シングル・第4回真皇杯九州地区予選使用パーティ・積み技+サイクル

第4回真皇杯九州地区予選使用パーティです。ルールはシングルレート準拠。
結果は予選アーボブロックを6-1で1位通過、決勝トーナメントを3-2でベスト4でした。
使用したパーティの内容を記します。




  
   



パルシェン

ミズZ スキルリンク
つららばり アクアブレイク ロックブラスト からをやぶる
ようき 125-147(252)-201(4)-*-65-134(252)
カプ・コケコ

ひかりのねんど エレキメイカ
ワイルドボルト とんぼがえり ちょうはつ リフレクター
ようき 145-167(252)-105-*-96(4)-200(252)
メガリザードンX

リザードナイトX もうか→かたいツメ
フレアドライブ ドラゴンクロー かみなりパンチ りゅうのまい
いじっぱり 153-200(252)-132(4)-*-105-152(252)
カビゴン

フィラのみ くいしんぼう
おんがえし じしん のろい リサイクル
いじっぱり 254(148)-144(4)-117(252)-*-143(100)-51(4)
カバルドン

ゴツゴツメット すなおこし
じしん ふきとばし ステルスロック なまける
わんぱく 215(252)-132-187(252)-*-93(4)-67
ギルガルド

たべのこし キングシールド
シャドーボール どくどく みがわり キングシールド
おくびょう 161(204)-*-171(4)-75(36)-172(12)-123(252)



【基本コンセプト】


パルシェンがウルトラサンムーンになって「アクアブレイク」を覚えられることに注目して「ミズZ」を持たせたパルシェンを軸としたパーティを組みたいと思ったのが構築のきっかけです。
これまで「ミズZ」を持たせたパルシェンは「ダイビングZ」を使い、メガメタグロスギルガルドを倒すことを目的としていましたが、「ダイビング」はZワザでなければ非常に扱いづらい技でした。しかし、「アクアブレイク」はZ技でなくても非常に使い勝手が良いです。これによりアーゴヨン登場以来数を増やしていると感じていたヒードランをZ技を使わずに倒せ、その他のポケモンに対して「ミズZ」を温存しながら戦えることが強力だと感じました。
ヒードランカミツルギテッカグヤなど他の鋼タイプと組み合わせて使いやすく同じパーティで採用しやすいため、「アクアブレイク」によるZの温存は有効に働きやすいと考えており、環境に適しているのではないかと考え、パルシェンを中心とした積み技を中心として戦うことをまず軸にし、構築をスタートさせました。
また、パルシェンが誘いやすい「こだわりスカーフ」を持つゲッコウガやカプ・コケコに強いポケモンとしてカビゴンを採用しており、「フィラのみ」と「リサイクル」による高いサイクル性能と「のろい」で積み技を使うエースとしてのアタッカー性能が両立できることに注目し、「ステルスロック」で起点作成が行えるカバルドンと組み合わせてサイクル戦をこなせるようにしており、相手に合わせて積み技で畳み掛けるかサイクル戦を行うかが選べるようなパーティをコンセプトとしました。



【個別解説】



パルシェン

ミズZ スキルリンク
つららばり アクアブレイク ロックブラスト からをやぶる
ようき 125-147(252)-201(4)-*-65-134(252)


・最速、A全振り
・余り4をB(HPを奇数にし、かつ物理技を受ける場面が多いと想定しているため)



構築の始点であるポケモンです。コンセプトに沿って、「ミズZ」を持たせ、「アクアブレイク」を覚えさせています。
メガクチートギルガルドメガメタグロスといった鋼タイプでパルシェンを止めるようなパーティに対しても選出可能な点が最大の長所です。
特にこれらのパーティには補完として地面タイプのポケモンが採用されやすく、それらのポケモンとうまく対面させて「からをやぶる」を使うように戦います。
技についてはメインウェポンである「つららばり」と、サブウェポンである「ロックブラスト」を採用。「ロックブラスト」は相手のパルシェンなどの水タイプに対して使うために必要です。
配分については素早さに補正をかけ、最速としました。これにより「からをやぶる」を使えば霊獣ランドロスカミツルギが「こだわりスカーフ」を持っていても先制されることがなく、素早さが134であるメリットが大きいと感じたためです。ただし、攻撃に補正をかける場合よりも「つららばり」等で倒せる範囲は狭くなってしまうため、後述のカバルドンでの「ステルスロック」やサイクル等を絡めてから繰り出すなど、攻撃に補正をかけたパルシェンとは使い方がやや異なると考えています。余りの努力値4はHに回した方が物理攻撃に対する総合耐久値は上がりますが、「ガーディアン・デ・アローラ」を受けづらいポケモンかつ「ステルスロック」でのダメージが大きいポケモンのHPを偶数にしたくないという個人的な好みから、HではなくBに振っています。
積み技を使うパーティ、俗にいう展開系統の構築同士で戦う場合は先に展開した方が圧倒的に有利になれると考えているため、パルシェン同士での戦いでは初手で選出したり、死に出しではなく交代で出すことも視野に入れるなど、通常パルシェンをエースとして運用するパーティよりもやや選出回数が多めになると思っています。そのため、パーティ内でZクリスタルを持つポケモンパルシェンだけとなっていてもパーティ全体がパワー不足となることは無いと判断しています。



カプ・コケコ

ひかりのねんど エレキメイカ
ワイルドボルト とんぼがえり ちょうはつ リフレクター
ようき 145-167(252)-105-*-96(4)-200(252)



・最速、A全振り
・余り4をD(HPを奇数にし、かつ特殊技を受ける場面が多いと想定しているため)



パルシェンの「からをやぶる」は相手の補助技を封じる「ちょうはつ」を使えるポケモンがいると成功しやすさが変わると考え、高い素早さから「ちょうはつ」が使え、パルシェンでの突破が難しい水タイプに打点があり、「とんぼがえり」により隙を見てパルシェンに交代ができ、高い火力からの「ワイルドボルト」で時には自主退場もできて無償降臨も可能であるなど、カプ・コケコ以外では実現不可能な要素があまりにも多いことから、カプ・コケコを2匹目として採用しました。
採用理由から「ワイルドボルト」と「とんぼがえり」を攻撃技として使いたいため性格は「ようき」としました。より多くのポケモンに先制で「ちょうはつ」を使いたいため素早さに補正をかけ、「ワイルドボルト」や「とんぼがえり」で少しでも相手にダメージを与えたいことからA全振りとしました。高い素早さから多くのポケモンに先制で「ちょうはつ」を使えることは大きな長所ですが、後述のカバルドンを採用していることからカバルドンが呼びやすいゲッコウガより素早いという点は特に重用です。
最後の技には「リフレクター」を選択し、持ち物は「ひかりのねんど」としました。これにより「ねこだまし」などの先制技でパルシェンによる全抜きを阻止してくるポケモンに軒並み強くなることができます。特に「ねこだまし」を使った後交代して再度使う、といったようにターン数がかかる勝負が予想されることから、「ひかりのねんど」による恩恵は大きいです。後続のカビゴンの「のろい」を使う場合でも「ひかりのねんど」が有効に働く場面が多いです。
カプ・コケコは地面タイプを苦手とすることからそれらに強く出られるパルシェンとは相性がよく、場合によっては地面タイプの技に対してリザードンを合わせることもあります。「エレキメイカー」によってリザードンの「かみなりパンチ」の威力を上げたり、パルシェンカバルドンの「あくび」から、ギルガルドキノガッサの「キノコのほうし」から守るなどパーティ全体に与える恩恵が大きいポケモンです。「エレキメイカー」は霊獣ランドロスカプ・テテフの「こだわりスカーフ」を判別するのにも役立つため、初手で繰り出すことが多いポケモンです。


メガリザードンX

リザードナイトX もうか→かたいツメ
フレアドライブ ドラゴンクロー かみなりパンチ りゅうのまい
いじっぱり 153-200(252)-132(4)-*-105-152(252)



・AS特化、準速
・余り4をB(HPを奇数にし、かつ物理技を受ける場面が多いと想定しているため)


3匹目に採用したポケモンメガリザードンXです。幅広い範囲に対して戦えることから基本選出に組み込みやすく、パルシェンを選出しない場合の鋼タイプの相手を任せることもできます。
パルシェンが電気タイプを苦手としていることから、電気タイプのポケモン全般に強いリザードンが有利に出られ、またリザードンが苦手な「こだわりスカーフ」を持つ地面タイプのポケモンにはパルシェンが有利に出られるなど同時選出がしやすく、これらの優劣も積み技を1回使うことができればひっくり返すことができるため、どちらで相手のポケモンを倒せるかを考えて立ち回りを決めていきます。
技については高威力の「フレアドライブ」と「ドラゴンクロー」をタイプ一致のメインウェポンとして採用。「ほのおのパンチ」や「げきりん」も選択肢ですが、「ほのおのパンチ」だとグライオンなど高耐久のポケモンを1発で倒せない場合に不便と感じることを危惧したためダメージを受けるデメリットを考慮しても威力を優先し「フレアドライブ」とし、「げきりん」については技を固定させるデメリットが大きく、またフェアリータイプには無効となってしまうことから一貫性に欠けることを危惧し「ドラゴンクロー」としました。サブウェポンとして「かみなりパンチ」を採用し、カプ・コケコの「エレキメイカー」によるサポートを受けながらドヒドイデカプ・レヒレなどを倒す手段としました。最後に積み技として「りゅうのまい」を選択。1回使用するだけでAとSの両方を上昇させられる点が強みだと感じており、前述の攻撃技3つを採用する場合は「つるぎのまい」などよりも優先度が高いと判断しています。
パーティ全体でグライオンを苦手としていることから「りゅうのまい」を使った後に1撃で倒せる確率を上げるためAに補正をかけています。また、カプ・テテフミミッキュに先制できる確率を少しでも高めるため準速としました。
基本選出はカプ・コケコ、パルシェンリザードンとし、Z技及びメガシンカを組み込んでおり攻撃的なパーティとなっています。この選出で戦えない場合の補完として他のポケモンを決定させていきました。



カビゴン

フィラのみ くいしんぼう
おんがえし じしん のろい リサイクル
いじっぱり 254(148)-144(4)-117(252)-*-143(100)-51(4)



・A167カプ・コケコの「ワイルドボルトZ」耐え
・【サイコフィールド】【こだわりメガネ】C200カプ・テテフの「サイコキネシス」を「フィラのみ」の回復込みで2発耐え
・「しぜんのいかり」を受けた後「フィラのみ」が発動するようにHP2n



パルシェンが「からをやぶる」を使用しても、「こだわりスカーフ」を持ったカプ・コケコやゲッコウガには先制されてしまいます。また、ゲッコウガは「ダストシュート」を覚えるためカプ・コケコと対面した場合でもカプ・コケコが1撃で倒されてしまうことから、ゲッコウガに対してある程度戦えるポケモンが必要でした。そこでゲッコウガに比較的強いカビゴンに目をつけて4匹目として採用しました。
「フィラのみ」を持つため交代で出しやすい点、「のろい」を使うことで自らの積み技を使えるエースとしての運用が可能な点が長所で、幅広い相手に選出が可能です。
攻撃技は「おんがえし」と「じしん」としました。「おんがえし」はデメリットの無いメインウェポンとして、威力を重視させての採用。「じしん」はメガゲンガーバシャーモなど、パーティで呼びやすいポケモンに対して使いやすいサブウェポンとしての採用としました。サイクル戦を行うために「リサイクル」は必要な技です。
持ち物は採用理由でもある「フィラのみ」ですが、「トリック」で相手に奪われた際に相手が混乱するというデメリットを発生させやすくするため、「トリック」を使うことが多いポケモンがAが下がる性格補正であることを考慮して「フィラのみ」としました。
配分はカプ・コケコやゲッコウガが物理攻撃と特殊攻撃のどちらを使う型でも柔軟に対応できるように総合耐久力を重視した配分としています。また、Aの数値もある程度高めることでパーティ全体で苦手とするカプ・レヒレメガゲンガーなどに対してダメージを稼げるようにしています。
積み技で戦う場合もサイクル戦で戦う場合の両方で中心となれる存在であり、パーティコンセプトそのもののポケモンです。しかし「どくどく」を絡めたサイクルや即時打点の遅さから起点になってしまう場合もあるなど、ある程度相手を選んで戦い、繊細な立ち回りが求められるポケモンでもあります。



カバルドン

ゴツゴツメット すなおこし
じしん ふきとばし ステルスロック なまける
わんぱく 215(252)-132-187(252)-*-93(4)-67



・HB特化
・余り4をD(総合耐久力上昇のため)



パルシェンにAの性格補正をかけていないため、「ステルスロック」で補助する手段が欲しいと感じたこと、カプ・コケコではメガミミロップに対して一方的にやられてしまう他全体的に重いことから、これらを満たせる手段としてカバルドンに注目し5匹目として採用しました。
カバルドンは「ステルスロック」が使えるポケモンの中でも耐久力が非常に高い他物理技で弱点を突かれることが少なく、メガミミロップメガガルーラの「ねこだまし」に対して繰り出せる点が魅力的です。これらに対して勝ちやすくするため「ゴツゴツメット」を持たせることにして「なまける」を覚えさせることで有利となれるようにしました。また、「なまける」を覚えさせることでカビゴンと組み合わせたサイクル戦が行えることに気づき、このパーティのコンセプトを担えるポケモンとしてカバルドンは適任でした。地面タイプであることからパルシェンリザードンで不利なバンギラス+ドリュウズの相手も担える点も優秀です。また、展開系統のパーティ同士での戦いで相手に先に展開されると一方的な試合となってしまうことを懸念して「ふきとばし」を覚えさせました。これにより「バトンタッチ」や「ナインエボルブースト」を使うパーティに対する対抗手段となり、対策としては不十分ではあるもののある程度の抵抗策となります。展開系統のパーティにおいて、起点作成と展開阻止の両方をこなせることは重用だと考えています。
攻撃技はタイプ一致で威力の高い「じしん」とし、対面で遂行させることを重視しました。「じしん」の効かない「ちょうはつ」を持つポケモン等に抵抗する手段が無いため、「ちょうはつ」を覚えるポケモンに対しての立ち回りが窮屈になるというデメリットがありますが、「がんせきふうじ」や「こおりのキバ」などでは打点不足で確実な遂行がこなせないと判断したため「じしん」のみを覚えさせました。
配分についてはBに特化させ、メガミミロップメガガルーラの相手を任せることに専念します。これにより物理攻撃はカバルドン、特殊攻撃はカビゴンに任せるように役割を分担させやすくしています。これらで受けきれないポケモンを如何に積み技を使うポケモンでまとめて崩していくかを考えていくことがサイクル戦をする場合での重用なポイントとなります。




ギルガルド

たべのこし キングシールド
シャドーボール どくどく みがわり キングシールド
おくびょう 161(204)-*-171(4)-75(36)-172(12)-123(252)



・最速
・「たべのこし」での回復効率及び「みがわり」を使える回数を増やすためHP16n+1
・「ダウンロード」で相手のAが上がるようにD>B
・余りC



ここまでで相手のカプ・テテフに対する抵抗手段に乏しいことが気になったためカプ・テテフに強いポケモンの中からカビゴンカバルドンと選出してサイクル戦がしやすいこと、またパルシェンリザードンでは崩しづらいクレセリアやポリゴン2に強いという条件に当てはまったのが「どくどく」を覚えるギルガルドだったため6匹目として採用しました。
パーティ全体で物理攻撃技を使うポケモンしかいなかったため特殊技の高い決定力が欲しかったという点でも噛み合っていました。そのためメインウェポンはカプ・テテフに遂行できる、かつ威力の十分な「シャドーボール」を選択。特にクレセリアに対しては「ラスターカノン」よりもダメージが見込めるため素早い遂行のため「シャドーボール」を選択しました。「シャドーボール」が効かないポリゴン2やカビゴンに対して「どくどく」「みがわり」「キングシールド」を絡めて崩していきます。
「どくどく」を絡めたサイクルであるためカビゴンカバルドンと同時に選出した場合のパワー不足は気になりません。「みがわり」を使って時間をかけて相手を「どくどく」で倒したいことから「たべのこし」も持たせることでより高いサイクル性能を持つことができます。
素早さの高いポリゴン2と対面した時先制で「みがわり」を使われると突破手段がなくなってしまうため、対面したときに「どくどく」を使いやすい最速での採用としました。それに伴いポリゴン2の「ダウンロード」でCが上がらないように耐久調整を施しています。また、ギルガルドもやや重いパーティであるためギルガルドと対面したときに有利となりやすいという点も最速である長所です。
この型のギルガルドは長期戦が前提となりやすいポケモンのため、カプ・コケコの「リフレクター」を受けられるポケモンでもあります。
補完の意味合いが強いポケモンのため選出率は低めですが、数値の高さから戦える相手は多く、パーティコンセプトにもしっかり当てはめられるポケモンでした。



【感想】

パルシェンを選出しやすくすることと幅広いパーティに対して戦えることを目指して作成し、実際に完成度としてはかなりのものになったのではないかと思いますが、カプ・レヒレとポリゴン2の組み合わせや、グライオンドヒドイデ(コオリZ)の組み合わせなど、積み技を意識された選出でサイクル戦で勝てない場合の負けが目立ちました。また、展開系統のパーティ同士で戦う場合の「ちょうはつ」をカビゴンカバルドンが受けてしまうとかなり不利となってしまいます。これらの積み技という攻撃的な選出とサイクル戦という防御的な選出のバランスを取ってやや中途半端気味になっていることが弱点として出ていることになるかと思います。他にもポケモン単位でやや重めのメジャーな型はいくつか存在します。積み技は相手の選出次第で戦い方が大きく変わってくるため、不利な相手への勝率が低いままだと構成を変えるべき点は増えてくるかも知れません。
しかしコンセプト通りパルシェンの選出回数を増やし、積み技を使う選出とサイクル戦を行う選出を使い分けながら多くのパーティに対応して選出を考えていくことは上手くいき、非常に楽しかったため、今後も似たようなパーティを模索していこうと感じました。
目標としていた結果にあと1歩で届かなかったのは非常に悔しい思いですが、ある程度の結果は出せたこと、パーティの完成度に自分では納得していることから多くの人にパーティを見てもらいたいと思い、公開することにしました。



【第4回真皇杯九州地区予選での選出回数(全12試合)】



パルシェン    :■■■■■■■ 7
カプ・コケコ   :■■■■■■■ 7
メガリザードンX :■■■■■■ 6
カビゴン     :■■■■■■ 6
カバルドン    :■■■■■■■■ 8
ギルガルド    :■■ 2



記事は以上です。

最後までお読み下さり、ありがとうございました!