シングル63・第3回真皇杯ラストチャレンジ亀戸会場使用パーティ・「サイクル破壊サイクル」

2017/7/15(土)に開催された、第3回真皇杯ラストチャレンジ亀戸大会で使用したパーティ解説記事です。
結果は予選4-2でブロック1位通過、決勝トーナメント4-0で優勝でした。
構築の内容を詳細に記します。



   
   



カプ・コケコ

こだわりスカーフ エレキメイカ
ワイルドボルト ボルトチェンジ ブレイブバード とんぼがえり
せっかち 145-167(252)-94-116(4)-95-200(252)
メガボーマンダ

ボーマンダナイト いかく→スカイスキン
おんがえし かえんほうしゃ みがわり はねやすめ
いじっぱり 193(180)-180(68)-101(4)-126-101(4)-152(252)
ギルガルド

ゴーストZ バトルスイッチ
シャドーボール かげうち どくどく キングシールド
れいせい 167(252)-71(4)-171(4)-110(236)-172(12)-72
ポリゴン2

しんかのきせき トレース
イカサマ れいとうビーム どくどく じこさいせい
ずぶとい 191(244)-*-156(252)-126(4)-116(4)-81(4)
スイクン

たべのこし プレッシャー
ねっとう ぜったいれいど みがわり まもる
ずぶとい 205(236)-*-154(36)-110-135-135(236)
カバルドン

ゴツゴツメット すなおこし
じしん こおりのキバ ふきとばし なまける
わんぱく 215(252)-132-187(252)-*-93(4)-67



<コンセプト>



「サイクル構築に強いサイクル構築」を目指してパーティを作成しようと考えました。その際「メガシンカ」+「Z技」を基本選出とできれば強力だと考え、更に「数値受けの崩し」と「タイプ相性受けによる1〜2回の繰り出し性能」付け加えられれば幅広い範囲で戦えると考えました。
また、サイクル構築は終盤に素早いポケモン(或いは強力な先制技)で相手を一掃するという立ち回りが理想的であり、サイクルを回して相手全体のHPを減らしつつ、素早いポケモンの一貫を狙うという勝ち筋も狙えるような組み合わせを探しました。
そこで「こだわりスカーフ」を持ったポケモンメガシンカとZ技を自然と採用できて汎用性が高く強力な組み合わせとして、カプ・コケコとメガボーマンダギルガルドの組み合わせに目を付けてこの3匹を基本選出とするところからパーティ作成をはじめました。

http://kaminnpokemonn6540.blog.fc2.com/blog-entry-598.html
http://densonrainy.hatenablog.com/entry/2017/05/16/150500

上記の内容を細かい部分で参考にしています。
実際にオフで使用したものと内容が異なる場合があります。



<個別解説>



カプ・コケコ

こだわりスカーフ エレキメイカ
ワイルドボルト ボルトチェンジ ブレイブバード とんぼがえり
せっかち 145-167(252)-94-116(4)-95-200(252)



・最速AS振り
・「ボルトチェンジ」の威力を上げるため余り4をC


構築の始点。「ボルトチェンジ」「とんぼがえり」の両方を使うことができるため対面操作に優れ、特性「エレキメイカー」を持つことから「ワイルドボルト」による決定力も高く、エースとしての運用が可能である他、「こだわりスカーフ」を持ち、「ブレイブバード」を覚えさせればサイクルパーティにとって厄介なバシャーモウルガモスに対する抑止力にもなりうるポケモンです。
基本的には初手で繰り出し、「ボルトチェンジ」か「とんぼがえり」を使い戦いを有利に進めます。「きあいのタスキ」や「ばけのかわ」に対しても強く、サイクルを回して相手の体力を消耗させていきながら最後はカプ・コケコで相手のポケモンを全て倒すということも可能です。ポリゴン2やカバルドンが苦手なキノガッサに対する牽制も兼ねており、「こだわりスカーフ」を持っていれば相手の持ち物が「こだわりスカーフ」であっても安心して立ち向かうことができます。
相手のパーティに地面タイプなどの電気タイプを無効化するポケモンがいた場合は「ボルトチェンジ」ではなく「とんぼがえり」を使う場面が多く、「とんぼがえり」の威力を高めるために攻撃力を高めました。2回「りゅうのまい」を使ったメガギャラドスなども抜けるために最速としており、「こだわりスカーフ」を持つカプ・コケコと対面することも稀にあることから最低限同速対決が挑めるように調整等は行いませんでした。性格は「ボルトチェンジ」の威力を下げたくなかったため「せっかち」か「むじゃき」かの選択でしたが、「せっかち」にするとD>Bとなるため特性「ダウンロード」で相手のCが上がり、特殊技をメインに戦うポリゴン2は厄介な存在であるため、性格は「せっかち」としました。
ワイルドボルト」や「ブレイブバード」で体力の消耗が激しいポケモンであるためあまり攻撃回数を増やさないよう、序盤での立ち回りでの組み立てと終盤での一貫をしっかり分けて立ち回ることが重要なポケモンでした。



メガボーマンダ

ボーマンダナイト いかく→スカイスキン
おんがえし かえんほうしゃ みがわり はねやすめ
いじっぱり 193(180)-180(68)-101(4)-126-101(4)-152(252)



http://kaminnpokemonn6540.blog.fc2.com/blog-entry-598.html

上記の記事内にある配分をそのまま使用しています。


カプ・コケコが地面タイプを苦手とするため地面タイプを無効化するポケモンのうち、相手に大きく負担を与えられるポケモンとして採用しました。
特性「いかく」であることからサイクルに組み込みやすく、「はねやすめ」を使うことで長期戦も得意とします。
テッカグヤナットレイなど、「こだわりスカーフ」を持ったカプ・コケコが足元をすくわれやすい鋼タイプへ負担を与えるために「かえんほうしゃ」を採用。これにより鋼タイプを絡めたサイクルには圧倒的に強く、エアームドグライオンが同時に採用されているパーティにも選出することが可能となりました。
配分は他人案の配分をそのまま使用していましたが、ガブリアスを抜くことを条件とし、最低限の火力と耐久力を兼ね備えた扱いやすい配分です。
「みがわり」は低速なパーティを崩すのに重宝しました。一端相手の型を判別してからどのように崩すかのプランを立てやすくなります。相手を状態異常にさせるのが豊富なパーティでもいいのでそれを絡めた立ち回りにも組み込めます。
地面タイプが無効であることの他にはスイクンで相手をすることの難しい炎タイプへの対抗手段としても優秀でしたがヒードランだけは隙を見せやすい相手でした。
また、地面タイプを無効にするポケモンではありますが、有効打があるわけではなく、「りゅうのまい」を覚えさせていないことから自らエースとして運用することは難しいポケモンです。



ギルガルド

ゴーストZ バトルスイッチ
シャドーボール かげうち どくどく キングシールド
れいせい 167(252)-71(4)-171(4)-110(236)-172(12)-72



・H最大、合計数値が高くなるようD>Bに振り分け
・余りをC


多くの耐性を持つことからカプ・コケコの「ボルトチェンジ」や「とんぼがえり」から繰り出し、有利対面を作ってから一貫性の高い「むげんあんやへのいざない」で相手を崩していくギルガルドを3匹目として採用しました。
メガボーマンダに繰り出される氷タイプやフェアリータイプの受け先として優秀で、苦手とする数値受けを「どくどく」と「キングシールド」で崩せます。また、HPが少し残った相手を「かげうち」で仕留められる点はパーティ全体が低速になりがちなサイクルパーティにとって重要だと考えており、これらの要素を全て満たせるポケモンギルガルド以外には存在しません。
しかし「みがわり」を絡められると苦しい立ち回りを強いられたり、HPを回復する手段が豊富なメガフシギバナやメガリザードンは苦しい相手です。Z技への対抗手段として有効な「みがわり」を持つポケモンは少なくなく、サイクルパーティ同士での対決をする際に回復技を持つ素早いポケモンは高い確率で遭遇するため安易にZ技を使用しない立ち回りも必要でした。
配分はHCベースとして少し調整しています。



ポリゴン2

しんかのきせき トレース
イカサマ れいとうビーム どくどく じこさいせい
ずぶとい 191(244)-*-156(252)-126(4)-116(4)-81(4)



・HB最大、Hを奇数になるよう調整
・余りをB、C、Sに振り分け


カプ・コケコの苦手な地面タイプに対してメガボーマンダを採用していますが、メガボーマンダ自身が相手の地面タイプを崩す手段に乏しく、またガブリアスマンムーを考えると対地面タイプを一任するのに不安が残ったため、もう1匹地面タイプに強いポケモンとして、かつサイクルが得意なポケモンとしてポリゴン2を採用しました。
ポリゴン2を採用する一番の利点は相手のメガボーマンダやメガギャラドスなどの積み技を使うポケモンに対して強気に出られるところであり、パルシェンメガリザードンXにも一方的に弱くありません。しかし特別強いということも無いため、対面を作っても安心せず「どくどく」などを絡めて慎重に倒す必要があります。これらの積み技を使うポケモンの処理はどちらかというとカプ・コケコに任せることが多いです。
汎用性の高さがウリですが、対面で処理する相手を間違えて負担をかけられてしまうとそこから崩されてしまうこともあるため、慎重に体力管理が必要なポケモンです。
地面タイプへの対抗手段として採用したため有効打となる「れいとうビーム」を採用しました。また、ミミッキュ等に打点を持つため「イカサマ」も採用しました。
メガボーマンダの「いかく」と絡めてサイクル戦を行う場合には特防に寄せた配分の方が使いやすいと感じていましたが、メガボーマンダを選出しない場合の物理耐久の低さが気になったためほぼHBに特化させています。



スイクン

たべのこし プレッシャー
ねっとう ぜったいれいど みがわり まもる
ずぶとい 205(236)-*-154(36)-110-135-135(236)



http://densonrainy.hatenablog.com/entry/2017/05/16/150500

上記の記事内にある配分をそのまま使用しています。


カプ・コケコとギルガルドが両方ともグライオンを苦手としており、またメガボーマンダグライオンに対してあまり有利といえないことから、グライオンに強いポケモンとしてスイクンを採用しました。
状態異常を絡めて「みがわり」と「まもる」で有利対面を作りながら相手を崩していきます。メガボーマンダですら崩されかねない炎タイプへ対する対抗手段でもあります。
スイクンを採用するとドヒドイデへの立ち回りが窮屈であり、グライオンを採用していることからドヒドイデに強い型を考えた結果「ぜったいれいど」の採用に至りました。極力使わないように心がけますが、サイクルを回すうえでこちらが不利と判断した場合は積極的に使います。この技があるお陰であらゆるパーティへの選出ができるようになり、補完として数を増やしていたグライオン入りに対して大きく負担を与えられるようになりました。メガボーマンダガブリアスに対して不利となる点がデメリットですが、そこはポリゴン2や後述のカバルドンでケアすることを心がけています。
配分はグライオンを意識したものとなっており、中速のポケモンに対して先制で「みがわり」を使う確率を上げました。
氷タイプの技を覚えていないことからメガボーマンダガブリアスに隙を見せることが多く、上手く負担を与える相手を選ぶ必要があるポケモンです。



カバルドン

ゴツゴツメット すなおこし
じしん こおりのキバ ふきとばし なまける
わんぱく 215(252)-132-187(252)-*-93(4)-67



・HB特化、余りを総合耐久力上昇のためDへ


メガボーマンダスイクンは電気タイプのポケモンに隙を見せてしまいます。また、パーティ全体がメザリザードンXを苦手としており、「りゅうのまい」を考慮すると先制で倒すのではなく受けてから戦う必要があると感じました。更にギルガルドがゴーストタイプの攻撃技しか覚えていないことからノーマルタイプの中でもサイクルを崩壊させる手段の豊富なメガガルーラに対しても強くする必要があると考えた結果、電気タイプの技を無効にできるポケモンの中でも「ゴツゴツメット」を持ったカバルドンがその全て満たせると判断し採用することにしました。弱点が少ないことから汎用性が高く多くのポケモンに繰り出せます。
サイクルを回したいので「なまける」を採用し、確実に地面タイプとしての役割を遂行するために「じしん」も覚えさせました。また、ポリゴン2を採用しない場合は地面タイプ、特にメガボーマンダに対して立ち回りが難しくなると感じたことから、最低限起点にならないための「こおりのキバ」を覚えさせて対抗手段としています。
最後に採用した技は「ふきとばし」で、「バトンタッチ」を利用したパーティや積み技を使うポケモンへの最低限の対抗手段としていますが、この技だけで一方的に有利になれるわけではないため繰り出すタイミングなどは工夫する必要があります。
配分は電気タイプの相手をすることを考えるとDに寄せるべきだと思いましたが、それ以上にメガリザードンXメガガルーラの相手をするためにはHBに特化するくらいでちょうどよいと感じたので振り切ることにしました。



<感想>

メガボーマンダの「かえんほうしゃ」、ギルガルドの「どくどく」、スイクンの「ぜったいれいど」など、タイプ相性によるサイクル戦を行う際の状況打開策がいくつかあることから単に攻撃技を撃ち合うだけのパーティには高い勝率を保つことができました。しかし「みがわり」を持つポケモンが苦手であったり、カクトウZ霊獣ボルトロスに6タテされるような並びであったり、ヒードランや素早いグライオンに対して一方的に不利となるなどパーティの抱える欠点は枚挙に暇がありません。
しかしパーティ自体は非常に安定した立ち回りを可能としており、有利な相手に対して上手く選出を行うことができれば安定行動の繰り返しで敗北することは少なく戦うことができました。

余談ですが、第3回真皇杯関西地区予選2に参加した際も同様のパーティを使っていますが、細かい変更点があります。

・ポリゴン2のれいとうビーム→10まんボルト
カバルドンのふきとばし→どくどく

変更後の採用理由の方が役に立つと感じたためです。



<第3回真皇杯ラストチャレンジ亀戸会場での選出回数(全10試合)>



カプ・コケコ :■■■■■■■■■ 9
メガボーマンダ:■ 1
ギルガルド  :■■■■■■■ 7
ポリゴン2  :■■■■■■ 6
スイクン   :■■ 2
カバルドン  :■■■■■ 5



<第3回真皇杯関西地区予選2での選出回数(全11試合)>



カプ・コケコ :■■■■■■■ 7
メガボーマンダ:■■■■■ 5
ギルガルド  :■■■■■■■■ 8
ポリゴン2  :■■■■■■■ 7
スイクン   :■■ 2
カバルドン  :■■■■ 4



記事は以上です。

最後までお読み下さり、ありがとうございました!