第8世代・レジェンドオブラウンド・メルメタルトリパ

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9月10日(金)9:00~9月13日(月)8:59まで開催された公式大会である「レジェンドオブラウンド」に参加しました。ルールは準伝説・禁止伝説・幻のポケモンのみのシングルバトルです。知り合いからパーティ案をもらい、少し微調整を加えて挑戦しました。

※ パーティ画像は全国図鑑No.順です。以下は採用順です。

 

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【構築の経緯・基本コンセプト】

  

まず当ルールをこなすにあたり、「シャドースチール」と「かげうち」で強力なタイマン性能を持つマーシャドーが強いと感じました。自分で使用するのは当然ですが、マーシャドーは相手のマーシャドーの「かげうち」で致命傷を負いかねないので、マーシャドーに対する勝ち筋は別で用意するべきだとも感じました。そこで「こだわりハチマキ」を持たせたメルメタルの「ダブルパンツァー」なら1撃で倒せることが分かり、「トリックルーム」を絡めたメルメタルをメインに据えてパーティを構築することにしました。「トリックルーム」要員は「てっていこうせん」による自主退場ができるディアルガが優秀だと判断し採用、3匹目にこれら2匹と相性が良いポケモンで選出パターンが組めるよう補完要員を決定させていきました。

※ ベースなどアイデアは他人産なので自分で考えたものではありません。

 

【個別解説】

 

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■メルメタル@こだわりハチマキ@てつのこぶし
ダブルパンツァー・ばかぢから・じしん・かみなりパンチ
いじっぱり 241(244)-214(252)-165(12)-*-85-54

 

・A最大

・A177マーシャドーの「インファイト」+「シャドースチール」耐え

 

「ダブルパンツァー」が強力なパーティの軸。「こだわりハチマキ」を持たせることで「きあいのタスキ」を持つマーシャドーを1撃で倒せます。また、追加効果も非常に強力で、「トリックルーム」さえあればその制圧力は目を見張るものがあります。基本的には「ダブルパンツァー」を使って戦うことになるので他の技は補完ですが、鋼タイプの技はカイオーガなど水タイプに半減されてしまうので「かみなりパンチ」をまず採用。ダイマックスした際の「ダイサンダー」を連打する際に高い打点が見込めるのも長所です。次に「ばかぢから」を採用。ディアルガなどの鋼タイプへの打点となる「ばかぢから」を採用。連打には適さないですが、ダイマックスした際の「ダイナックル」でAを上げられるため、強力な勝ち筋として機能します。最後は「じしん」とし、「ダイアース」によるD上昇を見込みつつ、メルメタルミラー等で「ばかぢから」より連打しやすい技として採用しました。
配分はAに補正をかけてほぼHAベースとしました。物理耐久力が非常に高いですが、H振りにすることで更に高いタイマン性能が見込めます。相手のパーティを見て「トリックルーム」を使うか判別しますが、相手にもメルメタルがいる場合は「トリックルーム」を使いたくありません。そこで素早さは最遅とせずにミラーを戦うことにしました。

「キョダイユウゲキ」よりは「ダイスチル」で戦いたい場面が多いと想定したためキョダイマックス個体ではありません。「こだわりハチマキ」があるためダイマックスする場面は限られますが、ダイマックスを絡めたメルメタルによる詰め筋を考える際は有効な手段となりえます。

トリックルーム」中であれば制圧力は目を見張るものがありますが、上位に多かった日食ネクロズマを絡めたサイクルは苦手とするなど、選出によっては一方的に負けてしまうことも少なくありませんでした。それでも「トリックルーム」に頼らずとも物理攻撃を主体とする相手には高いタイマン性能が見込めるなど、スペックの高さを感じられるポケモンでした。

 

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ディアルガ@ヨプのみ@プレッシャー
てっていこうせん・りゅうせいぐん・だいちのちから・トリックルーム
れいせい 207(252)-*-140-210(164)-132(92)-85(最遅)

 

・C183イベルタルの【いのちのたま】【ダークオーラ】「ダイアーク(威力130)」最高乱数以外耐え
・余りC、「てっていこうせん」+A177【テクニシャン】「かげうち」でH167-B136-D135ザシアン確定

 

2匹目はメルメタルを動かすために「トリックルーム」を覚えるポケモンが必要と考え、高いCを持ち、「てっていこうせん」で自主退場しながらスムーズにメルメタルに繋げるディアルガを採用しました。「りゅうせいぐん」によるドラゴンタイプとの打ち合い性能も高く、「トリックルーム」を使わずとも単体性能が高いため、「トリックルーム」に依存しない選出パターンにも十分に組み込めます。技は採用理由である「トリックルーム」「てっていこうせん」を確定させ、メインウェポンには「りゅうせいぐん」を選択。他に威力が高く扱いやすいメインウェポンが無いという消極的な理由での採用ですが、威力の高いドラゴン技があるだけでこの環境における範囲は広がります。最後の技は「だいちのちから」とし、打点を持ちづらい鋼タイプへの決定力としました。ディアルガは防御が高いポケモンなので、ダイマックスする際にDを上げられる点が噛み合っていると判断したのも理由です。
S90族は素早さ的にはかなり激戦区で、様々なポケモンに対して「トリックルーム」を使った後に先制したい場面が多く、最遅での採用としたいです。また、なるべくCを高めて相手に負担を与えたいところですが、相手の攻撃を1発耐えて「トリックルーム」を使いたいため、最低限の耐久ラインは確保しました。耐久力ばかりに数値を割きすぎると決定力がなく相手に負担を与えられないため、物理耐久はザシアンの「インファイト」を耐えるよう「ヨプのみ」を持たせることで十分と判断し、Dに最低限まで振った後Cを伸ばすような配分としました。

初手でマーシャドーディアルガを中継としてメルメタルで詰めるなどの場合はディアルガダイマックスする場合が多いです。その際にこの技構成はダイマックス適正があります。「トリックルーム」を使わない場合でも単体での選出も見込める強力なポケモンでした。強いて言うなら火力よりは耐久力を取るべきでD方面はもう少し伸ばしても良かったと感じました。

 

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カイオーガ@いのちのたま@あめふらし
しおふき・こんげんのはどう・かみなり・れいとうビーム

 

ひかえめ 199(188)-*-111(4)-222(252)-161(4)-118(60)

 

・C最大

・H10n-1、余りSを中心に振り分け

 

メルメタル、ディアルガと選出する場合は、初手で繰り出すポケモンダイマックスして相手に負担を与えてからディアルガの「トリックルーム」から展開したいです。そこで単体火力が高く、攻撃範囲と耐久力も優秀でダイマックス適正の高いカイオーガを3匹目として採用しました。カイオーガで相手全てを倒さずとも、負担をかけられれば十分と判断しているため、火力を優先し持ち物は「いのちのたま」としてダイマックス時の火力補正がかかるようにしました。
技は汎用技かつダイマックス時の威力も高い「しおふき」をまず採用。次にHPが削れたときに使えて威力を重視し「こんげんのはどう」、追加効果が強力で相手のカイオーガとの打ち合いにも強い「ダイサンダー」となる「かみなり」、最後は補完技で「きあいのタスキ」などを削る手段にもなる「ダイアイス」媒介の「れいとうビーム」としました。その理由ならば「ふぶき」を採用したいところでしたが、「ふぶき」を採用すると雨状態ではない時に命中率100%の技が「しおふき」のみとなってしまうため、安定打点が必要な場面を考慮し「れいとうビーム」としました。あられ状態ではない時に「れいとうビーム」を使った回数は45試合中1度だけでしたが、特性「プレッシャー」などを考慮すると「れいとうビーム」の安定感が必要な場面は多く想定されました。

配分はHCベースとし、少しHを落としてSに振りました。こうすることでカイオーガでの優劣がつけやすく、初手での戦い方が変わってくるので微妙にSを振ったことが活きる場面は多かったです。

スペックが高いポケモンなのでダイマックスせずとも戦えますし、初手で繰り出さなくても「トリックルーム」を絡めて崩しに行けるなど柔軟な立ち回りが可能なポケモンです。しかしディアルガや「とつげきチョッキ」を持つイベルタルなどに撃ち負けることがあるなどカイオーガでも打ち合えない場面を想定して選出を行うべき場面は多くありました。


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マーシャドーきあいのタスキ@テクニシャン
インファイトシャドースチール・かげうち・きしかいせい
ようき 165-177(252)-100-*-111(4)-194(252)

 

・最速AS振り、余りをD

 

本ルールにおいて採用しない理由の方が必要であると感じるほどに評価の高いポケモンです。タイマン性能が非常に高いだけでなく、ダイマックスで上がった能力や積み技を「きあいのタスキ」と「シャドースチール」により奪うことで切り替えせる唯一無二の性能を持っています。特性「テクニシャン」により「かげうち」の威力が非常に高く、その点でも「きあいのタスキ」と噛み合っています。特に耐久力無振りのザシアンに対して相手のAを奪いながら「シャドースチール」+「かげうち」で倒せ、「でんこうせっか」も無効にするため環境におけるザシアンの配分を歪めることができています。「インファイト」の威力もシンプルに高く、格闘タイプ+ゴーストタイプの補完も優れているため汎用的な決定力としても申し分なく、相手を選びません。本パーティは「トリックルーム」を主体として戦いますが、「トリックルーム」最終ターンに高威力の「かげうち」で倒しながら先制で行動することに転じるなど、「トリックルーム」を絡めた選出でも活躍の見込みがあります。
技は採用理由と役割から「シャドースチール」「インファイト」「かげうち」が決まり、最後の技は「がんせきふうじ」「がむしゃら」「カウンター」など様々な選択肢がある中で、「きしかいせい」を採用することにしました。この技を使うタイミングはマーシャドーが相手を倒してHPがほぼ1であることが想定されるため、その際に次行動できるタイミングがある際に使える技として最も相手に負担を与えられる技として選択しました。
配分は最速としAS配分。タイマン性能確保のために「きあいのタスキ」はほぼ必須です。特にマーシャドーミラーを考慮すると最速かつ「きあいのタスキ」は切れず、このルールの最もポピュラーな構成です。このパーティにおいても、この選択肢以外はないと判断しています。

非常に強力なポケモンですが、イベルタルをベースとしたサイクル戦では負担をかけきれず敗北してしまうこともありました。しかし対面性能、ストッパー性能において右に出るポケモンはいないと感じる場面は多く、様々な場面で活躍できました。

 

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イベルタルとつげきチョッキ@ダークオーラ
あくのはどう・デスウィング・ふいうち・ねっぷう
おくびょう 201-136(4)-115-183(252)-118-166(252)

 

・最速CS振り、余りをA

 

ディアルガカイオーガを採用する場合、相手のグラードンに弱くないポケモンを採用したいと考えました。その中で、グラードンより素早く、地面タイプを無効化できるポケモンとして相性が良いポケモンを探したところ、イベルタルが候補に上がりました。グラードンに有効打があるわけではなく、岩タイプなどで弱点を突かれるため対グラードンというよりは、相性が良いポケモンの中から地面タイプを無効化できるポケモンとして採用したイメージです。マーシャドーに比較的強く、「ダイジェット」や「ダイアーク」が強力なので単体での勝ち筋にもなりえます。フェアリータイプにはかなり無抵抗ですが、パーティがメルメタルやディアルガなど、基本となるポケモンが比較的フェアリータイプに強めな点でも噛み合っているといえます。
グラードンと打ち合うためには特殊型であるべきだと考え、メインウェポンは使いやすい「あくのはどう」と「デスウィング」を採用しました。特に「デスウィング」は回復量が多く優秀な技で、多くの相手と打ち合うのに使えます。次に補完技として「ねっぷう」を覚えさせ、ザシアンなどへの打点としました。最後の技は「ふいうち」としてタイマン性能を確保。特に全体的に素早さが低いこのパーティにおいては先制技は重宝すると考えました。マーシャドーと同様先制技があると「トリックルーム」中で扱う選択肢が増えます。威力も「ダークオーラ」のおかげでA補正を下げていても高いです。
持ち物は様々な選択肢がある中で「とつげきチョッキ」を選択しました。「デスウィング」による回復と相性が良く、クッション的な役割を果たしやすくなります。対グラードン性能が上昇する道具ではないですが、カイオーガに対して抗いやすくなる外、対黒馬バドレックスやルナアーラなどの役割を遂行しやすくなるなど、強力な持ち物です。
配分は最速としCS配分としました。グラードンさえ抜けるSを確保できれば十分でしたが、相手のイベルタルと打ち合う場面も想定されたため、最速からSを下げるメリットも思いつかなかったので最速としました。火力も「デスウィング」のダメージが多いのはシンプルに耐久力上昇に繋がると考え、耐久力よりもCに割くべきだと考えた結果CS配分としました。

カイオーガの代わりに選出されることが多く、有利な相手には裏の負担までかけられる優秀な数値を持つポケモンでした。技については概ね全ての技を使ったためパーティにハマったポケモンでしたが、相手のイベルタルに撃ち負ける場面があったり、グラードンに対して型次第で不利となるなど活躍の場を選ばなければ過負荷で倒れてしまいがちなポケモンであるとも感じました。ちなみに、本大会で対戦したイベルタルの大半は「いのちのたま」持ちでした。

 

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■白馬バドレックス@オボンのみ@じんばいったい(白馬)
リザードランス・10まんばりき・タネばくだん・トリックルーム
207(252)-228(180)-170-*-160(76)-70

 

・「ブリザードランス」でH207-B161グラードン1発
・H全振り、A177マーシャドーの「シャドースチール」を「オボンのみ」の回復込みで2発耐え
・C222カイオーガの【雨】「しおふき(威力150)」耐え

 

最後の枠は基本選出等では不利となる相手への補完枠としての採用です。この枠はまずパーティ全体の決定力が「トリックルーム」に依存しない限り特殊方面に偏っており、「とつげきチョッキ」を持つポケモンに対して不利となる場面が懸念されたため物理攻撃力の高いポケモンが良いと判断しました。また、グラードン入りなどディアルガで不利な相手に対して「トリックルーム」を使いたい場面も想定されるため、他にも「トリックルーム」を使えるポケモンがいた方が良いと判断し、これらの条件を満たすのに最も適しているポケモンが白馬バドレックスだったため採用しました。
まず「トリックルーム」を覚え、物理攻撃力が高く、グラードンに「ブリザードランス」で致命傷を与えられるため条件は満たしています。交代で出すなどの場面では大ダメージを受けかねないですが、比較的対面重視のこのパーティでは耐久力が非常に高く、「オボンのみ」まで持たせると大半の攻撃を1発は耐えるため「トリックルーム」での切り返しがしやすいです。ディアルガと違って自主退場手段は持たせていませんが、「しろのいななき」により自らが強力な決定力して機能できる点はディアルガ以上の性能です。
技については採用理由の「トリックルーム」と「ブリザードランス」を採用。次に「タネばくだん」を覚えさせてカイオーガグラードンに一貫する手段としました。最後の技は「10まんばりき」として鋼タイプへの打点としました。ディアルガと同様、「ダイアース」でDを上げた方が数値のバランスが良くなると判断したのも理由の1つです。終盤で「トリックルーム」が切れても上昇した能力で戦いやすくなります。

配分はHAでも非常に高い耐久力を持つためベースとしました。ここに「オボンのみ」を持たせるとさらに多くの攻撃を2発耐えられるようになるため噛み合っていると判断し持たせました。他には「リリバのみ」「ナモのみ」で1撃で倒されることを防ぎつつ「トリックルーム」を使えるようにするのも選択肢でした。

45試合中1試合しか選出していませんが、氷タイプの打点は貴重で一貫性能も高いため、「トリックルーム」に依らず単体で決定力となる点は長所でした。もう少し役割を明確にすれば選出回数は多かったかも知れませんが、概ねこの枠はこのポケモンで良いと感じています。

 

【終わりに】

結果は最終1670で238位と振るいませんでしたが、基本コンセプトは良かったです。上位のパーティに弱めだったのでそれらへの立ち回りが煮詰めきれていないのが主な敗因で、パーティの完成度に自分の実力が見合っていなかったと感じました。また、「トリックルーム」を主体としたパーティである以上択を併せる必要があること、1回の不確定要素で一気に崩れてしまうといったリスクもあり、特殊ルールの公式大会ではやはり事前準備と途中での立ち回り調整が重要であると再認識することができました。

パーティ案を下さったユウキさんに感謝です。

 

記事は以上です。

最後までお読み下さり、ありがとうございました。