シングル・第5回真皇杯中四国地区予選使用パーティ・受けサイクル偽装積み

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第5回真皇杯中四国地区予選で使用したパーティです。ルールはシングルレート準拠。

結果は予選アセロラブロックを8-2で2位通過、決勝トーナメントを0-1でベスト16でした。

内容について記します。

 

 

【基本コンセプト】

 

「めざめるパワー炎」を覚えたカプ・レヒレを使ってみたいと思いました。レーティングバトルの環境に多く存在している強い並びであるナットレイ+ヒードラン入りのサイクルパーティに強く、カプ・レヒレ自体の単体性能も非常に高いことから軸として扱うのに都合が良いと考えたためです。

カプ・レヒレを攻撃役として扱うためにはCSベースの配分にすると色々と都合が良いのですが、そうするとバシャーモメガリザードンXといった本来有利であるはずの相手に耐久力が足りず不利となってしまう危険性があります。そこで「リフレクター」でサポートして積み技を使うエースのように扱えれば強力だと考えました。「めいそう」と「リフレクター」を両方採用したカプ・レヒレは非常に単体性能が高いことで知られていますが、その「リフレクター」を他のポケモンに任せてカプ・レヒレ単体で戦える範囲を増やすようなイメージです(実際の動かし方は大きく異なります)。

次にカプ・レヒレと相性が良いメガリザードンXを採用し、「りゅうのまい」を使って物理攻撃を主体とするアタッカーとして使うことに決めました。ここにテッカグヤを並びとして採用すると、リザードン+カプ・レヒレ+テッカグヤというサイクル寄りの並びとなり、中速帯のポケモンをおびき寄せ、「こだわりスカーフ」を持つポケモンの選出を「ある程度」抑制することで、積み技を使うというコンセプトを通しやすくなるのではないかと考えました。特にシングルレートシーズン14において結果を出している並びであるので、誘導力は高いと判断しています。

 テンプレートの受けサイクルの並びを偽装した積み技、という並びをコンセプトに据えつつ、補完で残りのポケモンを採用していきました。普段偽装などの並びでの選出誘導といった相手依存の要素を組み込んだパーティは忌避することが多いのですが、勝率が伸び悩んでいる自分にとって思考の外にある要素を組み込むことで少しでも勝率を上げることができればと、思い切って採用に踏み切りました。

 

 

・・・と書きつつ、ここまでの理由はほぼ後付けで、本当の理由は毎年恒例、むーデザインの素敵な名札の6匹をそのままパーティとして使うことに決めたものによります。

素敵なイラストですね。

 

 

 

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【個別解説】

 

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カプ・レヒレ@ミズZ@ミストメイカ

ハイドロポンプムーンフォース・めざめるパワー(炎)・めいそう

ひかえめ 145-*-136(4)-161(252)-150-137(252)

・C最大、準速

・余り4をB

 

パーティのスタート地点。種族値は耐久力に寄っていますが、タイプは攻撃面で非常に優秀であるため、CS極振りとして攻撃役に徹し、他でサポートするというカプ・レヒレ主軸のパーティにするところからはじめました。

技は水タイプの技・ムーンフォース・めざめるパワー(炎)・めいそうまで確定させ、水タイプの技は命中率こそ不安定ですが「ハイドロポンプ」を覚えさせ「ミズZ」を持たせることで火力特化としています。「ハイドロポンプZ」を当てたい相手に当てれば後は「ムーンフォース」を使うことの方が多いと感じたため、「ハイドロポンプ」を使い続けるデメリットは少ないと判断したことも理由です。

準速カプ・レヒレによる同速が多いと感じたためSに補正をかけることも選択肢としてあったのですが、軸として選出する以上最も求められるのは火力だと判断したためCに補正をかけました。Cを最大にするメリットとして、H177-D150カプ・レヒレを【+1】ムーンフォースで最大乱数×2以外2発で倒せるラインであることなどが挙げられます。

素早さは対キノガッサを考えると135以上が望ましく、そこで止めて他に伸ばしたい数値もなかったため準速としました。

選出した試合の活躍は目覚ましく、軸としても補完としても非常に優秀な働きを見せるポケモンですが、環境に数多く存在しているポケモンであることから、モロバレルメガゲンガーなどで繰り出すタイミングを制限されたり、「ギガドレインZ」ウルガモスに狩られてしまうなどマークの厳しさも感じることとなりました。

 

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カプ・コケコ@ひかりのねんど@エレキメイカ

ワイルドボルト・とんぼがえり・ちょうはつ・リフレクター

ようき 145-167(252)-106(4)-*-95-200(252)

・最速

・A最大

・余り4をB

 

カプ・レヒレを扱うにあたり、別のポケモンで「リフレクター」を使うと強力だと考え、カプ・コケコを採用しました。「ひかりのねんど」を持たせてサポート体制を盤石にし、「ちょうはつ」から展開していければ有利に戦えます。

カプ・コケコ自身の決定力も高いことから展開要員でありながらも相手に隙を与えづらく、「ワイルドボルト」による自分へのダメージは自主退場というメリットでもありますし、低くない威力の「とんぼがえり」で相手に負担をかけながら交代できるなど、カプ・コケコでなければなし得ない要素は非常に多いです。

採用理由から技4つが自然と決まり、配分も攻撃性能を高めて選出した際の枷とならないよう最速かつAS配分としました。

グライオンカバルドンなどに対して「ちょうはつ」を使うことにリスクが生じるのは弱点ですが、相手の受けポケモンを読んだうえで一思いに切ることもよくある立ち回りでした。

高い素早さによるサポート及び高い攻撃性能による活躍が目覚ましく、カプ・コケコというポケモンの数値や覚える技の優秀さを改めて認識できました。しかしパーティ全体の相性として噛み合っていたかは微妙なところで、選出する相手を間違えると大きく不利になってしまい大味な勝負を強いられることがあったのは構築段階での反省点だったと思っています。

 

 

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メガリザードンXリザードナイトX@もうか→かたいツメ

フレアドライブ・ドラゴンクロー・かみなりパンチ・りゅうのまい

いじっぱり 153-200(252)-132(4)-*-105-152(252)

・A最大、準速

・余り4をB

 

短期決戦を仕掛けるのに最適な、攻撃範囲と威力の両立を重視したメガリザードンXが3匹目の採用枠です。

相手が受けサイクルよりだと判断してメガリザードンXの一貫を作るような選出をしやすいようなパーティの並びが見えていれば成功です。相手の選出をある程度割り切ったうえでフィニッシャーとして選出することは少なくありません。

タイプが優秀であるためパーティ全体での補完の役割も担っており、1回だけならサイクルを回せてしまうことがあるのも強みです。

メインウェポンとして採用したのは「フレアドライブ」であり、ダメージを受けてしまうデメリット以上に命中率100かつ高威力であるというメリットを重視させました。同じくメインウェポンであるドラゴンタイプの技には「ドラゴンクロー」を採用しました。これはパーティ全体がミミッキュをやや苦手としているため「げきりん」で隙を大きく見せたくないこと、また最低限1回程度は交代による有利対面を作ることがよく想定され、その際にドラゴンタイプの攻撃技が「げきりん」だけだと非常に扱いづらいと感じたことから扱いやすさを重視した「ドラゴンクロー」を採用しました。主な標的がメガボーマンダや炎ロトムなどのミストフィールドの影響を受けないポケモンであるため、カプ・レヒレとのアンチシナジーはあるものの致命的なものではないと判断しました。

サブウェポンとしてカプ・コケコの「エレキフィールド」を活かせる「かみなりパンチ」を採用し、カプ・レヒレで若干処理の遅れがちな水タイプに対する打点を補完します。カプ・コケコで壁を貼って「りゅうのまい」を使うことができれば他のポケモンには不可能な範囲での崩しが可能となります。

配分は最も決定力を重視しているA補正のAS配分です。相手に先に行動されるときに弱みが出てしまうため、テッカグヤカプ・レヒレを時にはクッションとして扱うことで機能させる場合があります。

勝利した試合の多くはメガリザードンXを通せた試合であり、見えないところで選出誘導が決まっていたのだと思います。しかし裏を返せばそれは相手依存でたまたま噛み合っただけという見方もできるため構成についてはこれが正解とは言い切れないのが現実です。しかしメガリザードンXというポケモンの性質上、技構成と「リフレクター」の相性は非常に良かったです。

強力な反面、選出にはリスクが伴うポケモンですが、カプ・レヒレテッカグヤとの相性補完はバッチリで、選出した際に大きく相手に隙を見せてしまうことは少なかったです。しかし「こだわりスカーフ」を持つポケモンにはやはり隙を見せてしまう点は弱点であり、それらに動きを制限されながらミミッキュゲッコウガなどの対面性能の高いポケモンを上手く通されてしまうと巻き返しが不可能となってしまう点については高度な立ち回りが求められ、扱いづらさを感じました。

 

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テッカグヤ@たべのこし@ビーストブースト

ヘビーボンバー・やどりぎのタネ・みがわり・まもる

いじっぱり 201(228)-150(124)-143(156)-*-121-81

・H177-118カプ・テテフを「ヘビーボンバー」で下から2つの乱数以外1発

・H4n+1かつ【+2】A156ミミッキュの「シャドークローZ」を上から2つの乱数以外耐え

 

 

積み技を主体とするにあたりミミッキュの対策が必要であること、またカプ・コケコを採用している展開構築は「こだわりスカーフ」を持った地面タイプのポケモンカプ・テテフを選出されてしまった場合不利となりやすいため、それらに強いテッカグヤは補完として自然と採用されました。

技については「こだわりスカーフ」を持つポケモンに強い「やどりぎのタネ」「みがわり」「まもる」を全て採用し相手を詰ませる、或いは交代させることを意識します。攻撃技は「ヘビーボンバー」を採用し、ミミッキュカプ・テテフに強いという役割を明確にしました。

配分についてはパーティ全体で苦手としやすいカプ・テテフを1発で倒しやすいAラインを設定。H177-B118はA216「かたいツメ」メガリザードンXの「フレアドライブ」を最大乱数以外耐える配分であり、この耐久力を崩せるまでAを上げた後、ミミッキュを意識してBラインを設定しました。「ビーストブースト」でAが上がるので自らも決定力となれ、補完でありながらパーティコンセプトに合致しています。やや中途半端な乱数で妥協していますが、実際にはB118のカプ・テテフやA156のミミッキュの使用者が少ないと判断したためです。

ミミッキュがいる場合は選出することが少なくないため、出番は必然的に多くなりますが、クッションとしての役割を果たすのに都合の良い構成だと感じました。技も4つ全て必要だと感じています。しかし「ヘビーボンバー」しか攻撃技がないと隙を見せる相手も少なくなく、多くの積み技を使うポケモンに対しての立ち回りは慎重に行う必要がありました。

 

 

 

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ガブリアス@ヤチェのみ@さめはだ

じしん・がんせきふうじ・ほえる・ステルスロック

199(124)-151(4)-116(4)-*-121(124)-169(252)

https://level-eater.hatenablog.jp/entry/2019/04/02/192018

・上記配分の流用 

 

カプ・レヒレメガリザードンYにあまり有利ではなく、カプ・コケコは相手の電気タイプを強化してしまうためカプ・レヒレの苦手な電気タイプをケアするポケモンが必要でした。更にカプ・レヒレメガリザードンXでの攻撃性能を補助するためには「ステルスロック」が不可欠だと考え、パーティ全体で相手の起点構築を苦手とすることからある程度の起点回避能力及び素早さと耐久力が必要だとも考えました。これらの要素を全てこなせるポケモンとして最適だったのがガブリアスであったため自然と採用されました。構成は偽装元と同じです。

耐久力に数値を割き、「ヤチェのみ」を持たせることで電気タイプから行動できずに倒されることを防ぎやすくし、パーティ全体で苦手としやすいゲッコウガにも怯えることなく「ステルスロック」か「がんせきふうじ」を通せるようになります。

技は電気タイプに強くなるための「じしん」と起点回避のための「がんせきふうじ」と「ほえる」を覚えさせて役割を明確にしました。

このパーティにおいては非常に重要な補完を数多く行っているポケモンでした。中速帯のポケモンを呼びやすく、カプ・レヒレや後述のカビゴンを自然と通しやすくしていたことから、並びとしての優秀さを感じました。高い数値を持つガブリアスだからこそ為せることであり、技の4つも全て活躍させることができました。

一方で多くの役割を担いすぎて過負荷をかけられて後続ごと崩されることもあり、上手く相手に合わせるタイミングを読むことが求められるポケモンであるとも感じました。

 

 

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カビゴン@フィラのみ@くいしんぼう

おんがえし・タネばくだん・ほのおのパンチ・はらだいこ

いじっぱり 236(4)-178(252)-85-*-130-82(252)

・A最大、準速

・H4n

 

最後に採用したのはある程度打ち合いに強い補完としてのポケモンで、パーティコンセプトに沿って相手を崩せるポケモンが求められる中で、「はらだいこ」を覚えたカビゴンが適任だと考えて採用することにしました。全体的に耐久力が高いポケモンの火力を伸ばして戦うことからコンセプトのマッチしており、特殊耐久力の高いカビゴンは「リフレクター」 の恩恵を受けやすいです。「はらだいこ」を通すことができれば一気に勝利へと近づきますが、使わずとも高い数値である程度の打ち合いがこなせる点は大きな強みです。それぞれの良いとこ取りをするために配分はAS振りとしたうえで、特性は「くいしんぼう」として「フィラのみ」を持たせました。

AS配分にすることで素早さ種族値60近くの採用されやすい多くのポケモンに対して先制することができ、メガリザードンXカプ・レヒレに対して受け要員として繰り出されたポケモンに突き刺すことができます。

技についてはメインウェポンの「おんがえし」を採用。最も安定して打てる技であり、「リサイクル」などの回復ソースがないことから「すてみタックル」よりも扱いやすい点を評価しての採用です。次に最も広い範囲を取りやすい「ほのおのパンチ」を採用して多くの相手に対して戦えるようにしました。最後の技は「あくび」、「リサイクル」、「じしん」、「ふきとばし」など多くの強力な選択肢がある中で「タネばくだん」を採用しました。これによりパーティ全体で突破が非常に困難なヌオー入りの並びを崩すことができます。その他カプ・レヒレを選出したくない場合のドサイドンなどの岩タイプへの打点や、カプ・コケコが呼びやすいメガラグラージに対して打ち合いで不利になりづらい点などの微量な副産物があります。基本的にヌオーに対してしか使うことはありませんが、乱数を意識して「おんがえし」よりも威力が高い場合は使うことがあります。 

A178でようやくH202-B150の「たべのこし」を持つヌオーを「おんがえし」+「タネばくだん」で最低乱数×2以外で確定となるためAは1も削ることができませんでした。また、準速「はらだいこ」カビゴンは先に行動した方の一方的な勝ちとなる場面が少なくないと感じたことから準速から落とすラインも設定しませんでした。

 

 

【第5回真皇杯中四国地区予選での選出回数(全11試合)】

 

カプ・レヒレ  :⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛   7

カプ・コケコ  :⬛⬛⬛⬛⬛     5

ガリザードンX:⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛ 9

テッカグヤ   :⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛   7

ガブリアス   :⬛⬛⬛       3

カビゴン    :⬛⬛        2

 

 

解説は以上です。

考察量に対する結果にはコメントしづらいところですが、面白いパーティに仕上がったと個人的には思っています。

 

記事は以上です。

最後までお読み下さり、ありがとうございました。