2020/6/1(月)~6/30(火)まで開催された、シングルバトルランクバトルシーズン7で使用したパーティを紹介します。
結果は最高115位、最終日に4桁順位で撤退しました。。
友人の@コさんが作成したパーティです。自分で作成したパーティではなく人のパーティを解説するのも如何なものかとは思いますが、自分用のメモも兼ねて内容の解説記事を残しておくことにしました(記事掲載許可済みです)。
【構築の経緯・基本コンセプト】
@コさんから勝率が良いパーティ案をいただき、配分などを自分好みに改悪しつつ、ほぼ内容はそのまま使い続けました。
ナットレイを軸にし、もう1匹のポケモンで補完を取りつつサイクルを回しながら、エースバーンを通すことを目指すパーティです。
構築名の「アシパルト」は元々ブラッキー+ドラパルトが軸でしたが、ブラッキーが抜けてアシレーヌが入ったことから呼び名が変わったことによるもので、パーティコンセプトの中心はナットレイとエースバーンです。
【個別内訳】
※はじめから自分で採用を決めているのではなく、案を提示された段階で自分で採用するかを決めているため「自分で採用した」旨の記載となっていますが、実際に自分で発見したという意図はありません。
■ナットレイ@オッカのみ@てつのトゲ
ジャイロボール・やどりぎのタネ・ステルスロック・まもる
181(252)-114-201(252)-*-137(4)-22(最遅)
・A168エースバーンの【いのちのたま】【リベロ】「かえんボール」を「オッカのみ」で耐え
・C189トゲキッスの【いのちのたま】「だいもんじ」を「オッカのみ」で耐え
・「ジャイロボール」の威力を上げるため最遅、相手S132以上で威力150
・「ジャイロボール」でH161-B122トゲキッスを最低乱数以外1発
・余り4をD、C152ドラパルトの【こだわりメガネ】「シャドーボール」を2発耐え
パーティの軸となるナットレイ。「ステルスロック」によりエースによる全抜き体制やサイクルでの有利な状況を作り出すために最も選出されるポケモンです。
技についてはまずコンセプトである「ステルスロック」、サイクル性能及び削りを入れる「やどりぎのタネ」と「まもる」を採用し、対面性能を確保しています。「まもる」については相手のダイマックス技を凌ぐために使うことも多く、ナットレイにとって非常に有用な技です。最後の技は1ウェポンとして都合が良いと考えた「ジャイロボール」を採用。トゲキッスやドラパルトに打点が見込める技であり、他の技よりも優先度は高いと感じました。
持ち物については「オッカのみ」を選択。これにより多くの攻撃を1発耐え、行動保証を持ちつつ「ステルスロック」が使いやすくなります。1発耐えるならば「きあいのタスキ」も候補ですが、ギャラドスやパッチラゴンなどに対し、相手の「ダイバーン」を「まもる」と「オッカのみ」で凌ぎながら戦う場面も多く、「オッカのみ」でダメージを減らせることによる立ち回りの余裕が生まれるメリットが大きいと判断したため、「オッカのみ」を採用しました。
配分についてはHBに特化し「オッカのみ」を持たせることで1発耐える攻撃が多くあり、ミミッキュやドリュウズなどに対して粘りを見せやすくなります。
攻撃技が「ジャイロボール」しかないことから「ちょうはつ」などで起点にされてしまったり、炎タイプの特殊技を使うポケモンに対して後手となってしまう点に注意し、長いターンHPを温存しサイクル戦をするか、「ステルスロック」を最低限の仕事として早々と後続に繋ぐかを判断して展開します。パーティのコンセプトどおりに、高い対面性能から試合展開を作るポケモンとして活躍しました。
■エースバーン@いのちのたま@リベロ
かえんボール・とびひざげり・とびはねる・ふいうち
ようき 155-168(252)-95-*-96(4)-188(252)
・最速、AS振り
・余りをD
・H奇数、「とびひざげり」の失敗×2で瀕死にならない
環境トップの文字通りエースであるエースバーン。選出が噛み合えば「ステルスロック」を使うだけで相手のパーティを半壊させられることもあります。
構成についてはエースバーンの基本形といえるような配分・技・持ち物となっています。「ダイジェット」を使うための「とびはねる」、「ダイナックル」及びダイマックスしない時の高打点技である「とびひざげり」、「ダイバーン」を絡めるなど対ミミッキュに対して有効なバフ手段や天候書き換え要素であり、非接触技であることも重要である「かえんボール」、威力の高い先制技であり対面性能を飛躍的に向上させ、ストッパーとしても機能しうる「ふいうち」、これらの技をダイマックス状態で一度に強化できる「いのちのたま」、ミラーも意識しつつアタッカーとしての性能を最大限高めるためのAS配分、というのが採用理由となります。
この型が基本であり、後は環境に併せて「しねんのずつき」「アイアンヘッド」「ダストシュート」「エレキボール」などを刺していくというのがエースバーンの強い使い方だと思います。このパーティにおいては、上記の型が最も汎用性がありエースバーンが活かせるということでメタ要素を仕込まずに基本へ忠実に使うこととしています。
自分の立ち回りにも問題があると思いますが、エースバーンでのミラーがあまりにも頻発したため最速は切れませんでした。全ての型や選択を想定するとパーティでエースバーンに100%勝てるポケモンが存在しないので、最速であることには大きな意味があります。
■ドラパルト@こだわりスカーフ@すりぬけ
りゅうせいぐん・シャドーボール・かえんほうしゃ・10まんボルト
ひかえめ 163-*-95-167(252)-96(4)-194(252)
・C最大、H175-D124ギャラドスを「ステルスロック」+「ダイサンダー(10まんボルト)」で確定
・準速、【+2】80族(トゲキッスなど)+1
・余りをD
スイーパーであり、ストッパーとしても活躍が見込めるドラパルト。
「こだわりスカーフ」を持たせることで相手の「ダイジェット」持ちに対して切り替えせる場面がある他、苦手としやすいパッチラゴンやギャラドスに対して抗える手段となりえます。特に高い素早さを「こだわりスカーフ」で上げることで、エースバーンの「ふいうち」と併せて多くの積み技に対するストッパーとして機能できる点が優秀でした。
火力が必要な場面が多かったので最速を切って準速CSでの採用としています。「ステルスロック」があれば「ダイサンダー」で多くのギャラドスが倒せる他、H156-B95-D95エースバーンを「ステルスロック」+ダイマックスした状態で「りゅうせいぐん」が当たれば後続のエースバーンの「ふいうち」で倒せる確率が大きく上がります。ちなみに相手が「いのちのたま」持ちで1回ダメージが入れば確定で倒せます。
最速ではないデメリットはドラパルトミラーとSが2段階上昇した最速ギャラドスを抜けないことですが、Cを上げるメリットの方が大きいと判断しました。
採用理由から技は「りゅうせいぐん」「10まんボルト」が決まり、残りの2つは同族相手や一貫の取りやすさから「シャドーボール」、最後には炎タイプの打点として、特にガラルヒヒダルマに対する技として「かえんほうしゃ」を採用しました。
特性は「すりぬけ」とし、ナットレイが呼び込みやすい「みがわり」を持つポケモンに対して抗う手段としています。
種族値の高さを選出したときの腐りづらさから選出回数が多いポケモンでした。特殊耐久の高いフェアリータイプなどにはスキを見せてしまいますが、そこをナットレイや後述のヒートロトムでカバーすることでリスクを減らしつつ行動回数を減らせるように戦うことでポテンシャルを引き出しやすくします。
ここまでの3匹で、ナットレイで場を整えてエースバーンで崩し、ドラパルトで〆るという選出が最も勝率が高く、安定していました。しかし上位にいくほどマークの厳しさも感じるようになりました。
■アシレーヌ@たべのこし@げきりゅう
ムーンフォース・ねっとう・うずしお・ほろびのうた
ずぶとい 177(172)-*-138(252)-147(4)-138(12)-89(68)
・HP16n+1、B最大、A184エースバーンの【いのちのたま】【リベロ】「ダイジェット(とびはねる)」耐え
・C152ドラパルトの【いのちのたま】「ダイサンダー(かみなり)」を上2つの乱数以外耐え
・無振り67族(アーマーガア等)+1
4匹目からは補完であり、まずナットレイが相手の炎タイプを苦手とするため、上位環境に多かったウインディやガオガエンに強いアシレーヌを4匹目に採用。フェアリータイプによる格闘耐性があることから、エースバーンの相手を任せることもあります。
配分についてはナットレイとのサイクル戦をするにあたり、ガオガエンやエースバーンに対しての被ダメージを抑えるためにHBベースとしました。相手のアシレーヌに少しでも先制できる確率を上げるためにやや素早さに数値を割き、ブラッキーやシャワーズなど先制できると都合が良い相手にも先制しやすくしています。
技についてはフェアリータイプの遂行技としての「ムーンフォース」、水タイプの安定打点かつ追加効果の強力な「ねっとう」を採用。残り2つの技は「うずしお」と「ほろびのうた」を採用し、ドヒドイデやピクシーなどを崩す手段としました。特にこの2つの技があることでパーティ全体で苦手なドヒドイデ入りに対して選出がしやすくなり、汎用性が向上しました。
持ち物は「たべのこし」を選択。サイクル戦をするにあたり何度もHPを回復できるのが強みです。6ターン経てば「フィラのみ」などの回復量を上回り、その場面が多いことから耐久力の高いアシレーヌに適していると判断しました。
ナットレイとの組み合わせは非常に安定しており、「ねっとう」の追加効果もあってサイクル戦に向いているポケモンです。ダイマックス適正もあり、「ダイフェアリー」による相手の「あくび」展開の阻止、特性「げきりゅう」や「ダイストリーム」による雨状態による高い決定力も見込めるなど、器用な動きが可能でした。
ちなみに元のパーティでは最終的に枠がサニーゴに変わっていた模様です。
■ヒートロトム@オボンのみ@ふゆう
オーバーヒート・10まんボルト・あくのはどう・わるだくみ
ひかえめ 156(244)-*-128(4)-172(252)-128(4)-107(4)
・C最大
・H4n
・余りを振り分け
相手のドヒドイデ絡みのサイクルに強く出られ、かつトゲキッスを始めとしたフェアリータイプ、リザードンを始めとした炎タイプへの耐性を持つことからパーティに与える恩恵が多いヒートロトム。
これらの役割を安定させるべく、耐久力と火力を両立させるためのHCベースの配分とし、「わるだくみ」「オーバーヒート」「10まんボルト」の全てが必要でした。「オーバーヒート」はナットレイが誘いやすいギルガルドに対する即時打点が必要で、「10まんボルト」はドヒドイデに居座ってダメージを与えるために必要です。最後の技は「あくのはどう」とし、ドラパルトにダメージを与えやすくする他、ヌオーやトリトドンに対して「ダイアーク」によるCダウンを絡めて突破する選択肢を持てるようにしました。
持ち物は行動回数を増やせる「オボンのみ」として耐久力を向上させています。ドヒドイデの「ねっとう」を受けても良い回数が増やせる他、エースバーンからの打点に対して少しでも確定圏内からずらせるなどこの型の恩恵が多い持ち物です。
ナットレイやアシレーヌとのタイプ相性がよく、攻撃的な型でありながら、サイクル的な選出に絡むことが多いポケモンです。上を取られていたとしてもダイマックスによる切り返しにも長けているポケモンであり、行動にはややリスクが伴うものの、パーティの補完要員として適任でした。
ミミッキュ@フィラのみ@ばけのかわ
シャドークロー・のろい・いたみわけ・みがわり
ようき 131(4)-142(252)-100-*-125-162(252)
・最速、AS振り
・余りをH
ミミッキュには 「のろい」「いたみわけ」「みがわり」を駆使して低速な受けサイクルを崩す手段を持たせました。特にエースバーンで崩せないドヒドイデやピクシー、アーマーガアなどに対して削りを入れ、ナットレイで使っておいた「ステルスロック」による交代際のダメージを蓄積させていき、スイーパーであるエースバーンやドラパルトを通す、もしくは自らダイマックスし「ダイホロウ」のBダウンなどを絡めて受けを崩すというのが基本的な使い方になります。
対面性能も高いため受けサイクル以外に対しても選出することがあります。その際即時打点となる「シャドークロー」の使い勝手が良かったため採用しました。しかしダイマックスに対する切り返しや「ダイホロウ」の威力を考えると「ゴーストダイブ」の方が優秀である場面が多いとも感じます。
配分は先制で「のろい」や「みがわり」を使える恩恵が多いため最速での採用。崩しをメインとするためAも伸ばしています。
持ち物については「フィラのみ」を持たせることで「みがわり」「のろい」を使える場面を増やせる他、行動回数が増やせるようにしています。
選出画面にいることが重要なポケモンですが、「のろい」の汎用性が高いため選出して腐ることは少ないです。「ダイホロウ」が強力なので、ミミッキュをダイマックスするか、他のポケモンのダイマックスで崩すかを試合中に見極めて戦うことになります。パーティとの連携が重要で、相手がどのようにミミッキュを対処するかを判断するのも選出段階でキーとなる理解度が必要なポケモンであると改めて感じました。
【終わりに】
サイクルと崩しと対面性能をバランスよく組み込まれた非常に完成度の高いパーティをいただけて嬉しく思います。勝ちきれなかったのは上位のメタに対する立ち回りでの対応不足であり、上記の構成でも十分に戦える試合が多かったためプレイングの実力不足を感じました。
今後もプレイングを磨きつつ、人からもらったパーティに誇らしい実績をつけられる手助けができればと思いました。
パーティ案やチューニングなど、ご相談はいつでもお待ちしています。
一部色違いではないなど体裁的に完成していないのでレンタルチームは公開していませんが、PPは全て増やしているので、レンタルチームを公開して欲しい場合はtwitter等で(@Torln_vibra)まで個別にご連絡ください(レンタルチーム公開についても許可をいただいております)。
記事は以上です。
最後までお読み下さり、ありがとうございました。