タイプに相性面で有利であることから「はたきおとす」は一貫性の高い技として使うことができます。「ゴツゴツメット」や「オボンのみ」を落とすことができるためクチートに対して抗う手段を減らせる強力な技です。
最後の技として「ほのおのキバ」を採用しました。これによりクチートギルガルドハッサムなどの鋼タイプに強いポケモンとして扱うことができます。クレセリアに「めざめるパワー(炎)」を採用していなければナットレイハッサムなどクチートが押し負ける危険性があるため、「ほのおのキバ」が必要となります。
配分は特に調整せずにHAに特化しました。せめて理由付けをするならば主軸となる以上Aは最大値を確保し、ハピナスの「ちきゅうなげ」を3発耐えるためにHPを151以上とした上で明確な耐久調整ラインが見つからなかったためです。余り4をSに回し、「トリックルーム」をしない状態での相手のメガクチートに先制できる確率を高めました。ミラーマッチの時にクチートを選出する場合はクレセリアを選出することが少ないと感じたのが理由です。ミラーを強く意識するならばある程度HPを削って素早さに回すことも考えられます。





クレセリア

オボンのみ ふゆう
サイコキネシス れいとうビーム トリックルーム みかづきのまい
ひかえめ 227(252)-*-141(4)-139(252)-150-105



・控えめHC最大
・余り4をB



トリックルーム」を使うことでメガクチートを戦いやすくするためのクレセリアです。その他にも、「みかづきのまい」で味方のポケモンのサポートをこなします。
メガクチートは「こだわりハチマキ」を持つガブリアスの「じしん」を耐えることができないため、初手でメガクチートガブリアスが向き合った場合はクレセリアに交代し「トリックルーム」から展開して戦います。
技はメインコンセプトである「みかづきのまい」と「トリックルーム」を覚えさせた後、「サイコキネシス」を覚えさせ、Cを最大とすることでファイアローを倒しやすくしました。「おにび」をクレセリアに撃たれなければ比較的有利に戦えます。また、「こだわりハチマキ」を持ったガブリアスに撃ち負けないよう「れいとうビーム」を覚えさせました。パーティの多くのポケモンガブリアスに打点を持っていますが、メガクチートを採用する場合は「こだわりハチマキ」を持ったガブリアスが非常に苦手となるためどのような場面でも撃ち負けないよう強く意識した結果です。
あまり耐久力に努力値を割いていないため短期決戦を目指すような選出パターンを組み込みます。また、相手のギミック系に弱くマリルリなどの起点になりやすいため、立ち回りで強く意識することが重要なポケモンです。
れいとうビーム」の枠は「どくどく」や「めざめるパワー(炎)」が候補です。「トリックルーム」はほぼメガクチートの専用技となってしまっていますが、他に素早さ操作手段を盛り込もうとすると「でんじは」となり、電気タイプを強く意識するというコンセプトが通じにくくなると感じたことから、「トリックルーム」の採用となりました。
耐久力に殆ど努力値を割いていないためやや後出し性能に不安を残すことから、持ち物は「オボンのみ」としました。これにより攻撃を2回耐えることが増えるため後出しから「トリックルーム」と「みかづきのまい」を使いやすくなります。





スイクン

ゴツゴツメット プレッシャー
ねっとう れいとうビーム ぜったいれいど ほえる
のんき 207(252)-*-179(220)-112(12)-135-97(24)



・「ステルスロック」ダメージ+【+1】A133ファイアローの「ブレイブバード」2発耐え
・【+1】A182ガブリアスの「じしん」2発耐え
・「ねっとう」で167-126ヒードラン2発
・C177ボルトロス(けしん)の「10まんボルト」耐え
・余りSでS96(努力値4振り)メガハッサム抜き



メガクチートの苦手なファイアローヒードランといった炎タイプへの補完となるスイクンの採用です。物理耐久・特殊耐久両方に優れることからファイアローヒードランの両方を相手に出来る数少ないポケモンです。炎タイプだけでなく、高い物理耐久から「ねっとう」「れいとうビーム」で地面タイプにも強いことからメガクチートと非常に相性の良いポケモンです。
ファイアローが「フレアドライブ」で攻めてきた場合はボルトロスも倒されてしまうため、「ゴツゴツメット」をスイクンに持たせることで有利に戦えるようにしました。他にもメガガルーラなどを削ってメガクチートで倒せるまでHPを減らせるなど様々な場面で活躍する、物理耐久の高いポケモンと相性の良い持ち物です。仮に物理耐久を最大としてもファイアローのAが146で「こだわりハチマキ」を持っている場合「ステルスロック」のダメージと「ブレイブバード」2発で(乱数で)倒されてしまいますが、その場合はボルトロスで先制できるため一匹で試合を決められることは少ないと判断しこのラインまで物理耐久を設定しました。
炎タイプへの遂行技となるタイプ一致のメインウェポンとして「ねっとう」を採用しています。「なみのり」に比べて威力は落ちてしまい、追加効果で火傷させるとボルトロスの「でんじは」とアンチシナジーとなりあまり積極的に採用したい技ではありません(主な標的が炎タイプであり、火傷状態にならないことからも「なみのり」の方が優秀)でしたが、攻撃技を「なみのり」としても威力があまり変わらないことから明確な特攻のライン設定が思いつかなかったことと、追加効果の火傷が想定外の様々な場面で活躍することが多かったためそれらを見込んで「なみのり」ではなく「ねっとう」としました。次にサブウェポンとして「れいとうビーム」とを採用しました。「れいとうビーム」はガブリアスランドロスに対して「ねっとう」よりも致命傷を与えられるためメガクチートの負担を減らせる点が優秀です。
次に補助技として「ほえる」を採用しました。これはスイクンを使う上で非常に重要な技で、ウルガモスの起点を阻止する他マリルリと対面した場合にも使います。マリルリは「はらだいこ」さえ使わなければ比較的メガクチートで有利に戦える相手のため、スイクンで起点にならないように戦うことが重要です。また、パーティ全体の催眠耐性が低いことからビビヨンキノガッサなどの「みがわり」と併せて勝ちパターンを組んでくる相手を妨害する手段としても重宝します。クレセリアをサポート要員として採用しているとこういったギミック系に対する妨害手段をスイクンに持たせておくことは非常に重要です。
次にサブウェポンとして「ぜったいれいど」を採用しました。主な標的はピクシーで、「ほえる」が使えない最後の1匹となった時に「ちいさくなる」を使われると不利になることが多かったことから採用して勝ちを狙いやすくしました。その他、メガクチートでの突破が難しい高耐久で回復技を持つポケモンに対して抗える手段として使う場合もあります。使用機会が非常に少ない技ですが、強力な勝ち筋を生み出す技なので採用してあると安心感があります。スイクンで「ぜったいれいど」を連打し、HPが消耗したらクレセリアの「みかづきのまい」を使い(場合によっては「トリックルーム」を挟み)、再度スイクンで「ぜったいれいど」を連打するというおぞましい戦術を取ることも可能になっています。
配分は物理耐久を中心に、様々なライン設定が行えるバランスの良い配分としました。





ボルトロス(けしん)

いのちのたま いたずらごころ
10まんボルト めざめるパワー(氷) でんじは ちょうはつ
おくびょう 155(4)-*-90-177(252)-100-179(252)



・おくびょうCS
・余り4をH(奇数となるため)



メガクチートと相性が良いことで知られるボルトロス(化身)を採用しました。「トリックルーム」を使わずとも「でんじは」でクチートを動かしやすくできます。また、「ちょうはつ」でクレッフィニャオニクスなどの「いたずらごころ」の補助技で展開するポケモンへの妨害をこなせるため起点になりやすいクレセリアと相性が良いです。
技はメインコンセプトである「でんじは」と「ちょうはつ」をまず採用し、攻撃技としてタイプ一致の「10まんボルト」と「めざめるパワー(氷)」を採用しました。ボルトロス(けしん)を使う上でこの4つの組み合わせが最も強いと感じています。
技はボルトロス自身を攻撃役として扱えるおくびょうCSの配分としました。「いのちのたま」を持たせることで「めざめるパワー(氷)」でガブリアスを一撃で倒しやすくしています。これは「こだわりハチマキ」を持ったガブリアスへの強い意識からですが、ボルトロスで相手を倒すことができれば次に出てきたポケモンにも「でんじは」や「ちょうはつ」を使いながら退場し後続のポケモンで有利に戦いやすいため、ボルトロスで相手を倒せる範囲を広げられる「いのちのたま」は優秀な持ち物です。メガクチートが苦手としやすいサンダーを2発で倒せる点も優秀です。
メガクチートと相性の良い「ボルトチェンジ」も採用したい技でしたが、他の技の優先度が非常に高かったため採用は断念しました。採用する場合はクチートを後出しすることから耐久調整を行ったり、スイクンに回復技を持たせるなどの工夫が必要になると思います。





ガブリアス

きあいのタスキ さめはだ
げきりん じしん がんせきふうじ つるぎのまい
ようき 183-182(252)-115-*-106(4)-169(252)



・ようきAS最大
・C182ゲンガーの「シャドーボール」を最低乱数×2以外2発耐え



5匹目に採用したのはガブリアスです。メガクチートの苦手な炎タイプに強いことが採用理由だけでなく、電気の一貫を消す役目を持つポケモンとして重宝する他、パーティ全体の素早さが低いかつクレセリアの物理耐久をあまり伸ばしていないことから隙を見せやすいメガガルーラへ不利となりづらいポケモンとして非常に高いスペックを持つポケモンです。ガルーラを採用しているため、重くなりがちなボルトロス(れいじゅう)より素早い点も特記すべき点です。
持ち物は「きあいのタスキ」を持たせて対面性能を上げました。「こだわりハチマキ」との選択でしたが、クレセリアの「みかづきのまい」で発動機会を促せること、技の撃ち分けができた方が相手のポケモンをバランス良く削れてメガクチートボルトロスが戦いやすくなると判断したためです。補完としての扱い方がメインとなるポケモンでしたが、単体性能が高く勝ち筋となることが多いポケモンであり主力で使うことも多いことから「つるぎのまい」を覚えさせて単体性能も強化させました。メガクチートが長期戦を挑むポケモンに対して不利となってしまうことを懸念して短期決戦を挑みやすくするといった意図もあります。
攻撃技はまずメインウェポンとなる「じしん」を覚えさせ、次に「げきりん」を覚えさせました。パーティ全体がギミック系の構築を苦手とするため積極的に使いたい技ではありませんが、「つるぎのまい」と相性が良くガブリアスが勝ち筋となる場合は必要な場面が多いため採用しています。構築全体で相手の起点になることを避けなくてはならない立ち回りを心がけなくてはならないため、この技を撃つタイミングは非常に注意が必要です。最後の攻撃技として「がんせきふうじ」を採用しました。ギャラドスなどの起点となることを阻止する他、メガクチートが苦手なゲンガーに対して「げきりん」と併せて抗える手段として使える技です。
つるぎのまい」は「ステルスロック」との選択でした。スイクンの「ほえる」との相性も良いため「ステルスロック」は魅力的な技ですが、今回は断念しました。





メガガルーラ

ガルーラナイト おやこあい
ちきゅうなげ れいとうビーム シャドーボール みがわり
おくびょう 197(132)-*-121(4)-93(100)-123(20)-167(252)



・おくびょう最速
・183-105ガブリアスを「おやこあい」「れいとうビーム」で1発
・余りH、4n+1の197まで落とし余りをBDに振り分け



最後の枠に採用したポケモンメガガルーラです。単体性能の非常に高いポケモンですが、このパーティでは補完としての役目を持ちます。
まず「ちきゅうなげ」を覚えさせ、クチートの苦手な「じこさいせい」等で回復するポケモンを倒せる手段としています。メガクチートは多くのポケモンを倒すことができますが、素早さが低いことや「じゃれつく」の命中率が100%でないことからHPを即回復する手段を持つ高い物理耐久を持つポケモンを苦手とすることが多いです。そのため、そういったポケモンを選出段階で突破することが難しいと判断した場合はメガガルーラでの突破を試みます。「ちきゅうなげ」は相手を2発で倒す技なのでメガガルーラが消耗しやすいですが、その点をクレセリアの「みかづきのまい」でカバーできます。
物理技での決定力が優秀なメガガルーラですが、パーティ全体がメガクチートガブリアスなど「おにび」を苦手とすることが多いため、メガガルーラはそれらに強い特殊型で使うことに決めました。ゲンガーは特に苦手な相手のため、「シャドーボール」を覚えさせて抗えるようにしています。こうすることでクレセリアと同時選出することでゲンガーに対して強気に戦えます。「おにび」が使われることを想定した場合に刺さりやすい「みがわり」も採用することで有利に戦うことを目指します。パーティ全体が補助技を通しやすいため、有効な場面は少なくありません。メガクチートが呼びやすいガブリアスランドロス(れいじゅう)に対して初手で向き合っても倒すことが出来る「れいとうビーム」を最後の技として採用しました。
配分はまずランドロス(れいじゅう)を抜くために最速とし、最低限のCを確保した後全てHPに回し、「みがわり」が攻撃技を耐える確率を上げました。クレセリアなどの標的はCが高いことも少なくありませんが、「ちきゅうなげ」をメインウェポンとして使う以上、耐久力が重要と判断しました。




基本選出をメガクチート+クレセリア+スイクンとするところから組みましたが、メガクチートorメガガルーラ、残り4匹のうちから2匹と選出すればどのように選出しても比較的戦いやすくなっていると思います。
課題としてはヒートロトムメガライボルト、そしてミラーへの回答がやや不足気味なことでしょうか。これらに対する明確な回答を出さなければならない点が改良点といったところだと思います。



解説は以上です。優勝することは叶いませんでしたが、またこれをバネに精進したいと思います。
最後までお読み下さり、ありがとうございました!