第4回しゃでオフで使用したパーティです。優勝するつもりで臨みましたが、結果はベスト4でした。
BW2からずっと使い続けているパーティコンセプトの終着点の1つです。
今までに型を変える度に何度も記事にしましたが、BW2も終期に入っているということで、もう一度このパーティを作り使う上で考えたことを全てまとめて記事にしました。
非常に長い文章ですが、最後までお付き合いいただければと思います。






ニョロトノ |
ソクノの実 | 雨降らし | |||||
熱湯 | 冷凍ビーム | 滅びの歌 | 守る | ||||
控えめ | 195(236)-*-103(60)-134(92)-132(92)-94(28) | ||||||
キングドラ |
ラムの実 | すいすい | |||||
流星群 | 濁流 | 身代わり | 守る | ||||
臆病 | 151(4)-*-116(4)-146(244)-116(4)-150(252) | ||||||
ラティオス |
拘り眼鏡 | 浮遊 | |||||
流星群 | サイコショック | 雷 | トリック | ||||
臆病 | 155-*-101(4)-182(252)-130-178(252) | ||||||
ランドロス(霊獣) |
拘りスカーフ | 威嚇 | |||||
地震 | 馬鹿力 | 岩雪崩 | トンボ帰り | ||||
陽気 | 175(84)-180(116)-111(4)-*-107(52)-157(252) | ||||||
ハッサム |
オッカの実 | テクニシャン | |||||
虫食い | バレットパンチ | 羽休め | 守る | ||||
慎重 | 175(236)-151(4)-122(12)-*-145(252)-86(4) | ||||||
モロバレル |
黒い鉄球 | 再生力 | |||||
ギガドレイン | 目覚めるパワー(炎) | キノコの胞子 | 守る | ||||
生意気 | 221(252)-*-102(92)-105-133(164)-32 |
<基本コンセプト>
ニョロトノ+キングドラ+拘り眼鏡持ちラティオス+拘りスカーフ持ち霊獣ランドロス+鋼タイプ+モロバレルという組み合わせによる相性の良さがこのパーティコンセプトの全てです。
ニョロトノ+キングドラを使う場合に課題となりやすい電気の一貫、地面の一貫、そしてミラーへの回答としてラティオスはとても優秀です。特に天敵となりやすい水ロトムに対して圧倒的に強いです。拘り眼鏡を持った水ロトムを警戒するだけでニョロトノを選出出来なくなるということを防ぐことが出来ます。また、浮いているため雨パで起こりやすい地面の一貫を防ぐことが出来ます。更にキングドラ以外にドラゴンタイプの打点を用意することで、相手のキングドラに自分のキングドラが倒されてしまってもまだ相手のキングドラを倒せる場面を用意しやすいという点で2匹目のドラゴンタイプを採用することはミラーにおいて立ち回りを楽にしてくれる要因となります。
次に対雨としてよく使われるバンギラスに非常に強いポケモンであり、電気タイプが無効なだけでなく威嚇によるパーティ全体に耐久力を付与してくれる霊獣ランドロスは雨パにとって非常に相性の良いポケモンだといえます。
ラティオス+霊獣ランドロスはよく相性の良い組み合わせとしてバンギラスやクレセリアなどと併用されて使われますが、この相性の良さは雨パでも存分に力を発揮してくれます。
ラティオス+霊獣ランドロスは相手のウルガモスを苦手としますが、これをニョロトノ+キングドラである程度抑えることが出来ます。また、霊獣ランドロスのトンボ帰りは天候の奪い合いにおいて非常に重要な役目を持ちます。
このパーティではラティオスに拘り眼鏡を持たせた後、霊獣ランドロスに拘りスカーフを持たせました。
拘り眼鏡を持たせたラティオスは全ポケモンの中でも頂点に君臨する決定力の持ち主であり、ニョロトノがいることで雷を撃ちやすくなります。ラティオスの雷は非常に強力で、ラティオスに強い鋼タイプに大ダメージを与えられる他、ニョロトノやキングドラでは倒しづらい水タイプに致命傷を与えやすいです。また、拘り眼鏡を持たせることによるサイコショックの威力も大きく、ウルガモスに致命傷を負わせることが出来るだけでなく、特殊技で固まりやすいパーティの重要な物理技の打点として重宝する機会は少なくありません。また、トリックを覚えさせることで苦手とするラッキーを中心としたコンボを利用するパーティに対しての妨害手段として使えます。
拘りスカーフを持たせた霊獣ランドロスはボルトロスより素早くなることが非常に重要な要素となります。キングドラもラティオスも化身ボルトロスの電磁波を受けるだけで非常に戦いづらくなってしまうので、化身ボルトロスより素早く化身ボルトロスにダメージを与えられるポケモンとしての役割が与えられます。また、先制でトンボ帰りをすることで相手にダメージを蓄積させつつランドロスに対して使われた技に対して有利な受け出しをすることで試合のペースを掴むことでキングドラの濁流などを一貫させやすくする立ち回りが可能となります。これは後述するハッサムとの相性で重要になる要素です。
拘り眼鏡持ちのラティオスと拘りスカーフ持ちのランドロスは相手を選ばず非常に強力な組み合わせで、ラティオスで流星群、霊獣ランドロスで地震を撃つだけで相手を全て倒せる場合もあります。他のポケモンでその状況が作れるよう補助するというニョロトノ+キングドラ以外の第二の勝ち筋があるという点が非常に強力です。
そして鋼タイプはこの組み合わせでは必須のポケモンです。まずニョロトノとキングドラはユキノオーを苦手とするだけでなく、ラティオスと霊獣ランドロスはどちらも氷を弱点とするため氷タイプに非常に強いポケモンを採用しなくてはなりません。ニョロトノが氷技を受けられるポケモンですが、ニョロトノは頻繁に後だしして体力を減らしたいポケモンでは無いため負担を減らすためにも氷技を半減出来るポケモンが必要です。更にランドロスだけでは対処がしづらいバンギラスに対して強い枠として機能することも重要です。バンギラス入りに対して鋼タイプのポケモンで負担を与えた後、ニョロトノとキングドラで倒しきるという立ち回りも必要な場面が出てきます。そして鋼タイプは相手のドラゴン技を受けるために必要な枠でもあり、拘りアイテムを持つポケモンが2匹いるこのパーティでは受け出しをするということを考慮する必要が他のパーティ以上にあります。
最後に採用したのはモロバレルです。このポケモンは対トリックルームやナットレイを担う他、電気タイプの技を受ける枠としても使えるだけでなく、ミラーでも活躍の見込めるポケモンとして非常に汎用性が高いです。
この6匹の組み合わせをベースとし、個別個別の詳細を決定しパーティを組み立てていきます。
<個別解説>
ニョロトノ |
ソクノの実 | 雨降らし | |||||
熱湯 | 冷凍ビーム | 滅びの歌 | 守る | ||||
控えめ | 195(236)-*-103(60)-134(92)-132(92)-94(28) |
・冷凍ビームでH155-D130のラティオスを下2つの乱数×2以外で2発
・【+1】C216霊獣ボルトロスの雷をソクノの実込みで最高乱数以外耐え
・【+2】A190メタグロスの思念の頭突き耐え
・余りS
ニョロトノ+キングドラを中心とするパーティではニョロトノの役割がどれだけハッキリと決まっているかが重要と考えています。
このパーティでのニョロトノの役割は「相手を削ること」です。ニョロトノで相手のパーティに負担を与えていきます。キングドラを選出しない場合は初手で出すことは多いです。
Cを高め、ラティオスを2発で倒せるようにしています。これによりラティオスを霊獣ランドロスのトンボ帰りで削った後に冷凍ビームで倒しやすくしています。また、ニョロトノの冷凍ビームをDの高いオボンの実持ち化身ボルトロスに当てればオボンの実がぎりぎり発動しないラインでHPを削れることが多く、交代で出した霊獣ランドロスの岩雪崩圏内に入れるという立ち回りも出来るため火力を重視したニョロトノは拘りスカーフ持ち霊獣ランドロスと相性が非常に良いと考えます。
以上のコンセプトから攻撃技として冷凍ビームの採用とし、次にメインとなるタイプ一致攻撃技として熱湯を採用しました。この枠はハイドロポンプと非常に迷っている枠でもあります。ニョロトノの熱湯は後続への負担を3割で大きくしますがウルガモスが倒せなかったり、化身トルネロスをハッサムのバレットパンチと合わせて倒しづらいなど威力の低さが目立つため命中率重視の熱湯を使うか、威力重視のハイドロポンプを使うかはまだ結論が出ていません。
また、ニョロトノの滅びの歌はこのパーティにおいては必須の技であると考えています。手助けで使用していたこともありましたが、ニョロトノ自身が勝ち筋となる技として非常に活躍の幅が広く、またラッキーを中心としたコンボを使うパーティに対して突き刺さる技のためラティオスのトリックと合わせて保険をかける意味での採用として立ち回りの幅を効かせやすくしています。特にこのパーティは拘りアイテムを2匹持っているポケモンがいるため起点されやすい場面が多いためより有効な場面は多いです。
守るは立ち回り上必要な技ですね。
配分は火力を調整した後、物理・特殊バランス良く耐久力を伸ばしています。氷技を受けることが多いため素早さよりは耐久力の方が欲しい場面が多いポケモンです。
持ち物はソクノの実を選択。これは冷凍ビームで化身ボルトロスへ攻撃する場面を多く想定していることから、電気のジュエル10万ボルトで倒されるという場面を少しでも減らせるように保険として持たせています。このパーティではニョロトノをよく攻撃役として行動させるため、少しでも安全に行動させられる場面が多い保険としてのソクノの実はこの型のニョロトノにマッチしているアイテムといえます。
キングドラ |
ラムの実 | すいすい | |||||
流星群 | 濁流 | 身代わり | 守る | ||||
臆病 | 151(4)-*-116(4)-146(244)-116(4)-150(252) |
・最速CSベース、余りをH、B、Dに振り分け
基本コンセプトとなるキングドラです。このパーティでのキングドラは相手のドラゴンタイプを倒すことと、削った相手のポケモンを濁流で倒すことの二つの役割を担います。火力強化アイテムを持たせることが多いポケモンですが、キングドラで相手のキングドラに有利なポケモンに対する負担を与えるよりは火力増強アイテムを持たせないキングドラで確実に勝てる範囲を増やしたいと考えたため命の珠やジュエルを持たせていません。性格も控えめではなく臆病にすることで相手のキングドラとの同速を仕掛けることで勝ち筋の1つとしています。これは同時選出をすることが多いニョロトノのCが高めになっていること、霊獣ランドロスが拘りスカーフを持っていることから先手で相手の体力を削りにいけることから他の雨パよりもキングドラで削らなければいけない体力は少なめに設定しても立ち回りに不自由は感じないと判断したのも大きな理由の一つです。
持ち物として採用したのはラムの実です。これはパーティ全体の化身ボルトロスとキノガッサへの耐性を付与するものです。化身ボルトロスに対してはニョロトノと同時に選出した場合、まずキングドラを守らせつつソクノの実を持っていることで動きやすいニョロトノで相手のHPを削り、持ち物や型をダメージ量で判断した後にキングドラで電磁波を受けても良いように攻撃するという立ち回りを可能にします。化身ボルトロスより素早いキングドラで化身ボルトロスを倒すための立ち回りを自由にさせやすいアイテムとして重要になるといえます。キノガッサに対しては、気合のタスキか拘りスカーフかのどちらを持っているか判別出来ないため、拘りスカーフを持っている場合でも確実に先手を取れるキングドラにラムの実を持たせることでキノガッサを倒せる手段を増やせるようにしています。当然、この場合はキングドラの体力管理にはいつも以上に気を使う必要があります。
技はコンセプトに合わせて流星群・濁流・守るが決定となります。ドラゴン技は竜の波動ではラティオスなどが倒せないため流星群となります。最後の枠は身代わりを採用しました。これによりさらなる状態異常耐性の付与やトリックルーム用の時間稼ぎがしやすくなりますが、キングドラを選出する場合は初手でニョロトノと同時に選出させることが多いため初手からアドバンテージを取りやすい身代わりが活躍する機会が多いです。特に化身トルネロスに対しては威嚇で相手を強化させてしまう霊獣ランドロスではなく、キングドラを上から叩く要因として使うことが多いため一度身代わりでアクロバットのジュエルを消費させた上で戦うというプレイングが役立つ機会が多かったです。
ラティオス |
拘り眼鏡 | 浮遊 | |||||
流星群 | サイコショック | 雷 | トリック | ||||
臆病 | 155-*-101(4)-182(252)-130-178(252) |
・最速CS、余り4をB
構築の基本コンセプトである拘り眼鏡ラティオスです。概要でも触れましたが、ニョロトノがいることで雷を自然と使えるメリットが非常に大きいです。トリックの枠は竜の波動でも強力なのですが、ラッキー入りのパーティに対してニョロトノの滅びの歌と合わせて二つの勝ち筋を残すことで立ち回りやすくなるということは、格闘タイプのいないこのパーティにとっては重要なのではないかと考えました。拘り眼鏡を持つことで、水ロトムを素早く倒しやすいという点は大きな長所です。配分は相手のラティオスに対して同速が出来る可能性を残して最速とし、最も決定力の出るC最大としました。特に拘り眼鏡持ちのサイコショックは相手をぎりぎり1発で倒せる場面が体感多かったため耐久力に努力値を振る必要は無いと判断しました。
雨ミラーにおいてはラティオスとキングドラを並べて、キングドラが同速に負けても相手のキングドラを倒す手段が用意出来るという状況を作ることが重要です。キングドラが相手のキングドラに倒されてしまうだけで不利となりますが、ハッサムを利用して流星群を受けながらラティオスで圧力をかけていくなどして相手のキングドラを倒すパターンを組んで応戦する場合に2匹めのドラゴンタイプは非常に重要です。
ランドロス(霊獣) |
拘りスカーフ | 威嚇 | |||||
地震 | 馬鹿力 | 岩雪崩 | トンボ帰り | ||||
陽気 | 175(84)-180(116)-111(4)-*-107(52)-157(252) |
・最速
・A205メタグロスのコメットパンチ+バレットパンチを最高乱数×2耐え
・C200ラティオスの流星群を最高乱数以外耐え
・余りAで135-111シャンデラをダブルダメージ地震で1発
拘りスカーフ持ち霊獣ランドロスでラティオスの苦手なポケモンを削りつつ、拘り眼鏡持ちラティオスで相手を1匹ずつ倒していくというのは1つの「イージーウィン」の形として十分に狙う価値があるといえます。
そのためこの霊獣ランドロスは相手を「削る」ことに特化しています。まず少しでも先手で動いた方が良いため最速とし、相手の拘りスカーフ持ちのポケモンに1撃で倒されづらいように耐久調整を施しました。先発で出した場合でもトンボ帰りですぐ引込み、また後出しするというパターンが多いため耐久力に努力値を振ることは重要です。
化身ボルトロスを倒すための岩技についてですが、「削る」という点ではストーンエッジではなく岩雪崩の方が強力です。特に相手を怯ませることを勝ち筋とするしかない場合においては拘りスカーフを持つポケモンの岩雪崩は非常に有効です。ストーンエッジはランドロスを意地っ張りにし攻撃を最大にした場合に始めて役に立つ技であり、岩雪崩よりは汎用性が落ちると感じたため採用しませんでした。
タイプ一致のメインとなる攻撃技として地震を覚えさせています。ラティオスで攻撃しつつランドロスで地震を撃つというのが理想ですが、このパーティではラティオス以外に地震を無効化出来るポケモンがいないため地震で技を固定してしまうのは実は不自由となる場面が少なくありません。そのため、終盤まで地震で拘る場面は慎重になりながら戦うよう気をつけます。パーティ全体で、拘っているラティオス以外の全てのポケモンに守るを覚えさせることで少しでも地震を撃ちやすくなるようにしています。
最後に採用した技は馬鹿力ですが、非常に撃つ機会の多い技です。地震と違い単体で威力の高い技として味方を考慮せず撃てるという点、ナットレイやバンギラスなどこのパーティが苦手なポケモンを素早く倒せるという点が魅力です。特にバンギラスがヨプの実を持っていないことが判別出来た場合にバンギラスを確実に倒すことが出来る手段としてこのパーティでは重宝します。
ハッサム |
オッカの実 | テクニシャン | |||||
虫食い | バレットパンチ | 羽休め | 守る | ||||
慎重 | 175(236)-151(4)-122(12)-*-145(252)-86(4) |
・HP奇数を維持しつつ【+1】C182ラティオスの流星群×2耐え
・余りA、B、Sに振り分け
基本コンセプトとなる鋼タイプの枠です。この枠には選択肢としてメタグロス・ハッサム・ヒードランの3つが挙げられます。それぞれの長所と短所を鑑みた結果、現段階での結論はハッサムになりました。
メタグロスを採用した場合の利点は岩タイプを半減出来るという点にあります。これによりバンギラスへの耐性が大きくなるという点が一番の利点です。ハッサムを採用した場合の利点はクレセリアへの打点の大きさです。また、ラティオスに他の鋼タイプよりも強い点も大きな長所です。ヒードランを採用した場合の利点はウルガモスに圧倒的に強いという点です。また、相手の鋼タイプへの与える負担は他の鋼タイプと比べて段違いです。
ハッサムを採用した理由として一番大きいものは、上記で触れたクレセリアへの打点です。これはラティオスや霊獣ランドロスを使っているため氷技を自然と採用出来るクレセリアが選出されやすいことと、電磁波やトリックルームなどS操作をして雨パに対抗してくるポケモンとして広くクレセリアが使われているということと、モロバレルがいることからモロバレルの対処法としても選出されやすいため、ハッサムが活躍する場面は非常に多いです。
また、メタグロスに強いという点も優秀です。このパーティはラティオスがいるため他のパーティよりも鋼タイプを選出されやすいのですが、鋼タイプ同士の相性関係に様々な要因が絡むメタグロスよりは相手の対メタグロス用としてハッサムを使うことを決めておけば立ち回りがしやすいという点が魅力です。その点についてヒードランも同様ですが、このパーティはニョロトノを単体で選出することが多く、キングドラを出さない場合のラティオス+霊獣ランドロス+ニョロトノ+鋼タイプとした時にハッサムは炎を半減するという雨の恩恵を受けることが出来ますが、ヒードランは炎技の威力を下げられてしまうためアンチシナジーとなってしまいます。当然それを気にせずウルガモスに強いという長所を活かすために立ち回ることも可能ですが、ハッサムよりも立ち回りの幅は狭くなってしまうと考えました。
以上の点から、氷技を半減し、ラティオスに強い枠としてハッサムの採用が決まりました。しかしまだまだハッサムにはない長所をメタグロスとヒードランも持っているため検討の余地は十分にある枠です。場合によっては他の鋼タイプも視野に入るかも知れません。
まずハッサムを採用する上で選択肢を増やす技である守るを、クレセリアへの打点として虫食いを、バンギラスやラティオスを倒せる場面を増やせる基本技であるバレットパンチを確定させますが、最後の技には様々な選択肢があります。
このパーティで採用したのは羽休めでした。それに伴い、耐久力を非常に高いラインで設定しました。理由として最も大きい点は、ハッサムはラティオスや霊獣ランドロスに向かって撃たれたドラゴン技と氷技を受ける役目を担い、消耗の激しいポケモンです。特に霊獣ランドロスは気合のタスキ持ちと違って先制で相手を攻撃し、ハッサムに攻撃を受けてもらいます。気合のタスキ持ち霊獣ランドロスならば、霊獣ランドロスで攻撃を受けてから鋼タイプを無償降臨させるという場面が少なくありません。これは後攻でトンボ帰りをする場合の立ち回りとしての有利対面の作り方であり、ハッサムを主力とし鋼のジュエルを持たせて剣の舞をし有利に戦う、というものです。しかしこのパーティでは霊獣ランドロスは技を受けず、ハッサムに受けさせることが多いためハッサムを攻撃の軸にしてもすぐに倒れてしまう場面が少なくありません。他の雨パよりもハッサムの消耗が激しいといえるため、有利対面を作った後にそれをケア出来る羽休めを採用することでハッサムを何度も使うことが出来ます。耐久力もラティオスの流星群を受けることを想定して特防をほぼ最大値にしています。更にオッカの実を持たせることでドラゴンジュエル流星群を受けた後の目覚めるパワー(炎)などにも対応出来ます。これはバンギラスによって砂状態にされている時のクレセリアの目覚めるパワー(炎)に対する保険にもなるため、ハッサムで削りたいラティオスやクレセリアに対してより確実に役割を遂行出来る手段として使えます。メタグロスと違って岩技を半減出来ないことからバンギラスへの後出しが安定しないというデメリットも、1度岩雪崩を受けても羽休めで回復することで再度受けられるようにするということである程度解消出来る点も優秀です。また、このパーティはトリックルームに抗う手段をモロバレルにほぼ依存していますが、ハッサムが羽休めを使いながらターン数を稼ぐことでシュバルゴやメタグロスに対して少しでも抵抗しやすくなるという長所もあります。また、ニョロトノの滅びの歌を勝ち筋とする場合に有効となる場面も少なくありません。
このように羽休めを持たせた耐久力高めのハッサムは多くの恩恵をこのパーティに与えてくれる非常に強力な型としてこのパーティにマッチしていました。当然、ナットレイを倒しやすい馬鹿力や、格闘タイプに打点を持てる飛行のジュエル+アクロバットも強力なためまだまだ選択肢として採用の余地はあります。
ハッサムを採用した場合のデメリットとして一番大きいのは相手のウルガモスに対して不利となってしまう点です。そのため、ウルガモス入りのパーティに対してはよりニョロトノやキングドラの体力管理や行動タイミングを見極めて戦う必要があります。特に雨パーティに対して天候を晴れにしながら炎技で攻めるというのを対策としているパーティは少なくないため、ヒードランに比べて目立ちやすいデメリットなのは立ち回りでカバーしなければならない重要な点です。
モロバレル |
黒い鉄球 | 再生力 | |||||
ギガドレイン | 目覚めるパワー(炎) | キノコの胞子 | 守る | ||||
生意気 | 221(252)-*-102(92)-105-133(164)-32 |
・目覚めるパワー(炎)かつ最遅(S32)
・【+1】【命の珠】C161キングドラの流星群耐え
・【+1】C139クレセリアのサイコショック耐え
構築の最後のパーツであるモロバレル。このモロバレルにも多くの役割があります。
まずパーティの弱点であるナットレイに対するポケモンとして使います。これはミラーとなった時にナットレイを崩す手段がなければナットレイ1匹で敗北してしまうことは少なくなく、このパーティではラティオスも霊獣ランドロスも有利とは言いづらいため対処法を用意しなくてはなりません。そこでモロバレルに目覚めるパワー(炎)を持たせることで1対1で勝ちやすくしています。ジャイロボールやパワーウィップ等の草技は殆どダメージを受けず、宿り木の種も効かないため対ナットレイとして非常に優秀なポケモンとして機能します。
次に対トリックルーム要因。トリックルームを基本コンセプトとして戦うパーティはモロバレル1匹で相手の動きを大きく抑えることが出来ます。しかしこのモロバレルは目覚めるパワー(炎)を覚えさせている関係上最遅にすることが出来ません。そのためトリックルーム下では相手のモロバレルの方が先に動き、キノコの胞子で眠らされてしまいます。そこで黒い鉄球を持たせることで確実にトリックルーム下で先制出来るようにしました。また、黒い鉄球+目覚めるパワー(炎)によってこのパーティの非常に苦手とするトリックルーム下のシュバルゴに抗える点も大きな長所です。羽休めを覚えさせたハッサムと合わせて、トリックルーム下の鋼タイプに対処しやすくなっています。
それだけではなく、モロバレルは再生力によって交代を中心とする戦いに強いです。そのため霊獣ランドロスなどに飛んできた氷技を受けてもある程度立て直しやすいです。特定の相手への対処用のポケモンとしての意味合いが強いモロバレルですが、水タイプや電気タイプを半減出来る点を霊獣ランドロスやハッサムを中心とした選出に組み込む場合も多い、汎用性の高い優秀なポケモンとしてこのパーティでは活躍します。雨による炎タイプの半減という恩恵も受けられます。水タイプ・電気タイプに強いためミラーで選出したり、対水ロトムとして活躍することも少なくありません。
技はコンセプトである目覚めるパワー(炎)とキノコの胞子と守るを採用し、メインとなるタイプ一致技となるギガドレインとすぐに4つ決まりました。キングドラやラティオスをドラゴン技から守れる怒りの粉も非常に採用したい技でしたが、他の技の優先度が高いため断念しました。強引に組み込むなら守るを切ることになるのですが、霊獣ランドロスで地震が撃ちづらくなるため守るを優先させる方が良いと判断しています。
解説は以上です。
BW2からずっと使い続けており、特にニョロトノや霊獣ランドロスは1年以上同じ個体を使い続けています。幾つもの細かい調整を経て、この形となりました。
最後のオフで優勝させてあげられなかったことは残念でなりませんが、ベスト4は悪くない成績のため有終の美は飾れたのではないかと思います。他ルール含めて、今まで構築したものの中でもトップクラスで思い入れの強い、自信のある構築に仕上がりました。
当然まだまだ改良すべき点や目立つ弱点はあります。しかし今のボクにとってはこの状態が現段階の結論であり、これ以上良いものに仕上げるにはBW2の対戦環境期間は短すぎました。
嬉しくもあり悔しくもありますが、これをバネにXY環境でもダブルバトルを勉強し、恐れずダブルバトルのオフ会にも積極的に参加したいと思います。
ダブルバトルの初心者であり、殆ど知識も経験も実力も無いボクにこのパーティをここまで導かせてくれる過程において多くの人の協力があったことも事実です。配分を参考にさせてもらったり、立ち回りや構築にアドバイスを貰ったり、環境やアイデアを教えてくれたりした、全員の名前は書ききれませんが、併せてこの場でお礼を述べさせていただきたいと思います。
それでは、非常に長い稚拙な文章を最後までお読み下さり、本当にありがとうございました!