シングルバトル・第五世代結論構築・積み技

第五世代が終了して久しいですが、第五世代の有終の美を飾るために色々自分の考えを詰め込み、第五世代の自分の中での結論構築として完成させていたものを公開します。今まで第五世代のシングルバトルでは多くの構築を作り使ってきましたが、自分の中で一つの終着点にたどり着くことが出来ました。第五世代でのボクの考えをこのパーティに全て集約させています。実際は他にも多くの方が似たような構築を使用しているためあまりオリジナリティはありませんが、ボクの中ではこれが結論の形ということになりました。結論と銘打った割にまだ型の選択肢で悩み続けていたものもあります。
書きたいことを全て書いた非常に長いパーティ解説記事となりましたが、最後までお読み下されば幸いです。




      


ウルガモス

虫のジュエル 炎の体
大文字 虫のさざめき 目覚めるパワー(氷) 蝶の舞
臆病 175(116)-*-85-173(140)-125-167(252)
パルシェン

命の珠 スキルリンク
氷柱針 ロックブラスト 氷の礫 殻を破る
意地っ張り 147(172)-161(252)-200-*-65-101(84)
ボルトロス(化身)

ゴツゴツメット 悪戯心
10万ボルト 目覚めるパワー(氷) 電磁波 挑発
臆病 167(100)-*-98(64)-155(76)-102(12)-179(252)
キノガッサ

気合のタスキ テクニシャン
タネマシンガン マッハパンチ ストーンエッジ キノコの胞子
意地っ張り 135-200(252)-101(4)-*-80-122(252)
ガブリアス

ドラゴンジュエル 砂隠れ
逆鱗 地震 剣の舞 身代わり
陽気 183-182(252)-115-*-106(4)-169(252)
ソーナンス

オボンの実 影踏み
カウンター ミラーコート アンコール 道連れ
穏やか 272(52)-*-110(252)-*-114(204)-53




<基本コンセプト>



「積み技」をテーマにしたパーティです。ギミックの名前についてはここでは触れませんが、「死に出しにより有利対面を作り、積み技を使い相手を全抜きする」という戦い方を基本としています。今までもこのような積み技を主軸として戦うパーティを使っていましたが、このような構築をする時は自分の中でいくつか構築に必要な要素を組み込むことを決めていました。
1.物理技・特殊技の積み技アタッカーをバランスよく使うこと
2.ニョログドラやカバドリなど、天候選出に不利とならないような選出パターンを組み込むこと
3.相手の積み技に弱くなりすぎないこと
4.パルシェンを使わない場合はステルスロックを採用すること
この4つです。今回もそれに沿って構築しており、まずベースとなる積み技アタッカーをパルシェンウルガモスに決めました。パルシェンに命の珠を持たせ、物理型として扱います。この2匹はそれぞれ物理耐久・特殊耐久が高く積み技を使える場面が多いポケモンであり、パルシェンを採用することで相手の気合いのタスキを潰しながら戦うことがしやすくなるためステルスロックを採用する必要性が薄れ、構築の幅が広くなると考えています。ただし、その場合ウルガモスではカイリューを倒しづらくなるためパルシェンを選出しない場合の対カイリューを別の選出でもこなせるようにする必要があります。
次に対天候のギミックを決めます。まず対カバドリですが、相手が天候による基本選出を行わない場合はウルガモス、行う場合はパルシェンが刺さるように戦います。そこで採用に至ったのが挑発を覚えている化身ボルトロスです。カバルドンに挑発を撃ちパルシェンの起点としやすい他、ドリュウズを選出されない場合はパルシェンウルガモスが刺さりやすいため対カバドリをこなすのに化身ボルトロスは自然と入って来ました。カバルドン以外にも高耐久低火力な多くのポケモンを起点に戦いやすくなります。そして化身ボルトロスに電磁波を入れることで対雨もこなしやすくしました。しかしマンムー入りの雨パに対しては化身ボルトロスでは対処が難しいため、パルシェンを中心として先制技で相手を倒せるポケモンの採用が必要となります。ここで採用に至ったのが気合のタスキ持ちキノガッサであり、タイマンでキングドラを倒しやすいだけでなく化身ボルトロスとの相性が非常に良いです。また対カバドリでドリュウズの選出を抑制させウルガモスを通しやすくなり、ウルガモス+パルシェンで作りやすい岩の一貫を防ぐことも出来ます。さらに気合のタスキを持っているため不利な選出を行ってもキノガッサを残しながら戦うことでキングドラにも抗える可能性を残します。キノガッサや化身ボルトロスが入っているパーティにはニョロトノ+キングドラの選出を抑えやすいのですが、仮に選出されたとしてもパルシェンの【+2】氷の礫+キノガッサマッハパンチでおおよそ74%で倒せるため不利ではないと判断しています。
次に採用が決まったポケモンガブリアスです。これは化身ボルトロスで麻痺させたキングドラに先制出来るポケモンとしての役割と、対バンギラスをこなします。身代わりを覚えさせることでバンギラスに対して化身ボルトロスで麻痺させてからガブリアスで起点にして戦えるためバンギラスの選出を抑えることが出来る他ドラゴンジュエルを持たせることでカイリューを1撃で倒しやすくなるためステルスロックが無いことによる対カイリューの枠としても使えます。更にこのパーティは天候変化が無いためキュウコンを苦手としやすいですが、ガブリアスキュウコンより素早く後続に負担を与えやすいポケモンなので対キュウコンでは重宝します。同時に採用されやすいクレセリアは化身ボルトロスで削りながらガブリアスで削って倒すのを基本とし、葉緑素アタッカーにはウルガモスが刺さる場合が多いです。
そして最後に採用が決まったポケモンソーナンスです。これは相手の積み技対策が出来るポケモンであり、更に味方の起点も作れるこのパーティと非常に相性の良いポケモンです。相手の起点作成を防止しながら、こちらの起点を作れるポケモンとしてなかなか他に代用出来るポケモンはいません。更にソーナンスを採用することで素早さを上げる積み技を主軸とするパーティの天敵であるトリックルームに対して大きな耐性をつけることが出来ます。ウルガモスパルシェンだけでなく、化身ボルトロスで挑発をしてから繋げることで確実に相手を倒したり、相手の補助技をアンコールで固定させてからガブリアスの身代わりで展開していくなど、パーティ内のどのような組み合わせでも活躍出来るポケモンとして幅広く選出が可能なポケモンです。申し訳程度に拘り眼鏡キングドラの雨選出を抑える枠でもあります。
触れなかった対霰については、キノガッサパルシェンがいるため無限トドゼルガのパターンに入れられることは少なく、ウルガモスパルシェンが氷耐性を持っていることから互角に戦えるパーティだと思っています。パルシェンが命の珠を持っているためユキノオーが気合のタスキを持っていても戦えるのがポイントです。
以上で構築の面子とある程度の構成が決まりました。ウルガモスパルシェンの基本選出で相手を倒しつつ、対雨・対砂・対晴れ・対霰・対トリルといった苦手なパーティ相手への選出パターンを組めるようにしています。
ここから残りの具体的な内訳をポケモンごとに決めていきました。



<個別解説>





ウルガモス

虫のジュエル 炎の体
大文字 虫のさざめき 目覚めるパワー(氷) 蝶の舞
臆病 175(116)-*-85-173(140)-125-167(252)



・最速
・A182マンムー地震+氷の礫耐え
・【+1】【虫のジュエル】虫のさざめきで183-106ガブリアスを1撃



積み技を使う特殊技によるアタッカーです。構築の基本コンセプトは前置きで長々と書いたのですが、実際はこのポケモンを使いたいという想いからこの構築を使うことに決めたと言っても過言ではありません。第五世代で最もお世話になったポケモンであり、第五世代の結論はこのポケモン無しに作り上げることは不可能でした。
ボクがBW2でずっと持っていた格闘タイプ中心の環境という考えにマッチしているポケモンであり、格闘・悪・エスパーの3すくみのどれにも相性が良いポケモンとして活躍出来ます。またドラゴン+鋼という組み合わせにも圧力をかけることが出来るポケモンであり、特殊アタッカーとしての単体性能は全ポケモンでもトップクラスといえるのではないでしょうか。
先発で出すことが多いポケモンでもあります。これはキノガッサマンムーに対して初手から投げることで不利となりづらいということと、不利なポケモンにはソーナンスによる後出しがしやすいことが理由として挙げられます。ステルスロックを使うポケモンウルガモスを苦手とする場合が多く、リフレクターや光の壁を使うポケモンも総じてウルガモスの起点となりやすいことから先発で出やすいポケモンの多数に不利となりづらい点が大きな長所です。通常積み技を主体として戦うパーティは前のめりで初手で不利対面になっても捨ててから有利対面を作ることが少なくないのですが、このパーティではソーナンスという一定の後出し性能を持つポケモンが初手でウルガモスを出しやすくしている点もポイントです。
基本的な立ち回りは相手の特殊技を使うポケモンを起点にして蝶の舞を使うことです。持ち物を虫のジュエルにすることで無振りガブリアスやH振りバンギラスを1撃で倒せるほどの火力を持ちます。
素早さは最速としていますが、これは化身ボルトロスの挑発を相手のウルガモスに当ててから相手のウルガモスを起点に舞うという立ち回りをする場合にウルガモスが最速の方がより勝ちの手段に近づくのが理由です。挑発→相手のウルガモスの攻撃でボルトロスが倒れ、ウルガモスを出す→自分のウルガモスで蝶の舞→相手の攻撃を受ける→自分のウルガモスの蝶の舞→相手の攻撃を受け、相手の挑発が切れる・・・というようになった場合に相手のH161-D125ウルガモスを倒すためには火炎放射では火力が足りないため炎技を大文字にしています。しかしウルガモスの炎技を撃つ場面はウルガモスでほぼ勝ちが決まっている場面であることが多く、大文字と火炎放射の火力の差が勝利に直結する場面は少ないと判断しているため、他の明確な回答がなければ炎技は火炎放射にしたいです。ダメージ量で勝率が変化するポケモンメタグロスだと考えているのですが、メタグロスの数がハッサムに押されていることを考慮してもより大文字よりも火炎放射の方が勝っているのではないかと考えています。今回はこのパーティ全体がウルガモスを苦手としているため、大文字である理由は大きいです。
ウルガモスの技の自由枠には目覚めるパワー氷を入れました。これはパーティ全体がカイリューを選出させやすいことからウルガモスによりカイリューを倒す手段が必要だと考えたためです。カイリューが入っているパーティはカイリューの取り巻きをウルガモスを苦手とするポケモンで固まっていることが少なくないため、カイリューに逆鱗を撃たせるような対面を作ってからウルガモスカイリューを倒せる場面を作るのは有用だと考えました。しかし、パーティ全体がヒードランを苦手とするため目覚めるパワー(地面)での採用も視野です。その場合はクレセリアヒードランブルンゲルのような組み合わせをキノガッサと合わせて崩す場合にキノガッサの負担が大きく減ります。
配分はマンムー入りのパーティに初手で出すことを考慮して地震+氷の礫を耐えるようにしました。ガブリアスの逆鱗も確実に耐えるため相手がドラゴンジュエルを消費しながらガブリアスで逆鱗を撃ってきた場合は舞う起点と出来る場合もあります。マンムー地震+氷の礫確定耐えがHP175で成立し、最速にした後残りをCに回すと蝶の舞を使った後の虫のジュエル補正込み虫のさざめきでガブリアスを倒せる数値に届いたのでこの配分としました。ウルガモスの苦手なポケモンに後出ししやすいソーナンスを採用しているからこそ、初手で出しやすい物理耐久を意識したウルガモスが生きると考えています。





パルシェン

命の珠 スキルリンク
氷柱針 ロックブラスト 氷の礫 殻を破る
意地っ張り 147(172)-161(252)-200-*-65-101(84)



・意地っ張りA最大
・S【+2】で【+1】最速70族抜き
・余りH



積み技を使う物理攻撃技によるアタッカーです。連続攻撃が可能なため相手の気合のタスキ持ちのポケモンに攻勢を止められづらいことからパーティ内に無理にステルスロックを採用する必要性が薄れるため構築の自由度が上がる点がポイントだと思っています。ウルガモスは特防が高く、パルシェンは防御が高いという耐久での振り分けも成立していますが、これは主に強力なドラゴン技に照準を当てています。第五世代は逆鱗・流星群の2つのドラゴン技が猛威を振るっていました。しかしこれら2つの技は隙を生み出す技でもあり、この隙に漬け込みやすいのがウルガモスパルシェンです。このパーティでは鋼タイプを採用していないためドラゴンタイプのポケモンを選出させやすく、逆手に取りやすいです。ウルガモスは主にラティオスを、パルシェンは主にガブリアスを対処するのが主な役割ですが、一度積み技を使えばウルガモスガブリアスを、パルシェンラティオスを倒しやすいため選出が噛み合わなくても腐りづらい点も優秀です。また【+2】氷の礫+キノガッサマッハパンチキングドラが乱数なため雨パにパルシェンを選出することを想定する場合は氷の礫は必要だと考えています。
このパーティはキノガッサや化身ボルトロスを採用しており、かつ岩を弱点とするポケモンが多いことからマンムーを誘いやすいですが、初手でマンムーと不利な対面になってしまったとしてもパルシェンで後出しすることで対処出来る場合があるため相手のパーティのマンムーを見ても初手でキノガッサや化身ボルトロスを躊躇わず選出出来る点も魅力です。
技は基本となる殻を破る、メインウェポンの氷柱針とサブウェポンのロックブラストが決まりました。ロックブラストはヒードランウルガモスなどの炎タイプを突破するのに不可欠であるほか、水タイプを仕留めるための技であるため外せません。最後の技には氷の礫を採用しました。これにより殻を破るを使わずとも相手を倒せる場面も出来るため立ち回りの幅が広がります。
配分はAを最大にした後、殻を破るを使った後拘りスカーフを持つキノガッサに抜かれないようにSを調整し、残りを耐久重視でHPに振りました。耐久に気持ち数値を割くことで後出しがしやすくなるためソーナンスキノガッサとの相性がより良いものとなります。
基本はどのような選出にも組み込めますが、ウルガモスと違って初手で出しづらい(物理技に比べて特殊技をパーティ全体で受けづらい)ため基本は後出しでソーナンスと組み合わせるか、キノガッサウルガモスと組み合わせることが多いです。また、雨パに補完で入る対電気枠のドラゴンや地面に刺さる場合は雨パにも選出します。






ボルトロス(化身)

ゴツゴツメット 悪戯心
10万ボルト 目覚めるパワー(氷) 電磁波 挑発
臆病 167(100)-*-98(64)-155(76)-102(12)-179(252)



・臆病最速
・A182ガブリアスストーンエッジ耐え
・C182ラティオスの流星群耐え
・余りCでゴツゴツメット+目覚めるパワー氷で167-120カイリューを最低乱数以外1発



ウルガモスパルシェンの起点作りをこなすポケモンです。アタッカーとしてでなく、サポーターとしての役割をメインとしています。挑発を撃ちながら倒れることでカバルドンやラッキーに対してウルガモスパルシェンを繰り出し積み技を使う起点とすることが出来ます。
化身ボルトロスで相手を倒すことが出来れば後続に電磁波を入れることが出来るため耐久に努力値を割いて1ターンでも長く生き延びることも理に適っていると思います。特にこのパーティでは気合のタスキをボルトロスに持たせることが出来ないため相手の攻撃を1発耐えやすくするために火力を少なくしやや高めの耐久ラインを設定しています。これにより相手の拘りアイテムの判別がしやすくなるため積み技の起点が作りやすくなるのもポイントです。
耐久に振り、ゴツゴツメットを持たせることで初手で対峙しやすいカイリューへの回答としています。その他ハッサムを削る手段としても重宝するなど、パーティ全体で選出されやすいポケモンに刺さりやすいと判断して採用しています。このパーティは気合のタスキ持ちのキノガッサを非常に苦手としていますが、ゴツゴツメットを持ったボルトロスの後出しは有用な場面が少なくありません。
しかしハッサムヒードランなど、倒しづらい鋼タイプを仕留めるためのアタッカーとして活躍することもあるため特攻を高めた構成で使っていた場合もありました。その場合は以下のような構成で使っています。



ボルトロス(化身)

電気のジュエル 悪戯心
10万ボルト 目覚めるパワー(氷) 電磁波 挑発
臆病 155(4)-*-90-177(252)-100-179(252)



CS電気のジュエル持ちです。相手を倒すことにかけてはこの型の右に出るものはいないと思っています。ボルトロス同士が対峙した場合に、1発でも10万ボルトが入れば後続のパルシェンキノガッサの先制技で相手を倒しやすくなるのもポイントです。どちらが良いのかまだ結論は出ておりません。
ソーナンスと相性が良いポケモンで、補助技を挑発で封じることが出来ればソーナンスを後出しすることで相手を倒せる場合もあります。ソーナンスで相手を削ってボルトロスで仕留めることが出来れば不利になりづらいです。
基本は初手で選出しますが、対雨や面子が被っている相手との戦いでは後続に置いても機能しやすい万能なポケモンです。






キノガッサ

気合のタスキ テクニシャン
タネマシンガン マッハパンチ ストーンエッジ キノコの胞子
意地っ張り 135-200(252)-101(4)-*-80-122(252)



・意地っ張りAS
・余り4をB



ウルガモスパルシェンボルトロスはいずれも岩タイプのポケモンを苦手とするため岩タイプを半減出来るポケモンが必要となってきます。その上で対天候をこなせウルガモスパルシェンの苦手とする水タイプに強烈な圧力をかけられるキノガッサは自然と組み込まれました。特に対天候という意味合いが強いポケモンで、キノガッサがいることでカバルドン+ドリュウズニョロトノ+キングドラを選出させづらく出来ます。これらの取り巻きにはウルガモスが刺さることが非常に多いので同時に選出することでどちらの選出にも対応して戦えるのが長所です。クッションとして化身ボルトロスソーナンスなどの対応範囲が広いポケモンを選出するとより戦いやすいです。
対天候という意味合いならば毒毒玉を持たせて耐久重視の配分で使うことも考えられました。ソーナンスとの相性も悪くなくウルガモスパルシェンと組み合わせやすいのですが、そうなると相手の化身ボルトロスが非常に重たくなってしまう点が気がかりでした。またウルガモスに対して抗う手段も限られているためこれらのポケモンがいるだけで選出しづらくなり、カバルドンニョロトノを中心としたパーティもこれらのキノガッサの選出を抑制するポケモンが多く入っていることから選出の自由度を上げるため気合のタスキを持たせてほぼどのようなパーティにも選出出来るようにしました。毒毒玉でなくともカバルドンニョロトノに大きな圧力がかけられるだけでなく、ストーンエッジキュウコンユキノオーも削ることが出来ます。初手に置くだけで一定の仕事をこなしてくれるポケモンですが、後続に置くストッパーとしても優秀なポケモンです。
技はメインウェポンとなるタネマシンガン・マッハパンチ、そしてサブウェポンのストーンエッジを確定させ、最後の枠をカウンターかキノコの胞子か馬鹿力で悩みましたが、今回はキノコの胞子を使うことにしました。キノコの胞子を使うことで、積み技を主体とするパーティが苦手なトリックルームを使うパーティへの抑止力となります。この枠は本来ソーナンスが受け持っていますが、ソーナンスと組み合わせることでより真価を発揮します。また、このパーティは相手のソーナンスもやや苦手とするため、キノガッサソーナンスが向き合ってしまってもキノコの胞子を使うことである程度負担を減らすことが出来ます。他の技に比べてこのメリットがパーティ全体に与える恩恵の大きさから、キノコの胞子を採用することにしました。
配分は気合のタスキを活かし攻撃性能を最大限に高めたAS配分です。キノコの胞子を使う場合は先制出来る場面が1つでも多い方が良いため性格は陽気としたいのですが、キングドラパルシェンと合わせて倒す確率を上げるためには意地っ張りとしなくてはなりませんでした。これは苦渋の選択のため、まだ陽気と迷っている部分でもあります。パーティで気合のタスキを持っているキノガッサが意地っ張りであることで、相手の気合のタスキ持ちの陽気キノガッサが重い要因となっているためです。
第五世代では、ボクは格闘タイプの評価が最も高かったです。テラキオンバシャーモローブシンキノガッサのどれかはほぼ必ずパーティ入っていました。その中で最終的にキノガッサに落ち着いたのはやはりこれらに天候という要素も強く干渉しているからだと思っています。バンギラスローブシンクレセリアを中心とした悪・格闘・エスパーの三すくみにいずれも干渉出来るキノガッサ。そしてこれらを倒せるパワーを持つ雨にも干渉出来るキノガッサの対応範囲は流石と言わざるを得ません。バンギラスにはガブリアスローブシンにはソーナンスクレセリアにはウルガモスというようにそれぞれの回答を用意しながらも、これらに隙を見せずに攻撃範囲と対応力の広さで負担を与えていけるキノガッサは第五世代最強のポケモンの1匹として位置づけるに相応しい性能を持っている、そう感じたポケモンでした。





ガブリアス

ドラゴンジュエル 砂隠れ
逆鱗 地震 剣の舞 身代わり
陽気 183-182(252)-115-*-106(4)-169(252)



・陽気最速AS
・余りをD



キノガッサだけではまだ岩タイプを相手にするのに十分とはいえません。特に砂嵐を主体として戦うパーティを相手にする場合対カバルドンパルシェンボルトロスで戦いやすいですが、対バンギラスは不利となってしまう場合が多いです。そこで化身ボルトロスと組み合わせることでバンギラスに強くなれるガブリアスを採用し岩タイプへの耐性を上げました。
身代わりと剣の舞を覚えさせ、ドラゴンジュエルを持たせてメインウェポンを逆鱗と地震にすることで化身ボルトロスの電磁波で麻痺させたポケモンを起点に戦う戦術を取ります。バンギラスが主な狙いですが、電磁波が通るポケモンならどのポケモンにも通用します。身代わりを覚えさせることで対トリックルーム用のポケモンとして使えるだけでなく、ソーナンスでサポートしながら全抜きも狙える第三の積み技を使うような枠として活躍出来る場合もあります。化身ボルトロスと組み合わせれば対雨を担うことも出来ます。相手が中速のポケモンで固まっていた場合に真価を発揮するポケモンであり、相手の拘りスカーフの判別がしやすいのも長所と言えます。
化身ボルトロスだけでなく、ウルガモスとの相性も非常に良いです。また、ガブリアスが相手のドラゴン技で倒されたらウルガモスパルシェンの起点にするといった動きが出来ることもあるため選出はしづらくもありません。相手の起点にされそうになる場合はソーナンスや化身ボルトロスなどをストッパーとして後続に置くことで保険としますが、ドラゴンジュエルを持ったガブリアスは剣の舞さえ使えれば起点となりづらいため柔軟に動きやすいポケモンだと認識しています。ガブリアスの攻撃を耐えるポケモンはHPぎりぎりで耐えることが少なくないため、キノガッサパルシェンの先制技で仕留めてしまえる場面が少なくありません。
個人的な想いなのですが、ガブリアスは第五世代のドラゴンタイプで一番強力なポケモンだと信じてやみませんでした。圧倒的な高い数値、攻撃範囲、無駄の無い能力に加えてワンチャンのある特性。気合のタスキを持たせたガブリアスはやや持ち前の耐久を捨て気味に扱うのであまり好きではありませんでした(勿論あまり無駄となることは無く、非常に強力な持ち物であることは認識しています)。また、拘りスカーフや拘りハチマキを持たせたガブリアストリックルームパルシェンの起点となる危険性があるためこれもあまり好きにはなれませんでした。このパーティでは唯一の欠点である上から弱点タイプで殴られることによる即死という点を化身ボルトロスソーナンスでカバー出来ることから、余すことなく数値を活かせるドラゴンジュエルを持たせたガブリアスを自然と採用出来たため非常に満足しています。






ソーナンス

オボンの実 影踏み
カウンター ミラーコート アンコール 道連れ
穏やか 272(52)-*-110(252)-*-114(204)-53



・H4n(オボンの実の回復量意識)
・C182ラティオスの【+1】流星群をオボンの実込みで最高乱数×2以外1.5発耐え
・【+2】A182ガブリアスの逆鱗耐え



このパーティでは非常に重要な役目を担うソーナンスです。ソーナンスが入っているからこそ他全てのポケモンが無難に採用出来たとすらいえます。
主な役目は相手の起点構築の抑止力です。多くの技を1発ないしは2発耐えることが多いため相手のポケモン1匹に全抜きされるということを防ぎやすいポケモンとして活躍する他、起点作成ポケモンをアンコールで妨害することも出来ます。
また味方の起点作成としても活躍出来るポケモンであり、アンコールで補助技を固定させた後はウルガモスパルシェンで積み技を使う、キノガッサでキノコの胞子を使いペースを握る、ガブリアスで身代わりを使う・・・などパーティ内のほぼどのポケモンとも相性が良いです。受け先として使うことが多いポケモンですが、初手で出しても十分に活躍出来るポケモンです。主に拘りスカーフを持つポケモンはこのパーティではウルガモスパルシェンの起点としますが、化身ボルトロス+ガブリアスと合わせて選出するときなどはソーナンスで確実に倒して数的優位を取ることもあります。拘りハチマキや拘り眼鏡を持つポケモンの攻撃も後出しで受けやすいため試合のペースを握るポケモンとして活躍しやすいです。また、ソーナンスは雨パに強いポケモンとしても使えます。キングドラでの全抜きは死に出しから道連れを使い続ければ阻止出来ます。雨パは補完で拘りハチマキを持つ物理技を使うポケモンを採用する場合が多いため対キングドラとしての役目以外でもソーナンスが活躍する場面が少なくないことも重要です。キノガッサを選出しない場合は強引にソーナンスで対処する場合もあります。
そしてこのポケモンを採用することでトリックルームを使うパーティに非常に高い耐性を付与することが出来ます。素早さが低いため相手のトリックルーム役のポケモンに交代で出しアンコールをすることでペースを乱せる他、トリックルーム後にアタッカーとして機能しやすいローブシンに強いこと、そして道連れを使うことで相手1匹による全抜きを阻止し数的不利となりづらいことなど様々な恩恵を与えてくれます。積み技で素早さを上げるウルガモスパルシェンはこれだけで非常に不利となってしまうことが少なくないのですが、相手のパーティからトリックルームを使うような戦術が見えてもソーナンスを選出すれば躊躇わず選出させ、上手く戦術に組み込むことが出来ます。
このように、ソーナンスはパーティの苦手な部分を補うだけでなく決定力も増加させ、選出の自由度を上げることが出来る他に替えの効かないポケモンとして非常に優秀です。





解説は以上です。幾つもの細かい調整を経て、この形となりました。
自分の第五世代の考えを全て詰め込み、好きな要素で固めることが出来たこのパーティの完成度には並々ならぬ自信があり、第五世代はこのパーティで有終の美を飾りたかったのですが、このパーティを完成させて臨んだ第4回びぶおふ、第3回rouオフ、そして第5回びぶおふは全て準優勝とあと一歩及びませんでした。いずれもプレイングが甘かったための敗北なので構築にプレイングがついていかなかったのかな、と自分の力不足を最後の最後で痛感させられてしまいました。結論構築としていますが、まだ迷っている部分もあるので考察不足もあったかも知れません。当然まだまだ埋め切れていない弱点もあるため時間があれば、まだ煮詰めることが出来たかも知れません。
このパーティを優勝させてあげられなかったことが本当に残念ですが、最後に納得のいくパーティが完成させられたことは満足しています。



非常に長い文章を最後までお読み下さり、本当にありがとうございました!
第五世代は自分にとって一番ポケモンを楽しめた時期でした。終わってしまって寂しい気持ちをまだ引きずっていますが、第六世代でも考察は続けています。
これからも、よろしくお願いします!