第9世代・シーズン1・シングル・サイクル重視対面グッドスタッフ叩き台

2022/12/2(金)9:00〜2023/1/5(木)8:59に開催されたランクバトルシーズン1用のパーティです。

スタンダードな叩き台になるよう対面性能及び全体のバランスを重視させるパーティとして作成しましたが、比較的サイクルに比重が傾いています。

環境の変遷が激しく、ベースとしての改良一区切りつけるため、一旦の完成形として公開することにしました。

※ パーティ画像は全国図鑑No.順です。以下は採用順です。

 

【構築の経緯・基本コンセプト】

  

こだわりスカーフ」を持つマスカーニャの「とんぼがえり」でイニシアティブを取ることを基本コンセプトに据えました。数多くのポケモンに先行でダメージを与えつつ、比較的受けから切り返しが得意なポケモンで固めて有利対面を作成して戦います。

相手のパーティ全体が見えてきたら高速アタッカーで全抜きか、受け回して数的有利を取り続けるか、など勝ち筋を選択します。

高速物理アタッカーとしての勝ち筋として、マスカーニャとの撃ち分けを意識して幅広いポケモンとの撃ち合いを見込んで「こだわりメガネ」を持つドラパルトを2匹目に選択。「とんぼがえり」も使えるのでこちらも対面操作は比較的やりやすいです。

交代先から相手に不可をかけていくポケモンとして、ウインディとサーフゴーの中速帯のポケモンを用意。受け性能もさることながら、攻撃性能もかなり高く、単体で勝ち筋にもなりえます。また、攻撃役でありながら回復手段も持つためサイクル戦もこなせます。

序盤に受けに回ると積み技を使うポケモンへの切り返し手段に乏しいと感じたため、5匹目には特性「てんねん」のヘイラッシャを採用。6匹目は汎用的な物理受け、かつサイクル戦に参加するのに「ステルスロック」が欲しいと感じたことからこれらを高水準でこなせるキョジオーンを採用してパーティ全体の枠組みとしました。

 

【個別解説】

 

■マスカーニャこだわりスカーフへんげんじざい@くさテラスタル
トリックフラワー・はたきおとす・とんぼがえり・トリック
ようき 151-162(252)-90-*-91(4)-192(252)

・最速AS振り
・余り4をD

 

特性「へんげんじざい」からタイプ一致の「とんぼがえり」を使い試合のペースを掴む構築のスタート地点であるマスカーニャです。高速の「とんぼがえり」使いであり、こちらの交代先にダメージが入ってしまう場面が多いので、回復手段のあるポケモンで有利対面からの選択を増やせるように工夫して立ち回るのがパーティコンセプトの出発点となっています。

まず配分を最速としました。「とんぼがえり」で無振りマスカーニャは乱数ですが、先制されて倒されるよりもリスクが少ないと判断したため最速であるメリットの方が大きいと判断しました。「からをやぶる」を使用した最速のパルシェンなどを抜くことができます。その他、アタッカーであるためAS配分に設定しています。

技はまずタイプ一致のメインウェポンとして「トリックフラワー」と「はたきおとす」を選択。特性が「へんげんじざい」であるためタイプに拘る必要はありませんが、威力が高く扱いやすさを重視してこの2を選択しました。最後の技は「トリック」として相手への妨害手段を組み込んでいます。サイクル戦を行う場合もあるパーティであるため相手の行動手段の制限が役に立つ場面は少なくありません。

ラスタルタイプはくさタイプとし、最も威力の高い「トリックフラワー」の一貫を狙う手段の1つとしました。

Aに補正をかけていないため火力不足となる場面は多く想定されます。「とんぼがえり」以外を選択する際は相手を倒せるかどれだけサイクルが必要かなど1ターンの行動に伴う試合展開への影響は大きなものです。火力不足のデメリットを解消する立ち回りが可能であれば攻撃に補正をかけるのも選択肢です。

 

■ドラパルト@こだわりメガネ@すりぬけ@ゴーストテラスタル
りゅうせいぐんシャドーボール・10まんボルト・とんぼがえり
おくびょう 163-126-95-152(252)-96(4)-213(252)

 

・最速AS振り
・余り4をD

 

2匹目は高速特殊アタッカーということで幅広いポケモンと戦える「こだわりメガネ」を持つドラパルトを選択。耐性が優秀なので多くのポケモンに繰り出しやすく、自らも低威力ながら「とんぼがえり」を使えるのでパーティコンセプトに合っています。

配分はCに補正をかけたいところですが、ミラーを意識して最速としました。CS振りとしてアタッカーとしての性能を高めるようにしています。

技はメインウェポンかつ高火力の「りゅうせいぐん」、一貫のとりやすい「シャドーボール」を決定し、最後の技は「10まんボルト」としました。パーティ全体に電気タイプの技がないことからギャラドスパルシェンへの切り返し手段が欲しいと感じたのが採用理由の1つです。その他、安定して使いやすいタイプ一致技である「りゅうのはどう」、「かえんほうしゃ」、「なみのり」など幅広いサブウェポンがあるため選択肢として有力です。

ラスタルはマスカーニャと同様、使いやすい技を一貫させたいことから「シャドーボール」に照準を合わせたゴーストタイプを選択しました。

ドラパルトもマスカーニャ同様ミラーを意識した立ち回りがケアできるなら(本来はそうすることを念頭に置くべきですが)、Cに補正をかけるのも選択肢として有力です。環境に数が多く、偶発的なミラーが数多く想定されることから当パーティではマスカーニャ同様最速としています。

 

ウインディ@いのちのたま@いかく@ノーマルテラスタル
フレアドライブ・じゃれつく・しんそくあさのひざし
ようき 165-162(252)-100-*-101(4)-161(252)

・最速AS振り
・余り4をD

 

3匹目は中速帯から攻撃を受けた後の切り返し性能に優れるウインディを採用しました。「いかく」により見た目の数値以上の性能があるということ、「しんそく」による対面性能が非常に高いこと、「あさのひざし」による回復手段があることなど当パーテティに欲しい要素を数多く満たしています。

仮想敵をサーフゴーにした際、最速サーフゴーを抜くためにS補正をかけなければならず、それならデカヌチャンまで抜けるようまず最速とし、持ち物を「いのちのたま」、テラスタルをノーマルタイプとすることで「しんそく」による確定圏内を増やせるのが強力だと考えた結果、最速AS振りとしました。

フレアドライブ」や「いのちのたま」など消耗が非常に激しいポケモンなので「あさのひざし」による回復が有効な場面は多いです。しかし基本的には攻撃に転じたい場面が多いため対面性能という意味では攻撃寄りの配分が活きやすいです。

サブウェポンとして「じゃれつく」を選択。ドラゴンタイプしか弱点をつけませんが、ドラパルト、ガブリアスカイリュー、セグレイブなど撃ちたい相手は少なくないため活躍の場は多いです。

耐久に厚めに数値を割いて「あつぞこブーツ」を持つカイリューと同じような運用も選択肢ですが、当パーティにおいては攻撃面に寄せた配分の方がマッチしていると判断しました。耐久力に寄せた配分にするなら「じゃれつく」を「おにび」などで使うのも強力です。


■サーフゴー@おんみつマント@おうごんのからだ@ひこうテラスタル
ゴールドラッシュ・シャドーボール・わるだくみ・じこさいせい
おくびょう 175(100)-*-116(4)-168(116)-116(36)-149(252)

 

・最速
・H163-D95ドラパルトを「シャドーボール」で1発
・C185サーフゴーの「シャドーボール」を1発耐え

 

サーフゴーは全ての補助技を無効にするあまりにも強力な特性を持ち、タイプも優秀なので受け役割も攻撃的役割も持てる万能なポケモンとして当パーティではあらゆる場面で活躍できるポケモンです。「わるだくみ」が使えるので太い勝ち筋としても使えますし、「じこさいせい」があることからサイクル要員としても扱えます。

配分はミラーを想定して最速とし、耐久力と火力のバランスを重視させているものです。技については扱いやすいものを選択。居座るのに若干扱いづらさがある「ゴールドラッシュ」も、「わるだくみ」があるので気になりません。

持ち物は「おんみつマント」を選択。様々な技に繰り出すことが想定されるポケモンなので追加効果を受けないのは重要です。

パーティで地面の一貫があることからひこうテラスタルとしています。サーフゴー単体との相性が良いため汎用性は高いです。

単体性能という点ではこの構成が結論といえますが、パーティに合わせて様々な配分・持ち物等でカスタマイズができるポケモンです。サブウェポンを覚えさせたり、テラスタルのタイプを変えるだけでも全く異なった運用が可能です。

 

■ヘイラッシャ@とつげきチョッキ@てんねん@じめんテラスタル
アクアブレイク・じしん・ゆきなだれ・じわれ
しんちょう 227(12)-150(236)-136(4)-*-128(252)-56(4)

 

・D最大
・「アクアブレイク」でH161-B85ウルガモスを1発(=威力2倍「ゆきなだれ」で草テラスタルウルガモスを1発)
・余りを耐久力に振り分け

 

序盤で受け身に回ることが多く想定されたので、積み技への抑止力が必要だと考えました。そのうえで、それをマスカーニャだけに押し付けるのが不安だったので特性「てんねん」を持ち、汎用性が高く、数値の高さから対面性能が優秀なヘイラッシャを採用。汎用的なD方面の受けを任せたいので「とつげきチョッキ」を持たせました。

技についてはまず安定して扱いやすい「アクアブレイク」を選択。「ウェーブタックル」も強力ですが、回復手段がないことから反動ダメージを嫌って採用しませんでした。サブウェポンとしてまず「ゆきなだれ」を採用し、ドラゴンタイプや草タイプへの打点としています。また、「じしん」を汎用打点として採用し、最後は強固な受けサイクルへの些細な抵抗手段として「じわれ」を採用しています。

配分はD方面を意識しつつ対面で打ち負けないようAへ多めに数値を割いています。相手を多く削りつつマスカーニャやドラパルトの安定打点圏内へ入れることが目標です。また、技を打ち合う中で、アタッカーへの交代するタイミングを伺うのも重要です。

「オボンのみ」や「たべのこし」などを持たせて「あくび」などを絡めても使いやすいですが、「とつげきチョッキ」により総合耐久力が飛躍的に上昇し、多くの対面で戦えるのは大きな長所です。

ラスタルはじめんタイプを選択。パーティ全体で一貫しがちな電気タイプへの対応と、「じしん」を高威力で使いためじめんタイプを選択しました。水タイプとしての役割を重視し「アクアブレイク」の威力を上げるならみずタイプ、ヘイラッシャへ使われる弱点となるタイプへの切り返しを狙うならくさタイプが選択肢になります。

 


■キョジオーン@ゴツゴツメット@きよめのしお@はがねテラスタル
しおづけ・ヘビーボンバー・ステルスロックじこさいせい
わんぱく 207(252)-120-200(252)-*-111(4)-55

 

・HB最大、余り4をD

 

最後の枠は汎用的な物理受けポケモンが欲しいと感じました。また、その中でも特にサイクルをして高速アタッカーを一貫させるという動きをするのに「ステルスロック」が重要だと考え、これらを満たしつつ高い数値を持っているキョジオーンを6匹目として採用しました。「じこさいせい」でサイクル性能はとても高いです。

特性「きよめのしお」によりゴーストタイプが半減となるため、ドラパルトやサーフゴーの補完として適しています。サイクル戦になった際の「しおづけ」も強力で、相手のスキを伺いやすいです。

技については「ヘビーボンバー」を選択。ミミッキュに対して撃ちたい技ですが、後述のはがねテラスタルとの相性の良さを考慮して採用しました。相手によって様々な技の選択肢がありますので、明確な理由は定まっていません。「じしん」「じわれ」「ボディプレス」「れいとうパンチ」など優秀なサブウェポンを数多く覚えます。

配分はHB極振りとし、持ち物に「ゴツゴツメット」を選択。サイクルを行ううえでの削り手段が多いほど高速アタッカーの活躍に繋がる、ということを期待しての採用です。

テラスタイプはドラゴンタイプやフェアリータイプを受けたいと感じる場面があったことからはがねタイプを選択しました。

 

 

【総括】

高速アタッカー2体(物理・特殊)、中速アタッカー2体(物理・特殊)、受けポケモン2体(物理・特殊)とパーティの見た目自体はとても整っています。しかしポケモンは見た目で勝負するゲームではないので、その中でもどのように環境に合わせて変化をさせていくか、という部分を考えながらベースを作成しました。採用理由として甘い部分もいくつかあるため改良の余地は多く残っていると考えていますが、シーズン1も終了したので次のステップへ進むため一旦こちらのベースはこの形で残します。

手を加えるならサーフゴー、ヘイラッシャ、キョジオーンのテラスタイプや型などから見直すと方向が見えやすい印象でした。

 

【終わりに】

このパーティの着想はスズさんの配信を見ている時に得ました。この場を借りてに御礼申し上げます。

https://www.youtube.com/channel/UCE0OiW3xnTxuKeCZ5fy5rCg

様々に自分好みへ改悪したものの、環境初期の叩き台として扱いやすく、グッドスタッフ的な立ち回りの練習にはもってこいでした。

シーズン1終盤はカイリューが環境を席巻など環境の変遷は非常にハイスピードであったと感じますが、既に存在する軸に対して、それを改良していく楽しさも多くありました。このままシーズン2も環境の移り変わりを楽しみたいですね。

 

記事は以上です。

最後までお読み下さり、ありがとうございました。