「誰でも使いやすい」という点を目指している構築です。
ポケモン | 持ち物 | 技1 | 技2 | 技3 | 技4 | 特性 |
カイリュー | ラムの実 | 逆鱗 | 地震 | 神速 | 龍の舞 | マルチスケイル |
パルシェン | 気合の襷 | 氷柱針 | ロックブラスト | ハイドロポンプ | 殻を破る | スキルリンク |
ウルガモス | 虫のジュエル | 大文字 | 虫のさざめき | 目覚めるパワー(地面) | 蝶の舞 | 炎の体 |
キノガッサ | 毒毒玉 | ローキック | タネマシンガン | キノコの胞子 | 身代り | ポイズンヒール |
ロトム(ウォッシュフォルム) | 光の粘土 | ハイドロポンプ | ボルトチェンジ | 電磁波 | リフレクター | 浮遊 |
ココドラ(Lv1) | 木の実ジュース | 我武者羅 | 吠える | ステルスロック | 堪える | 頑丈 |
<メインコンセプト>
自分のポケモンが1匹倒されそうになったら、そのまま倒してもらい、後続の起点にする。
BWでは主流となっている考えですが、このギミックは「受けの相性補完を無視してでも」相手を全て1匹のポケモンで倒す(後出しが効きにくい)状態を作るのを目標としています。
立ち回りは大きく攻撃することに特化し、多少無理でも強引に突っ張っります。
相手が慎重にならざるを得ない場面でもこちらは強気に攻め続けることによって交代読み交代などで有利になれたり、不確定要素を自ら誘発させやすくするなど、無意識のうちに有利となる立ち回りになっていることが多いです。
これらの積み技に特化したアタッカーとは基本的に「相手を選ばずに倒せる」ポケモン達であるため、対処出来る方法が限られているため、特定の相手へのメタを貼って構成を変えることが可能です。
逆を言えばこのパーティでは「相手を選ばず広範囲に戦う」のをメインコンセプトとしているため最も汎用性がある、もしくは単体性能が上がるような技構成・持ち物を選んでいます。
ポケモン個別の構成には他にも様々な選択肢があるためその選択肢についてはポケモン個別のところで触れたいと思います。
とにかく有利な対面を使い、積み技を使って相手を一掃する。
立ち回りはそれだけのシンプルなものです。
<個別解説>
●カイリュー@ラムの実@マルチスケイル
意地っ張り 167(4)-204(252)-115-*-120-132(252)
逆鱗・地震・神速・龍の舞
・意地っ張りAS基準
まずは最も選出しやすく、腐りづらい人気ポケモンのカイリュー。
使い方はシンプルで、龍の舞をして逆鱗をするだけです。マルチスケイルのおかげでなかなか1撃では倒されにくく、舞える場面は非常に多いです。
たとえ相手の控えに鋼ポケモンなどが控えていても、可能な限り逆鱗を撃ちたいです。それによって相手を削り、他のポケモンで起点にするのが目標なので。
配分は最も火力に特化している意地っ張りAS配分です。カイリューのSを割く理由が個人的には「キノガッサより早い」のと「同族意識」であるためこの二つはパルシェンの採用もあってあまり重要視しておらず、逆鱗と神速の火力の底上げを優先させ性格は意地っ張りにしてあります。
勿論陽気で採用するのも良いと思います。パルシェンを選出出来無い場合の同族意識などもありますし、ヒードランに先制で地震を撃てるメリットもあります。
技構成については最もカイリューが仕事をしやすい構成にしました。メインウェポンの逆鱗、抑止力としての神速、メインコンセプトの積み技である龍の舞が確定し、ラストに地震を採用しました。炎のパンチが無いことで対鋼(主にナットレイとハッサム)に打点を持ちにくくなっていますが、カイリューなら逆鱗でゴリ押ししやすいことと、パーティに唯一の地面技持ちがカイリューということもあって今回は地震を採用することにしました。
他のポケモンの技構成によっては炎のパンチや瓦割りなど、他の攻撃技での採用も視野に入ると思います。
持ち物は逆鱗の混乱・相手の電磁波・鬼火・キノコの胞子など色々と使えてシナジーがあり腐りづらいラムの実が一番しっくりときます。
各種ジュエルなどを持たせて攻撃範囲を広げるのも良いと思います。
●パルシェン@気合のタスキ@スキルリンク
無邪気 125-147(252)-200-106(4)-58-134(252)
氷柱針・ロックブラスト・ハイドロポンプ・殻を破る
・無邪気AS基準、余り4をCに
ボクが今作で最も評価しているポケモンの1匹であるパルシェン。
殻を破るを使った後の氷柱針・ロックブラストは対策していないパーティを粉々にします。
カイリューがスカーフ持ちのドラゴン(主に逆鱗を使われた場面)に出し、そのポケモンを起点にして殻を破るを使い相手を全て粉砕するアタッカーとします。
物理防御が高い半面特殊防御が低いので殻を破るを使える対面を増やすために気合のタスキを持たせました。完全に物理ポケモンしか起点にしないというのであれば各種ジュエルなどの他の持ち物も十分視野に入ると思うので是非好みの戦法を組み込んでいただければ、と思います。
配分はまず陽気ASとし、気合のタスキを持たせたので耐久には割いていません。素早さに補正をかけなければ殻を破るを使った後の拘りスカーフ持ちラティオスが抜けないということと、万が一キノガッサと対峙して同速ゲーをしなければならなかった場合に50%の確率で勝負することを捨てたくなかったため性格は素早さに補正をかけました。そして後述のハイドロポンプを採用するため、陽気ではなく無邪気での採用です。
ハイドロポンプを搭載しているのは最も鋼ポケモンを削りやすい技だと思ったからです。厄介なヒードランなどの対処も兼ねていますが、一貫しやすい技の一つではあるので。
このハイドロポンプも割と自由な枠で、各種目覚めるパワーなどピンポイントでメタを貼ってそれを崩せる技を搭載出来ると思うので色々環境に合わせて型を変えたりするのが良いと思います。当然配分も陽気ASではなくそれに合わせてCを上げたりする必要が出てきます。
個人的にはハイドロポンプの他に氷の礫がお気に入りでよく使っています。
●ウルガモス@虫のジュエル
臆病 161(4)-*-86(4)-186(248)-125-167(252)
大文字・虫のさざめき・目覚めるパワー(地面)・蝶の舞
※目覚めるパワー地面個体、CDがU
・臆病CS基準
カイリューが物理ドラゴンにやられたらパルシェンの出番で、特殊ドラゴンにやられたらウルガモスの出番と言えばわかりやすいでしょうか。
カイリューもパルシェンも物理アタッカーであるため、特殊アタッカーのウルガモスが自然と組み込めます。
持ち物を虫のジュエルにすることで、1回蝶の舞を使うだけで非常に広い範囲で攻撃技を使うことが出来ます。1回舞えば虫のさざめきでガブリアスや水ロトムやバンギラスなどを確実に倒すことが出来ます。
配分は火力重視である臆病CS基準。攻撃技も普段はボクがあまり積極的に採用しない大文字にして後出しのポケモンにも大ダメージを与えられるようにしました。
性格が臆病である理由はオノノクスでほぼパーティが半壊するのでそれに対する抑止力(龍の舞を使わせない)と、同族を意識しての性格決定です。
目覚めるパワー地面の枠が自由枠です。相手のカイリューが若干重たいパーティなので目覚めるパワーを氷にしたり、テラキオンやバシャーモを見るならばサイコキネシスなどを採用するなど、突破したい相手によって技を変えると良いと思います。
このパーティは天候変化や追い風によるS操作ギミックが無いためウルガモスのSを上げることでのキングドラやドリュウズ対策ということにはなりませんが、虫のジュエルを持たせているということもあって臆病でも火力は十分に足りていると判断しました。
種族値が高いポケモンなので勿論控えめCSでなくとも耐久に割いたり、受けループのラッキーメタとして眠るなどを仕込んだりして色々な役割を持たせることが出来ます。
持ち物も割と自由なためラムの実や命の珠を持たせても別の活躍をさせることが出来るという非常に自由度の高いポケモンなのではないでしょうか。
●キノガッサ@毒毒玉@ポイズンヒール
陽気 155(156)-151(4)-101(4)-*-92(92)-134(252)
ローキック・タネマシンガン・キノコの胞子・身代り
・最速
・ポイズンヒール・天候ダメージ・身代りを考慮しHPは155
・拘り眼鏡持ちC161キングドラの竜の波動を最高乱数以外耐え
4体に採用したのはキノガッサ。既に対策が普及し従来のこのテンプレ気味の配分のキノガッサだと若干動きづらいかもしれません。
努力値は身代り・ポイズンヒール・天候ダメージなど全てを考慮すると最も効率の良いHP155を基準にした耐久配分です。
このポケモンの採用理由は積み技のS上昇だけではドリュウズやキングドラなどの天候下で素早さを上げるポケモンが抜けないため、砂パにも雨パにもある程度耐性があり、かつ1匹で相手のポケモンを全て倒せるエースとしての働きが期待出来るというところにあります。
最初に書いたように対処法が色々あって動きづらく、相手の起点にされる恐れもあるため扱いは慎重にならざるを得ません。また、対雨パのポケモンでありながらHP155であるため特殊耐がやや低めであり、対砂パのポケモンでありながらマッハパンチが無いためドリュウズに圧倒的に有利というわけではないなど器用貧乏になっている感が否めませんが、選出でキノガッサを使うことを強く意識しているならばローキックやタネマシンガンではなくマッハパンチや岩雪崩など別の技も検討したり、配分を攻撃寄りにするなど環境によって一工夫が必要だと思います。
当然単体性能は折り紙つきで相手の選出を大きく制限し、立ち回りもテンプレ通りに動けば基本的に問題は無いため使い方さえ間違えなければまだまだ第一線級にいるポケモンなのは間違いありません。
この配分・構成のキノガッサは「最も対応範囲が広い」ということでこの構成にしてあります。
●ロトム(ウォッシュフォルム)@光の粘土
穏やか 157(252)-*-140(100)-125-161(156)-106
ハイドロポンプ・ボルトチェンジ・電磁波・リフレクター
・剣の舞1回積んだA205ドリュウズの命の玉岩雪崩+ステルスロックのダメージ+砂ダメージ1回耐え
・A182拘り鉢巻きガブリアスの逆鱗耐え
・A189命の珠バシャーモの飛び膝蹴り耐え
・C182拘り眼鏡ラティオスの流星群を最高乱数以外耐え
・C161命の珠キングドラの竜の波動を247/256(96.5%)で2発耐え
このブログでは何度も登場している配分の水ロトムです。技についても特に記述はいらないのではないかと思いますが改めて。
キノガッサと共に対雨・対砂をこなす枠としてリフレクターロトムが入ります。相手のカイリューをパルシェンでしか見づらいため、リフレクターを搭載することで少しでも負担を軽減したいです。
基本的に雨パを相手にするときにメインとなるので特殊耐久が必要であり、対パルシェンもこなさなければならないためリフレクターを採用しているからといって物理耐久も切れません。物理面・特殊面でもどちらの耐久も必要になるため総合耐久で汎用性のあるこの配分に落ち着きました。
積み技だけだと相手の追い風要員と合わせて攻められると辛いため、電磁波を入れることでそれへの抑止力になれます。
持ち物は光の粘土でリフレクターのターンを伸ばします。やはりボルトチェンジによる迅速は交代が出来るとはいえ、5ターンは短いので粘土の有無は大きく試合に関わるところです。
ハイドロポンプ・ボルトチェンジ・電磁波までは個人的に必要だと思っている技で、リフレクター(+光の粘土)は他の構成でも十分に使えるはずです。目覚めるパワーを入れたり、10万ボルトを入れたりして対応範囲を広げると使いやすさが増すと思います。
完全に穴埋めのポケモンですがタイプ・技に恵まれ非常に活躍の場面が多いです。恐らくこのパーティでは最も選出回数の多いポケモンの一匹なのではないでしょうか。
●ココドラ(Lv1)@木の実ジュース@頑丈
12-5-7-6-6-6
※Lv1、かつSが6ならばなんでも良い
我武者羅・吠える・ステルスロック・堪える
最後に採用したのはLv1のココドラ。
採用理由の一番大きな理由はステルスロックなのですが、単体で相手に大きな負担を与えられるポケモンで、かつ弱点が大きく被らないポケモンがなかなか思いつきませんでした。
そこで自然に戦術に組み込め、パルシェンやカイリューなどの手助けが出来るココドラを採用することに。
モンメンと違い非常に選出出来る相手が多く、ステルスロックを使えば相手の後続のカイリューやタスキ持ちに対して負担を与えられ、こちらの決定力を補助出来ます。
ココドラの魅力は自らもアタッカーであること。上手く噛み合えば相手を手負いにしてこちらのペースに試合を運ぶことが出来ます。
ココドラの弱点としてブルンゲルといったゴーストやパルシェンやキノガッサといった連続技持ちが挙げられますが、それらの弱点をこのパーティではカバーしており、ココドラがサポーターでありながら、決定力となりうるココドラ自体を他のポケモンでカバー出来ているという相性補完が成立しています。
ココドラの役目は相手のバンギラスに圧力をかけることと、控えのカイリューに負担を与えること。この二つが同時にこなせて、かつ相手の積み技持ちに起点にされにくいポケモンはココドラが最も適任でした。
何よりピンポイントにならず選出出来るポケモンなため活躍の場が多いです。相手の選出が読めなかったり複数の組み合わせに悩んだ時は初手にココドラをとりあえず置いておくだけでも意外と戦えたりします。
配分はLv1なので特に無し。強いていうなら羽やドーピングなどを駆使しSを5ではなく6まで上げた方が相手の麻痺したナットレイなどに対して先手が取れるのでちょっとお得です。勿論実践で役立つことは殆どありませんが・・・。
技は我武者羅・吠える・ステルスロックまでは最低限な遂行技として必要だと考えています。残りの技として少しHPが削れても木の実ジュースで行動回数が増やせる堪えるを搭載し後出しからでも運用しやすくしました。吠えるを持っているポケモンなので相手の積み技持ちのポケモンへの抑止力としても働けるため後続で出すことも考えると理に適っているのではないかなと思います。
砂嵐を入れたり日本晴れを搭載することで特定のパーティへのメタとしての機能も果たせるため他の技の採用も十二分に考えられます。
解説は以上になります。積み技を多様するパーティの「基本形」として作り上げた構築です。
能力上昇系の技が強いけれど使い方がイマイチ分からないという方にはオススメしたいです。
同時に「起点にする・される」「負け筋を作る立ち回り・選出」がハッキリとしやすいパーティなため、シングルバトルに不慣れな方でも使いやすいのではないかと思い、シングルバトル入門としてオススメ出来るパーティの一つなのではないかと自負しています。パルシェンやキノガッサなどシングルバトルならではの強さを発揮するポケモンの強さを是非味わっていただきたいなと。
6匹が同じでも技の型・持ち物で全く別のパーティになります。気合のタスキをキノガッサに持たせてASにしたり、パルシェンに拘りスカーフをもたせたり、カイリューに拘りハチマキをもたせたり、ロトムに拘り眼鏡を持たせたりして技をいじるだけで動かし方が全く別のパーティになります。それはすなわちこれらのポケモンが「他の型でも強さを発揮する強さを持つ」ポケモンなため、色々試す中で是非自分にあった使い方・戦法を編み出せればと思います。
そういった「自由度」を一番大切にして使い、暖めた構築です。
またボクの構築の中でも珍しいのですが、このパーティは「どの3匹を選んでもそれなりに不自由なく戦える」ということを念頭に置いています。勿論カイリュー・キノガッサ・ココドラと選出してパルシェン1匹に3タテされるようなこともあるのである程度考えることは必要ですが、攻撃面での単体スペックを重視しているので基本的に噛み合えば絶対に勝てないということは無いのではないかと思います。ボクのシングル構築の中でも自信作。
この構成自体はニコ生の大会で3回ほどベスト4に行き、身内に貸したところ1回優勝出来たという報告をもらったので構築の完成度はある程度保証されていると思います。
当然オノノクスが凄く重かったりと、構築の穴はまだまだあるのでこれで結論ということではなく、基盤の一つとして色々改造を施していただければ嬉しいです。
最後まで読んで下さってありがとうございました。この構築が何かの参考になれば幸いです。