シングル・コバルト雨パチューニング

今更解説の必要も無いコバルト雨パをずーーーっと回して使ってました。
試合数なら多分先日のシングル厨で使ったパーティの倍くらいはしてるはず。
彼はこのパーティを「雨パ」ではなく「ニョログドラ入りスタン」と呼んでいるけれど呼びやすいのでボクは雨パって呼んでます、ハイ



せっかくだから他人のパーティを模倣するときの方針とかも書いてみようと思います。

まずは模倣としたパーティは
http://d.hatena.ne.jp/abaltsan/20110628/1309229032
コレです。

彼のパーティはメンツこそ同じだが細かい調整で様々な動き方の違いが生まれてくる。

ボクなりのこの面子の理想的な動き方をせっかくなのでここに書き留めておくことにしました。

ちなみにこばると本人には洗いざらい全部話してあるのでそれを踏まえた上での考えだと思っていただければw


まずは6匹




      




ポケモン 持ち物 技1 技2 技3 技4 特性
ニョロトノ 食べ残し 熱湯 冷凍ビーム 滅びの歌 毒毒 雨降らし
キングドラ 拘り眼鏡 流星群 ハイドロポンプ 竜の波動 寝言 すいすい
ラティオス 命の珠 竜の波動 目覚めるパワー炎 草結び 身代わり 浮遊
ハッサム オッカの実 トンボ帰り バレットパンチ 剣の舞 羽休め テクニシャン
テラキオン 気合のタスキ インファイト ストーンエッジ 電光石火 剣の舞 正義の心
カイリュー ラムの実 逆鱗 神速 炎のパンチ 龍の舞 マルチスケイル


■配分


ニョロトノ
図太い 197(252)-*-125(148)-115(36)-127(52)-93(20)

キングドラ
控えめ 151(4)-*-116(4)-160(244)-116(4)-137(252)

ラティオス
臆病 157(12)-*-101(4)-180(240)-131(4)-177(248)

ハッサム
生意気 177(252)-150-125(36)-*-140(220)-63 ※最遅

テラキオン
陽気 167(4)-181(252)-110-*-110-176(252)

カイリュー
陽気 167(4)-186(252)-115-*-120-145(252)


■基本戦術

よほどのことが無ければハッサム+ラティオス+テラキオンorカイリューと選出する。
本当にこの選出が一番強くてこのパーティの持ち味が一番発揮出来るところだと思います。
ニョロトノキングドラはあまり選出しない。取り巻きの4匹で戦います。
本人のブログにもあるように、このパーティが辛いのはナットレイや水ロトムといった対雨パ用のポケモンではない。
辛いのはラティオスだけでは不安なローブシンハッサムが苦手なヒードランなどだったりします。どちらにしてもボルトロスは厳しいのだけれど。
初手は大体の場合はハッサムテラキオンを選出します。後述するけれど、ラティオスを先発に置くことはあまり無い。
そのため可能な限りハッサムには耐久が振ってあります。詳しくは個別解説で。
基本的に相手が電気ポケモンキノガッサを使ってきやすいため、それらをより意識するために本家と変えてあるところは露骨に変えてます。
変更理由も明記した上で、細かいことを個別解説で記述します。


■個別解説




ニョロトノ@食べ残し@雨降らし
図太い 197(252)-*-125(148)-115(36)-127(52)-93(20)
熱湯・冷凍ビーム・滅びの歌・毒毒


配分理由については本家参照。ニョロトノはボクは耐久に振った方が強いと感じました。
それは何故かというと、このパーティでニョロトノが一番意識したい相手であるバンギラスに、ニョロトノが勝つ必要をあまり感じなかったというのが理由です。バンギラスラティオスで倒すべき相手なので。
熱湯はニョロトノのメイン攻撃技。波乗りやハイドロポンプにして威力を上げるよりは追加効果を期待して勝ち筋を拾いに行く機会の方が多いと思ったためです。毒毒が入っているので火傷とアンチシナジーかもしれないけれど、毒を入れたい相手に火傷が入って損するといったことがあまりないためこの二つは両立出来ると個人的には考えています。
冷凍ビームはガブリアスのため。本当にガブリアスピンポイントといってもいいくらいです。雨選出をした場合はガブリアスとよく対峙するのでこの技は無いと困ります。
次に入った技は毒毒で、これはブルンゲル用です。その他の厄介な耐久重視のポケモン用というのも無くは無いですが。ニョロで毒を撒き、ハッサムで羽休めを連打するというのもそれなりに強いです。雨が振っていればハッサムにとっては好都合。
最後の枠には滅びの歌を入れました。これは主にラッキーやフワライドに対する技で、ラッキーは素早いものが多いため93程度の素早さではラッキーを毒では処理しづらいので毒と滅びの2枚壁で対応します。ブルンゲルに毒を入れた後に滅びを撃って相手に交代させてキングドラの対処をしづらくする・・・という勝ちパターンを作りやすい技です。相手をラスト1匹にして滅びの歌で〆というパターンも非常に多い。
守るが無いので滅びの歌が若干普段より使いづらい感じは否めませんが、勝ち筋に繋がる方法を導き出すサポーターとしての性能を発揮出来、耐久寄りの種族値を活かせると思ったので配分・技はこれで良いと考えました。




キングドラ@拘り眼鏡@すいすい
控えめ 151(4)-*-116(4)-160(244)-116(4)-137(252)
流星群・竜の波動・ハイドロポンプ・寝言


こばるとの日記にもあるように、「単体選出しても強い」というのが大きな魅力のメインアタッカーです。
持ち物に拘り眼鏡を選んだ理由もそれで、かつ寝言を入れることでニョロトノ+キングドラに選出されやすいキノガッサへの回答とした他、ラッキー+エアームド+フシギバナといったパーティにも保険が利きますし、対カバルドン+ドリュウズニョロトノを選出しなくても安心してカバルドンに投げることが可能となります。
流星群はメインウェポンとして一貫性を出すために必要な技でした。一撃で倒すという状態を作るのにどうしても拘り眼鏡+流星群並の威力は必要となる場面が多いので、この技は正直切りたい技ですが、他の技に比べてあまり積極的に撃ちたい技ではありません。
ハイドロポンプも同様に、基本的に撃つだけなら半減されようがガンガン撃ちにいきますが、やはり命中率の低さがネックとなります。基本的に2回撃てば1回は外れるくらいの心持ちで余裕があるときにしか撃ちたくありません。この技を波乗りにすると、天候が雨状態ではないときの威力が寂しいものとなってしまうのでここはハイドロポンプでなければなりません。ハイドロポンプを連打すれば勝ち・・・という状態にするのはあまり好ましくない。とまぁそんなことは今更ここに書くことでも無いような気がしますが。
竜の波動は一番連打したい技です。この技で一貫性を作ることが出来れば殆どその試合は勝ったも同然。そのためにニョロトノの毒などで削ったり滅びの歌で相手に交代を強要させることは非常に重要だと言えるでしょう。
以上の理由から技はこの4つになりました。




ラティオス@命の珠
臆病 157(12)-*-101(4)-180(240)-131(4)-177(248)
竜の波動・目覚めるパワー炎・草結び・身代わり


このパーティの真のメインアタッカー。技構成を見てもらえれば分かる通り、雨パメタとして選出されたポケモンたちを根こそぎなぎ倒す構成となっています。
身代わりは有利な勝ちパターンを持って行きやすくするために必要な技です。一番大きいのは水ロトムに対して電磁波を許さないことでしょうか。
目覚めるパワー炎はハッサムメタグロスナットレイといった鋼タイプを焼くのに使います。たまに警戒されることもあるので、撃つ前にほんのちょっとだけ考えてから撃つようにはしています。竜の波動で足りるかをきちんと判断してから。
草結びはバンギラスブルンゲル用。波乗りではブルンゲルを見ることが出来ず、雷ではバンギラスに対して有利とはいえないのでここは草結びでなくてはなりません。
そして最後の枠にセオリー通りなら流星群を採用するところですが、ボクは竜の波動で使っていました。勿論非常に大きな理由があります。
身代わりが残っている状態で流星群は正直あまり撃ちたい技ではありません。流星群で敵を倒したとしても後続で起点にされてしまう恐れがある。このパーティはハッサムで削りながらラティオスでじわじわと圏内に入れていくため、ラティオスに必要なのは繊細に相手に隙を与えないように動くことが重要だと考えました。
竜の波動なら外れる心配も無いのも良いですね。ラティオスで流星群で一撃で倒す立ち回りではなく、竜の波動で倒す立ち回りが大事だと考えました。
竜の波動だと何度も連打出来ます。それによって大きいのが対ブルンゲルキノガッサ。流星群で敵を倒した後キノガッサが出てきた場合非常に面倒になります。しかし竜の波動ならそのキノガッサに対するリスクが減ります。些細ですが、実践でダメージ計算するとこれは非常に大きい違いです。そしてブルンゲル、これが一番大きいです。草結びが呪われてしまうと流星群でしか殴れず、居座ることが困難になり相手に決定打が無くても倒されてしまう可能性がありますが、竜の波動ならその心配はありません。ブルンゲルに対する負担が流星群と竜の波動では段違いなのです。
以上の理由から流星群ではなく竜の波動を選択することにしました。こうすることによって、初手でラティオスを選出することが殆ど無くなります。しかしこのパーティに対して一番初手で出てきやすいのはドラゴンタイプなのでラティオスでリスキーな動きをする必要が無いと考え、今のところそこまで不便に感じてはいません。
波乗りが無いのでヒードランが非常に厳しくなっているので相手にヒードランがいると選出が若干し辛いのが欠点でもあります。




ハッサム@オッカの実@テクニシャン
生意気 177(252)-150-125(36)-*-140(220)-63 ※最遅
トンボ帰り・バレットパンチ・剣の舞・羽休め


非常に耐久に重きをあてているハッサムです。このパーティの心臓。最遅にしてトンボ出来る確率を上げます。ハッサムミラーがしんどいのでそれがそのままこのパーティの弱点になってしまっているのは否めないところではありますが。
本家と一緒で特に記述することは今更無いのですが、一番のポイントは持ち物がオッカであること。雨を降らせるパーティなのにオッカの実はアンチシナジーな気がしますが、基本コンセプトでもあるようにこのパーティは基本的に天候雨では戦いません。そしてラティオスの項目でも述べたように、ラティオスは流星群が無い以上初手で選出しづらいポケモンです。
つまり基本的に初手はハッサムでトンボ帰りを撃つことになります。そうなったときに、オッカの実が無いとガブリアスの炎のキバでやられてしまったり、ラティオスの目覚めるパワー炎で焼かれてしまうかもしれない。初手で出す一番リスクを減らせる技は間違いなくこのアイテムで、ラティオスなどに対して流星群を受けたりする使い方よりも初手で後手から攻める使い方が非常に使いやすいと感じたので、ここの持ち物がオッカの実になったのは必然かなと思いました。
このように立ち回りのクセでアイテムを選択するのも「そのポケモンをどう使うのが理想か」という立ち回りを構築段階で考えておくことで始めて重要となってきます。ボクがここをオボンの実で使っても恐らく殆ど活躍はしないのではないでしょうか。
配分はボクが乱数耐えが嫌いなので確定出来るところまでひたすらに振ってあります。火力よりも、初手で出す分耐久に必要以上に回しておくことは無駄ではないと考えます。
このポケモンが一番被弾することが多いのは電気ポケモンの雷と、ガブリアスの炎技だといえば非常に聞こえがいいでしょうか。バンギラスガブリアスを基準とするパーティに対して、初手でガブリアスハッサムが向きあえばその試合はかなり有利な試合となることでしょう。ラティオスの技構成がスタンダートに対して刺さっているので。




テラキオン@気合のタスキ
陽気 167(4)-181(252)-110-*-110-176(252)
インファイトストーンエッジ・電光石火・剣の舞


本人も言うように、キングドラのハイドロよりも不安要素を抱えているポケモンなのは仕方がありません。しかし格闘ポケモンでありながらラティオスハッサムの苦手なポケモンをことごとく倒してくれ、気合のタスキ+先制技+剣の舞という基本的に腐ることが無い構成をスムーズに組み込めて相性補完をしてくれるポケモンはこのポケモンの他に適役はいないと断言することが出来ます。
技も配分も持ち物も自動的にこうなります。何も変更するところは無い。
特に書くことはあまりありませんが、一つ言うならこのポケモンの挑発は個人的にあまり好みではありませんとだけ。勿論このパーティで見てもバンギラスキノガッサに安心して撃てるので強いといえばそうなのですが、耐久があまり高くないこいつに挑発をもたせるのは、相手が攻撃技を選択した時の損の仕方が甚大ではないからです。
剣の舞は状況を打開するために必要ですし、電光石火もこばるとがたくさん解説しているように重要な技です。タスキドリュウズの保険にもなりますしね。
今回は挑発は入れていませんが、挑発を入れるのは重要な選択肢の一つであり、相手にしたときそれを警戒させられるのがテラキオンの大きな強みであるのは間違いないということをここに明記しておきます。




カイリュー@ラムの実@マルチスケイル
陽気 167(4)-186(252)-115-*-120-145(252)
逆鱗・神速・炎のパンチ・龍の舞


パーティの第二のエースです。龍の舞から全抜きを狙います。性格が陽気なのはキノガッサ対策です。後はカイリューミラーで地味に美味しかったり。
ハッサムを初手においた場合はそのまま舞いやすいポケモンの前で舞ってよし。舞+神速が非常に強力なのは言うまでもありません。
若干心許無いですがバシャーモに対する対策も兼ねています。
炎のパンチはハッサムを殴るために入れています。ナットレイは付属品みたいな感じで、ハッサム+ラティオス+テラキオンだとハッサムで壊滅しかねないのでそれに対する回答を一枚用意しなければならず、このポケモンに炎のパンチは自然と入ってくることになります。
また、キングドラで相手をタテられない場合は相手がじわじわ粘ってくる場合が多いので、攻撃を上げる積み技に頼りたくなる場面が多いです。環境に数多くいるラティオスの存在を考えるとテラキオンの剣の舞だけでは若干心もとないので、安心して使える龍の舞は強いです。
拘りハチマキよりも何より汎用性が違います。耐久が薄いパーティならハッサムで起点を作って舞って逆鱗しているだけで強いですし、ニョロトノ+キングドラも自然とカイリューの苦手な相手を呼びやすいのでカイリューは非常に動きやすい。使い方が限られてくるハチマキカイリューよりは自由度が増し、立ち回りに余裕が生まれてくるのでこちらの方が使いやすいと感じています。
龍の舞+神速の組み合わせは、このパーティが最も苦手とするボルトロスに対して非常に強く出ることが出来るので、神速を切ることは出来無いでしょう。性格が陽気なこともあってか火力が若干心配なので逆鱗はドラゴンクローなどで代用することは不可能と考えると技はこの4つで必然的に決定となり、持ち物も腐らないラムの実を自然と投入することが出来、キノガッサボルトロスに対する対策となることが出来ます。



大まかな説明は以上です。「ボクがこうした方が自分の立ち回りに合っている」と思ったのでこのようなチューニングを施しました。キングドラの寝言とラティオスの竜の波動はかなり大きなポイントになるんじゃないかと。
でも本家と比べると実はそんなに変わってなかったりします。それは本家の完成度が非常に高いことを意味し、あらゆる立ち回りに対応しているということです。こばるとのパーティ構築力の高さが身に染みます。
しかし、ほんのちょっと配分や技を変えただけで、上記のように短くない文章を綴ることが出来るくらいには立ち回りに差が出てきているのも事実です。


パーティを構築する要素一つ一つは、細かいことでも試合に大きな影響を及ぼします。逆に言うとそれだけ無駄の無いパーティが土台としてあったということになるでしょう。
構築に関して立ち回りを非常に意識した構成になっているので、やはりパーティを完成させる場合は勿論頭を使うことも必要ですけれど、まずは闇雲な構築でもいいのでたくさん試合をして、自分の立ち回りのクセとポケモンの扱い方の傾向を自分自身で理解することが大事だと改めて感じることが出来ました。これを伝えたかったので、今回些細な記事ですが長い文章で解説を施すことにした次第です。

勝ちたい!と思って人のパーティを模倣するときは、そのパーティをそのまま使うことを強く勧めます。チューニングを施すのは、50試合くらいしてからがちょうど良いのではないでしょうか。
ボクもハチマキカイリューや流星群ラティオスで100試合ほどしてから型の変更を決意しました。無駄だと思える試合も、自分のメインとなる選出・立ち回りを決めるための重要な一戦であると考えれば無駄ではないかもしれません。

とまぁ、綺麗事を並べただけで実際はそんなに上手くいかないのも事実ですけれど、こういうことを意識すればより良く構築に対する向き合い方も変わってくるかなと感じました。

ブログに載っているパーティが模倣されれば、恐らくその原作者は喜ぶと思うんです(少なくともボクはそうだ)。しかし、パーティの本質を理解されないまま構築を批判されるのは非常に面白くない。パーティは対峙する側と使う側では見方が全く変わってくるのです。そのパーティを使う側として穴を見つけていく方が必ず対応力が上がり、実力アップに繋がるとボクはそう思います。よって是非、人のパーティをパクる場合はそのパーティを「その人以上に使いこなしてみせる!」とそのパーティの全てを把握するくらいで研究すれば後は自然と結果はついてくると思います。あなたが魅力を感じたパーティなのですから。


ファミ通杯を調整の場としてずっと使っていましたが、1600後半〜1700中盤をウロウロしていましたが1800代に乗ることができなくてちょっと残念(リセットもしました)。ハッサム+ラティオス+テラキオンで作業ゲーするのは悪くなかったですw

パーティ研究をする過程と、この記事を書くに当たって、作成者のこばるととは何日も議論を重ねました。
少しくらいはあっちのためになってることがあるといいな。
コバルト雨パを世界で2番目に使いこなせる程度にはまだまだ研究はやめないつもりです。


長くなりましたが、最後まで読んでくださってありがとうございました。

ところでこばるとの表記って未だにひらがなにするかカタカナにするか迷うよね。





追記

このパーティの元となったパーティを、ポケストラでコバルトが最終結論の一つとしてこの倍くらいあるボリュームで解説しています。シングルプレイヤーなら必見の記事であることは間違い無いでしょう。
ポケストラ、よろしくね!