カロスダブル・第23回がにゅオフ使用パーティ・スカーフオンバーン軸ビートダウン

第23回がにゅオフ〜バトルロードグロリア・九州予選〜で使用したパーティです。
結果は雷ブロックを6勝1敗で1位通過、決勝トーナメント1回戦を勝利した後、準々決勝で敗北しベスト8に終わりました。
今回はダブルバトルでは珍しく自分でパーティを組み、そこそこの完成度に仕上がり、決して悪くない結果を出せたので満足しています。欲を言えばもっと勝ちあがりたかったですが・・・。
せっかくですので記事にしたいと思います。長いですが、最後まで読んでいただければと思います。



   
   


※個体用意の事情などでがにゅオフ本番で使用した個体と若干数値が異なる場合がございます。



オンバーン

こだわりスカーフ おみとおし
りゅうせいぐん りゅうのはどう ばくおんぱ かえんほうしゃ
おくびょう 161(4)-*-100-149(252)-100-192(252)
メガガルーラ

ガルーラナイト おやこあい
すてみタックル ふいうち かわらわり ねこだまし
ようき 181(4)-177(252)-120-*-120-167(252)
サーナイト

こだわりメガネ テレパシー
ムーンフォース サイコキネシス マジカルシャイン シャドーボール
ひかえめ 143-*-86(4)-194(252)-135-132(252)
ギルガルド(シールド)

たべのこし バトルスイッチ
シャドーボール ラスターカノン みがわり キングシールド
ひかえめ 167(252)-*-171(4)-112(252)-170-80
カバルドン

ゴツゴツメット すなおこし
じしん いわなだれ こおりのキバ まもる
わんぱく 215(252)-132-187(252)-*-93(4)-67
ゲッコウガ

いのちのたま へんげんじざい
ハイドロポンプ あくのはどう れいとうビーム まもる
おくびょう 147-*-88(4)-155(252)-91-191(252)




<基本コンセプト>



こだわりスカーフ」を持たせた、特性「おみとおし」のオンバーンに注目し構築を始めました。
相手のドーブルに対して初手で選出することで特性「おみとおし」により、相手のドーブルが「こだわりスカーフ」を持っているか「きあいのタスキ」を持っているかが判別出来ます。ドーブルはよくガルーラと同時に初手で選出されます。それに対してオンバーンと合わせてこちらもガルーラを選出します。相手のドーブル・ガルーラという先発に対しこちらがオンバーン・ガルーラと出した場合、相手のドーブルが「こだわりスカーフ」を持っているようならばオンバーンの「りゅうせいぐん」で先制し倒すことが出来ます。「こだわりスカーフ」を持つドーブルの一般的な配分であるHS振りではドーブルオンバーンの「りゅうせいぐん」を耐えることが出来ません(H162-D66で最低166ダメージ)。相手のドーブルが「きあいのタスキ」を持っているようならばガルーラで先制し「すてみタックル」で倒すことが出来ます(相手の他のポケモンによる特性「いかく」によりAが1段階下がっていても確実に倒せます)。こちらのガルーラは相手のドーブルに「ねこだまし」を選択することでドーブルの被害を最小限に抑えることが出来ます。仮に「キングシールド」でAが下げられてもオンバーンとの集中攻撃でドーブルを倒すことが出来ればドーブル1匹でパーティが壊滅することも無く、仮にやや数的不利に立ったとしても後続で上手く立ち回れば挽回出来る範囲です。
このように、現段階でのカロスダブル環境において無視出来ない強力な「ガルーラ+ドーブル」の先発に対して不利ではない組み合わせとして、「こだわりスカーフ」持ちの「おみとおし」オンバーンとガルーラの組み合わせからパーティ構築をスタートさせました。
なるべく汎用性を保て、様々なタイプのパーティに対して不利となりづらいポケモンを組み込みます。その中でも特にオンバーンの特性「おみとおし」によって相手の「こだわりスカーフ」を判別することで動きやすいポケモンを探しました。それに見合う条件として思いついたのが以下の3つです。


・非常に素早く制圧力があるが、相手に先制されると1撃で倒れやすいこと
・技の撃ち分けには弱いが、同じ技を出し続けられれば十分に戦える数値を持つこと
・「みがわり」や各種能力上昇技によって相手の隙をついていけること


これらを意識し残りのポケモンを選択した結果、バランスよりはやや攻撃面を考慮したビートダウンのような形に落ち着きました。



<個別解説>





オンバーン

こだわりスカーフ おみとおし
りゅうせいぐん りゅうのはどう ばくおんぱ かえんほうしゃ
おくびょう 161(4)-*-100-149(252)-100-192(252)



・おくびょう最速CS、余り4をH(奇数となるため)



XYになってから、特性「おみとおし」で相手の道具が二匹分見られるようになりました。これにより持ち物によって立ち回りが大きく変わるポケモンに対する行動選択がとてもやりやすくなります。この特性がこのパーティの軸となっていますが、オンバーン自体もカロスダブルでは最も素早いドラゴンタイプのポケモンであり、数の多いガブリアスボーマンダの先手を取って倒すことが出来ます。これらの相性関係はSの高低によって決まるため「こだわりスカーフ」をオンバーンが持てば、ドラゴンタイプのポケモンは確実に倒せます。相手の「こだわりスカーフ」を見てしまえば、そのポケモンに対してドラゴンタイプの技を選択すれば良いです。ガブリアスは「きあいのタスキ」を持ちやすいポケモンのため、オンバーンだけで技を撃った場合は返り討ちにされてしまう場合もあります。しかし予め「おみとおし」で道具を確認しておけば他のポケモンで少しダメージを与えてから倒すなど、立ち回りに余裕が出来るため対ドラゴンタイプの性能は随一といえます。
「おみとおし」は序盤で繰り出し相手の情報を知ることで有利に立てる特性ですが、素早いドラゴンタイプであることを活かしてオンバーンを終盤の詰めに使う場合も多くあります。序盤に相手を削っておいて、終盤で先制して倒すダブルバトルの基本のような動きで相手を倒す立ち回りが可能です。「りゅうせいぐん」+「かえんほうしゃ」の攻撃範囲も悪くなく、序盤から終盤まで活躍の幅があるポケモンだと思っています。ガブリアスボーマンダには劣りますが、種族値は全体的に高めで半減出来るタイプも多いため交代から出しやすいのも魅力です。このように概要で書いた通り最初はドーブル対策として注目したポケモンですが、様々な立ち回りを可能にする汎用性の高い強力なポケモンだと思っています。
配分についてはCSどちらも切れないため最速としCS極振りです。ドーブルを倒すための火力がギリギリなため(少しでもD調整をされると耐えられてしまうことからある程度余裕のある数値でドーブルを確定圏内に収める必要がある)、Cは切れませんがSを調整する余地はありそうですが、最速を切ってまで欲しいラインが存在するとは思えませんでした。
技はメインウェポンである「りゅうせいぐん」と、鋼タイプの弱点を突ける「かえんほうしゃ」を決定させ、残りは「りゅうのはどう」と「ばくおんぱ」としました。「りゅうのはどう」は「りゅうせいぐん」を何度も撃ちたくないポケモンフシギバナなど)に対して使える他、終盤の詰めの段階では「りゅうせいぐん」よりも有用な場面が多い強力な技です。「ばくおんぱ」は使用機会こそ少ない技ですが、終盤の詰めの段階で威力の高い全体技として活躍する場合があります。ギルガルドサーナイトなど、隣にいてもダメージを受けないポケモンを増やすことで少しでも使いやすくしています。
シングルで使い込んでいたこともあり、個人的に結構思い入れの強いポケモンでもありますw






メガシンカ



ガルーラ

ガルーラナイト きもったま
すてみタックル ふいうち かわらわり ねこだまし
ようき 181(4)-147(252)-100-*-100-156(252)



メガシンカ



メガガルーラ

ガルーラナイト おやこあい
すてみタックル ふいうち かわらわり ねこだまし
ようき 181(4)-177(252)-120-*-120-167(252)



・ようき最速AS、余り4をH(奇数となるため)



XYでは文句なしにトップの制圧力を持つポケモンですが、「ねこだまし」により初ターンで味方を動かしやすくすることが出来る点がダブルバトルでは非常に強力なポイントです。「ねこだまし」をするポケモンは通常サポート役に回ることが多いですが、このポケモンは高い決定力で相手を次々と倒していくため放置することは出来ません。その間に味方が動きやすいという点もメガガルーラがメインコンセプトとなるポケモンの隣に配置することで強力である大きな要素だといえます。
ドーブル+ガルーラの先発に対してはドーブルが「きあいのタスキ」で初ターンで動き、相手のガルーラがこちらのガルーラより先に「ねこだまし」を撃ってきた場合は相手に「ダークホール」を決められてしまう場合もあります。そう考えると実際のところドーブル+ガルーラの初手に対しては5割でしか有利ではありませんが、その確率を少しでも減らすためSは最大です。そうなれば先制して大きな決定力で相手を制圧した方が戦いやすいですので、耐久には努力値を回さずAS極振りとなっています。技は火力を重視し「すてみタックル」をメインウェポンとしました。「グロウパンチ」で火力を上げないガルーラには「おんがえし」より優先されるのではないかと考えています。
サブウェポンとして「ふいうち」と「かわらわり」を採用しました。「ふいうち」は強力な先制技ですが、オンバーンの「おみとおし」で持ち物が「こだわりスカーフ」「こだわりハチマキ」「とつげきチョッキ」を判別させ、攻撃技しか持っていないと断定した相手への詰め手段として使えることからより一層このパーティでは活躍出来る技だと考えました。「かわらわり」は使用機会こそあまり無いですが、このパーティではガルーラをあまり交代させず何ターンも居座って行動させること、決して何度も後出しするのに向いているポケモンは多くなく、「リフレクター」や「ひかりのかべ」を使われて長期戦を挑まれると不利になりやすいためその対抗策が用意出来ていると立ち回りの幅が増えることを考えると相性は悪くない技だと思っています。主にバンギラスに対して撃つ技ですが、「アームハンマー」と選択でした。バンギラスに対して打点を持つポケモンは他にもいるため、無理をしてガルーラで戦わず、「まもる」などを覚えさせても良かったかも知れません。



 



サーナイト

こだわりメガネ テレパシー
ムーンフォース サイコキネシス マジカルシャイン シャドーボール
ひかえめ 143-*-86(4)-194(252)-135-132(252)



・ひかえめCS極振り、余り4をB(先制物理技意識のため)



こだわりスカーフ」を持ったオンバーンでも、特性「すいすい」を発動させたキングドラには先制で倒されてしまいます。そのためキングドラに対して強いDが高めのフェアリータイプを採用することにしました。フェアリータイプには中速のポケモンが多いのですが、高速のポケモンオンバーンやガルーラで押さえつけながら相手に負担を与えていけるポケモンを探しました。そして受け身での数値よりも高い火力を求めつつもある程度バランスの良い耐久を持つポケモンとして「こだわりメガネ」を持つサーナイトを採用しました。現段階でのカロスダブルではトップクラスの使用率を誇るポケモンです。特にrouさんの記事で有名なガルーラ+「こだわりメガネ」持ちサーナイトによるイージーウィンを狙える組み合わせはキングドラを中心としたパーティには非常に有効であり、この組み合わせで汎用性を持たせつつ対雨もこなせるという点が魅力的でした。オンバーンが水耐性を持っているため、ガブリアスを使用した時よりもやや雨耐性は高いです。オンバーンの場合は「こだわりスカーフ」の採用率が高めなニョロトノの持ち物を判別出来るため、盤面でのドラゴンタイプとの優劣が判別出来る点は非常に優秀です。
技はメインウェポンとなる「マジカルシャイン」、苦手とするギルガルドに対して有効なサブウェポンの「シャドーボール」、フェアリータイプの技との相性補完が優秀な「サイコキネシス」、そして最後は単体で刺さる「ムーンフォース」としました。「サイコキネシス」は「サイコショック」と選択ですが、主な標的となる毒タイプのフシギバナモロバレルはガルーラやガブリアスなどの存在によりBを伸ばした型が多くいると感じていたためDでダメージ計算をする「サイコキネシス」となりました。「ムーンフォース」は「マジカルシャイン」とは約1.5倍近くの威力の違いがあるため場合によっては「マジカルシャイン」より優先されることもある強力な技です。
配分についてはCS極振りとしました。Sを伸ばすことで相手のサーナイトロトムフシギバナに先制しやすいという点を評価したためです。しかしパーティで1匹も特性「いかく」を採用していないなど物理技1撃で倒される不安要素は少なくなかったため、耐久調整を施す選択肢は考えられます。





ギルガルド(シールド)

たべのこし バトルスイッチ
シャドーボール ラスターカノン みがわり キングシールド
ひかえめ 167(252)-*-171(4)-112(252)-170-80





ギルガルド(ブレード)

たべのこし バトルスイッチ
シャドーボール ラスターカノン みがわり キングシールド
ひかえめ 167(252)-*-71(4)-222(252)-70-80



・ひかえめHC極振り、余り4をB(先制物理技意識のため)



オンバーンにより「こだわりスカーフ」「こだわりメガネ」を判別した後、相手の技が固定されたことを活かして戦えるポケモンとして、「みがわり」を覚えさせたギルガルドを採用しました。
Sの高いポケモンが多く「トリックルーム」を基本とする戦術を苦手とするパーティですが、「みがわり」を覚えたギルガルドがいるだけで非常に高い耐性がつきます。S操作手段が無くても強力なポケモンであり、オンバーンサーナイトとの相性は非常に良いです。基本的に後発に置いて受け出しをするポケモンなので、「みがわり」を使わずとも「たべのこし」が活きる場面が非常に多いポケモンです。
技は基本となる「キングシールド」の他に、メインウェポンである「シャドーボール」と「ラスターカノン」を攻撃技としました。「せいなるつるぎ」も候補でしたが、バンギラスに対しては後続のカバルドンが打点を持てるため無理に弱点を突こうとはせず、相手の控えにノーマルタイプが想定される時「シャドーボール」よりも一貫させやすい「ラスターカノン」を使うことに決めました。
配分は特に何も調整せず、HC極振りとなっています。Sの調整が非常に難しいポケモンのためまだまだ考察の余地が残っているポケモンだと思います。





カバルドン

ゴツゴツメット すなおこし
じしん いわなだれ こおりのキバ まもる
わんぱく 215(252)-132-187(252)-*-93(4)-67



・わんぱくHB、余り4をD(被ダメージを考慮しSより優先)



オンバーンが「こだわりスカーフ」を、サーナイトが「こだわりメガネ」を、そしてガルーラが「まもる」を覚えていないことから、残りのポケモンには受け出しをする耐久数値の高さが求められました。その上でガルーラやメガクチートなどの攻撃を受けつつ負担を与えられるポケモンがいないか探したところ、カバルドンに辿り着きました。
カバルドンはこのパーティのネックとなっているガブリアスに強いポケモンとしても優秀です。交代で物理技を受けても、「こおりのキバ」で撃ち合えます。「ゴツゴツメット」を持っているおかげで中途半端な威力の技で攻撃を受けることが出来ればダメージレースで優位に立てることもあります。これはオンバーンと相性の良い「技の撃ち分けには弱いが、同じ技を出し続けられれば十分に戦える数値を持つ」という点にマッチしており、オンバーンと相性の悪くないポケモンといえます。水ロトムに弱い点はしっかりオンバーンがカバーしてくれています。「じしん」をメインウェポンとして使える点も強力で、オンバーンサーナイトなどと並べて攻撃を連打することが出来ます。ファイアローに後出しし負担を与えられる点も見逃せません。技を固定するアイテムの多いパーティではファイアローに厚くする必要がある他、メガリザードンYで晴れ状態を維持させない役目も持っています。「いわなだれ」を覚えさせることでこれら「じしん」が効かない炎タイプの相手も担うことが出来ます。同じような役目を持つポケモンバンギラスがおり、似た役割を持っていますが、カバルドンは対鋼性能が非常に高い点でバンギラスより優秀で、オンバーンサーナイトと組み合わせる受け出しのポケモンとしてはバンギラスより使いやすいと考えました。
配分はHBに特化させています。これでもメガガルーラメガクチートの相手をするにはぎりぎりの数値ですのでDに伸ばすことは叶いませんでした。






ゲッコウガ

いのちのたま へんげんじざい
ハイドロポンプ あくのはどう れいとうビーム まもる
おくびょう 147-*-88(4)-155(252)-91-191(252)



・おくびょうCS極振り、余り4をB(先制物理技意識のため)



最後に採用するポケモンは補完としての役目が強いですが、オンバーンを選出出来ないようなパーティに対してオンバーンより刺さりそうな場合に選出出来る決定力の高いポケモン、そしてオンバーンと並べて制圧出来る「非常に素早く制圧力があるが、相手に先制されると1撃で倒れやすいこと」という要素を持つポケモンを探しました。パーティ全体で苦手なポケモンを探したところ、ガルーラやサーナイトで打点を持ちづらく、オンバーンで決定打を与えづらいポケモンギルガルドが浮かびました。「かえんほうしゃ」を持っているオンバーンは「こだわりスカーフ」を持っているため技選択の自由度があまり無く、適宜有効打を与えられない危険性があります。そのためこの枠にはギルガルドに打点を持てるポケモンを採用したいと考えた結果、ゲッコウガに行き着きました。
ガブリアスボーマンダよりも素早く「れいとうビーム」で倒せるためオンバーンと似たような役割が持てる他、自分より素早い相手をオンバーンがカバー出来るという点は前記の条件を満たしています。その上で「あくのはどう」という一環させやすい技を持つのが強力です。特性「へんげんじざい」により非常に決定力のあるポケモンなので終盤の詰めに使うと強力です。ガルーラでサポートして行動回数を増やすことが相手の頭数を減らすことに直結するポケモンでもあります。
配分は高速高火力アタッカーとしての役割を全うさせるためにCS極振りです。「いのちのたま」を持たせて決定力を底上げしているため耐久調整は意味をなしません。技については非常に多くの選択肢があり、まだ結論は出ていませんが、「ハイドロポンプ」をメインウェポンに据えたこの型が一番使いやすいと感じています。「たたみがえし」でガルーラやサーナイトを動かしやすくするのも選択肢かも知れません。



解説は以上です。まだまだパーティの改良点や見直すべき配分・技構成などは探せば出てくると思いますが、素人なりに長い時間をかけて考えた上で辿り着けた一つの組み合わせの結論ですので、是非何かの参考になればと思います。

最後までお読み下さり、ありがとうございました!